トゥレット症候群とはどんな病気?症状や原因・治療法・治るの?汚言症とも関係あるの?
トゥレット症候群と言う言葉を耳にしましたが、いったいどんな病気なのでしょうか?症状や原因、治療法について調べてみました。トゥレット症候群は治るものなのでしょうか?また、汚言症との関係についても言及しています。
もくじ
トゥレット症候群とはどんな病気?
チック症についてはご存じの方も多いと思います。ある動作が急に現れ、繰り返し、不随意に行われる疾患で、顔や体の一部が動く運動チックと、発声や言語の特徴による音声チックとがあります。
運動チックには、まばたきや顔をしかめたり、首を傾げたり、うなずいたり、口をゆがめたりといった動作がよく見られます。
音声チックには、咳払いやうーんという発声、鼻をすする、といったものが多く見られるようです。
さらにチックの中には複雑なチックというものがあり、拍手やジャンプ、屈伸等の複雑系運動チックや、無意味な言語や反復言語、汚言症のような複雑系音声チックがあります。
これらのチック症の症状が1年以上にわたって見られると、トゥレット症候群と診断されます。
トゥレット症候群の原因
トゥレット症候群の根本的な原因は、解明されていません。
遺伝的要因が関与しているとも考えられていますが、神経伝達物質であるドーパミンのアンバランスが関与しており、遺伝的要素も無視できないと近年の研究では考えられ始めています。
ただチックの発症は、不安や緊張、疲労といったストレスが原因となり発症しやすい傾向にもあるようです。
トゥレット症候群のもとでもあるチック症状が発症した場合は、心身ともに落ち着ける環境に身を置くと、症状が改善する傾向にあるといわれています。
トゥレット症候群は治るの?治療法は?
チック症を始めとするトゥレット症候群は、4~11歳頃に発症することが多く、12歳頃を境に徐々に減少していきます。
成人になる頃にはおよそ半数は自然治癒していきます。
トゥレット症候群が成人後にも残る頻度は、5000人に1人くらいのようです。
トゥレット症候群の現在の治療方法としては、認知行動療法や抗精神病薬の投与などの方法が行われるようですが、根本的な治療法はまだ見つかっていないとのことです。
トゥレット症候群は何科の病院?
チック症状のみの場合は、神経科を受診します。
強迫性障害や抑うつ・不安症状がと共にチックが併発しているのであれば、精神科での受診となります。
チック症は小児期から青年期の男子に主に発症するケースが多いので、子供の場合は小児科や小児神経科・児童精神科で診察してもらうと良いでしょう。
トゥレット症候群による汚言症(おげんしょう)とは
汚言症とは、卑猥なことばや罵倒語(汚言、醜語)などを、不随意的に発する症状をいいます。
これはトゥレット症候群の複雑音声チックの症状の一種にも見られる減少であるため、汚言症の原因にトゥレット症候群が関係していると診断されることもあるようです。
かつて汚言症は心の問題とも言われてきましたが、現在はドーパミンなどの脳内環境の影響が考えられ、遺伝的な要因とも考えられるようにもなってきました。
また、疲労や緊張、ストレスなどで、汚言症(トゥレット症候群)は悪化しやすいということも分かっていますので、チックの各症状を含め、ストレス緩和を心がけることがとても大切です。
まとめ
海外の有名女性アーティストが、自身のトゥレット症候群について言及していました。
チック症などの症状を面白おかしく編集し動画などにして投稿する人がいたようですが、これは人道的に許されるべき行為ではありませんね。
それでなくとも本人は、トゥレット症候群に悩まされてきたのですから。それにトゥレット症候群にはストレスは大敵。むしろいたわるべきところです。
有名人に対しては何をしても自由といった風潮がどこの国にもありますが、それは明らかに間違った行為です。
有名人と言えど、もとは1人の人間です。自分がやられたら辛いことは、相手だって辛く感じるものです。もう少し想像力を働かせてほしいところですね。