タワーマンションは本当に住みやすいのか?見栄と引き換えに大きなリスクを抱える

20階以上あるマンションを、いつしか「タワーマンション」と命名して、ある種のステータスを表わす象徴のような存在になっています。

そのステータスとは、経済力やライフスタイルに関わるものですが、個人的には特に憧れる要素はありません。

10年以上、分譲マンションの設備設計技師をしていた関係もあって、ちょっとだけマンションを見る目が違うためです。

さらにはネガティブ思考な部分もあって、どうしてもリスクばかりを考えてしまうクセがあります。

タワマンに住みたいと考えて、契約するのは大いに結構なことですが、今回は、タワマンに対する注意すべき事についてシェアしたいと思います。

タワマンは狭い国土には合理的

タワマンを購入すると、

  • 頑張った証
  • 夢の現実
  • ちょっとした優越感
  • 限られた人だけが得る景色

など、各自が思っていたことを手に入れることができます。

物件によっては投資目的での購入も良いでしょう。

しかも限られた敷地に内に建築することで多くの世帯が住めるのですから、タワマンは狭い国土の我が国において合理的な住まいとも言えます。

地震大国でありながら建築技術のなせる業です。

しかしながら一般的なタワマンのイメージは、

  • 高い(価格と高さ)
  • 美しい
  • 富裕層

ではないでしょうか。

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タワマンでも停電に弱いことがある

2019年の台風19号において、武蔵小杉のタワーマンションの電気系統が故障し、いわゆる「全棟停電」の発生が注目されてしまいました。

参照:武蔵小杉タワーマンション、台風19号が突いた洪水対策の盲点:日経ビジネス電子版

地下3階に設置していた電気設備が、浸水によって引き起こした不運でしたが、購入者の誰もが、想定していなかったと思います。

電気系統がダメになると、エレベーターが使えないことがマンションでは大きなリスクとなります。

立体駐車場の動力も止まれば出勤などに影響が出るでしょうし、何よりも水が出ないのは痛いところです。

水を運ぶなら2階または3階程度なら階段でも何とかなりますが、高い階層だとキツイですね。

特にお年寄りは辛いものがあるでしょう。

復旧が未定となればイライラも募ります。

タワマンは万能ではないことを知った人も多かったと思います。

マンションを購入する人の行動

浸水によって電気設備が被害を受けるとは、設計者も想定外だったのではないでしょうか。

そもそもマンションを購入する場合、隅々までチェックすることは不可能、いや時間的余裕が無いと言った方が正解かもしれません。

設計図書の閲覧は可能なのですが、仮に設計図書を見たところで、建築関係者でなければ「わけがわからない」から見ることも無く契約してしまうことがほとんどでしょう。

もし出来る限りチェックして契約しようとしても、人気の物件だと出遅れてしまいます。

抽選ならば良いですが、販売側からすると抽選は面倒ですし、気が変わらないうちに契約してくれた方が良いですから先着順が基本です。

となると悠長に下調べする時間はありません。

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タワマンだけじゃない高層住宅の弱点

怖いのは火事です。

それと直接的では無いにしろ管理組合が機能せず、各種メンテナンスが放置されたり、修繕積立金が毎年のように値上げがあったり、老朽化が止まらないということもあります。

見ず知らずが権利上は所有であっても、現実的には共同で住まいがマンションですから、事がスムーズに行かないこともあるわけです。

新築マンションは、特に、それらが未知数ではあるのですが、中古マンションだと傾向がわかりますから管理や運営上のハズレを避けることは可能です。

タワマンは非現実を楽しむ建物と揶揄される面もありますが、購入に関しては誰からも文句を言われる筋合いはないので、腹を決めて契約すれば良いのではないかと思います。

まとめ

タワーマンションは本当に住みやすいのか、自問自答してみると良いです。

景色は確かに素晴らしいです。
下界を見下ろすと気持ち良いことでしょう。

誰にでも自慢できる住まいでしょうし、コロナ禍で自粛が求められるとは言え、将来的にはパーティも計画できます。

満足感と優越感と引き換えに大きなリスクも抱えるわけですが購入は自由です。

慎重に物件は選びましょう。

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