中性脂肪800以上とは?中性脂肪の役割と基準値 中性脂肪値が高いとどうなる?改善方法について

健康診断などの血液検査で中性脂肪の数値が高かった場合、脳梗塞や心筋梗塞など生活習慣病のリスクが高まると考えられます。中性脂肪800以上とはどんな状態と考えられるか、中性脂肪の基準値や中性脂肪値が高いとどうなるか、などについて説明していきます。

中性脂肪が800以上とは

中性脂肪が800mg/dL以上とは、どういったレベルなのでしょうか。

まず、朝食を食べずに採血した時の中性脂肪が500mg/dL以上、特に1000mg/dLを超えていた場合、急性膵炎になるリスクが高い状態にあると考えられます。この場合は、すぐに医師に相談しましょう。

急性膵炎の症状は、みぞおちの辺りの痛み・吐き気・発熱などの症状が起こり、ときに背中まで痛みが広がることもあります。

中性脂肪が500mg/dLを超える人は、遺伝の可能性も考えられます。両親・兄弟姉妹・子供も同じように中性脂肪が高い場合は、その旨も医師に伝えるようにしましょう。

つまり、中性脂肪が800mg/dL以上とは、すぐにかかりつけの医師や内科・内分泌科・内分泌代謝科といった診療科を受診するレベルであるといえます。

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中性脂肪の役割と基準値について

中性脂肪とは脂肪の一種で、ブドウ糖が不足した場合のエネルギー源として使われたり、皮下脂肪になって体温の保持や内臓を衝撃から守る働きをするものです。

このように、中性脂肪は人間の生命活動にとって重要な栄養素などとしての役割を持つのですが、エネルギーとして使われなかった中性脂肪は皮下脂肪として蓄えられ、肥満や生活習慣病の原因になってしまう恐れもあるものです。

つまり、中性脂肪は多すぎても少なすぎても好ましくなく、中性脂肪の基準値は、空腹時で30~149mg/dLが適正値とされています。

体質などによって中性脂肪の数値が高めな人もいますが、一般的に肥満傾向の人ほど中性脂肪の数値は高くなります。

中性脂肪値が高いとどうなる?

中性脂肪値が高いと肥満なのか?というと、必ずしもそうではありません。

中性脂肪が皮下組織で増えれば肥満につながりますが、肝臓で増えれば脂肪肝につながり、血液中に中性脂肪が多い状態が続くと、動脈硬化等のリスクが高まる状態となります。

中性脂肪値が高い原因は、主に脂質の多い食べ物やアルコールの過剰摂取が原因です。しかし、痩せているのにも関わらず中性脂肪値が高い場合は、血液中に脂肪が留まりやすい体質の可能性もあります。

中性脂肪値が高すぎると、以下のような重大な病気を引き起こしたり、命を落としたりする危険性があるので、注意が必要です。

  • 脳卒中
  • 狭心症、心筋梗塞
  • 脂肪肝
  • 糖尿病
  • 甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
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中性脂肪を増やさない生活習慣

中性脂肪を増加させる原因は、食べすぎ、お酒の飲みすぎ、運動不足が主な原因です。

食べすぎの場合

食生活改善のポイントとしては、まずは中性脂肪を増やしやすいバターや生クリ-ムなどの乳脂肪分の多いもの、牛肉や豚肉など脂質の多いもの、果物・ハチミツ・ケーキ・ジュースなど糖質の多いものは控えるようにしましょう。

また、食物繊維には糖質や脂質の吸収を抑える働きがあるので、食物繊維を多く含む野菜・キノコ・海藻などを積極的に摂取することをおすすめします。

お酒の飲みすぎの場合

アルコールも中性脂肪を増やす原因になります。

アルコールの1日の摂取量の目安は、

日本酒:1合
ビール:大瓶1本
ワイン:グラス2杯
ウイスキー:グラス1杯

です。

週に1~2日の休肝日を設け、節度ある飲酒を心がけてください。

運動不足の場合

ウォーキング、スロージョギング、エアロバイク、水中での運動など、有酸素運動を週に数回続けると、効率よく中性脂肪を減らすことができます。

思うように運動の時間を取れないなら、日常的に早歩きをしたり、階段を使うようにするなど、できる範囲で身体を動かすような工夫しましょう。

中性脂肪値改善のためのサプリや薬について

中性脂肪を下げる薬は以前は処方箋が必要とされていましたが、現在は購入が可能です。近年では血液サラサラ効果が期待できる「EPA」や「DHA」などのサプリメントや、EPA配合のも販売されています。

市販の医薬品は、中性脂肪値が150~300mg/dLの人しか購入できないため、服用指導などを受けた人しか購入することができません。

サプリメントなら誰でも購入できますが、EPAには血液が固まりにくくなるなどの作用もあるため、1日3g以上摂取する場合は注意が必要になります。

中性脂肪の数値が高い場合は病院での治療が必要な可能性もあるので、なるべく早めに医師への相談をおすすめします。

まとめ

中性脂肪の基準値は、空腹時で30~149mg/dLで、多すぎても少なすぎても好ましくありません。

中性脂肪値が高い主な原因は、食べすぎ・お酒の飲みすぎ・運動不足です。

数値が500mg/dL以上の場合は、急性膵炎になるリスクが高まります。すぐに内科・内分泌科・内分泌代謝科などで受信するようにしましょう。

中性脂肪値が高いまま放置していると、重大な病気を引き起こしたり、命を落とす危険性もありますので注意が必要です。

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