もう銀歯とはさようなら?これからは保険診療で白い歯での虫歯治療が可能に その理由と注意点
虫歯の治療をされて銀歯になってしまった経験ってありませんか?白い歯は保険適用外で、治療費が高くなるとこれまでは聞かされ、仕方なし銀歯に。しかしこれからは、保険診療で白い歯での虫歯治療が可能になったそうです。その理由と、白い歯で保険診療を受けるときの注意点についてもご紹介します。
もくじ
銀歯による治療よ、さようなら
これまで虫歯の治療をする際には、保険診療では銀色の被せ物(銀歯)での治療がなされてきました。
あれって、見えない奥歯の方ならまだいいのですが、手前の方に銀歯があると、結構笑ったときに目立つので、できれば避けたかったんですよね。
ところが今回、保険診療で白の被せ物の治療が可能となったようです。これはとても喜ばしいことです。
やはり見た目は大事です。笑うと見えていたギラギラの銀歯とも、これでさようならです。
銀歯の代わりの白い被せもの
今回保険診療の効く銀歯の代わりにかぶせる白の被せものは、「CAD/CAM冠」と呼ばれるものだそうです。読み方は、「きゃどかむかん」と読みます。
「CAD/CAM冠」のCADは、「Computer Aided Design」の略で、いわゆる建築設計のCADと同じコンピューターによる設計を意味します。
そしてCAMの方が「Computer Aided Manufacturing」の略で、コンピュータ支援製造を意味します。
つまり、CADで形状データを作成し、そのデータをもとにコンピュータが工作機械で歯のかぶせものを作るという技術になります。
材質は、ハイブリッドレジンと呼ばれるレジンにセラミックの粉末を混ぜ割れにくく改善されたプラスチックの一種で、まるで本物の歯のように自然な白色をしています。
すべての歯の治療が保険適用でCAD/CAM冠にできるの?
これまで、虫歯保険の範囲内で治療しようとすると、ほぼ銀歯による治療でした。
しかし、2014年頃から徐々に保険適用でCAD/CAM冠での治療できる歯の番数(歯には前歯から奥に向かって番号が振られている)が増えてきてはいました。
それが現在は、7番の歯である第二大臼歯(最奥の歯)以外は、CAD/CAM冠での治療が保険適用可能となりました。
CAD/CAM冠が保険適用となった背景
白い素材での虫歯の治療は、以前は審美治療に該当し、保険適用外だったのですが、なぜCAD/CAM冠による治療が、保険適用となったのでしょうか。
その1つの理由として、金属アレルギーの患者への対応があげられます。
また、銀歯の治療で使われる金属の「パラジウム合金」の原料価格が上昇し、CAD/CAM冠の治療との差が小さくなってきていることも関係しているようです。
歯の治療費は、使用する材料と技術料の合算により価格が決まります。CAD/CAM冠の技術料は銀歯の治療よりも高いものですが、パラジウム合金の材料費の高騰によりその差がかなり縮まったわけです。
CAD/CAM冠で治療する際の注意点
ただ、ひとつ注意したいのは、全ての歯医者でCAD/CAM冠による治療が保険適用ではないということです。
厚生労働省による施設の基準を満たし、かつ、届け出を出している医療機関でのみ、CAD/CAM冠による治療が保険適用となります。
およそ8割の歯科医院で、現在保険診療対応されているようです。
もしも、CAD/CAM冠による治療を保険診療で行いたいのであれば、訪れる歯科医に事前に問い合わせて確認することをお勧めします。
まとめ
私も笑うと上の歯に銀の被せものがキラリと光って見えます。何年か前に治療した際に、虫歯を削り、一部銀の被せものになってしまいました。
当時、けっこう気になっていて、しばらく鏡の前で銀歯を見ては、暗い気分になっていました。
虫歯は削って治療をしますので、実際の虫歯箇所よりも歯を大きめに削り取るため、けっこう大きく銀歯となったりするんですよね。
それが今回、白い歯(CAD/CAM冠)での治療が保険適用となったということは、とても喜ばしいことです。
これで気にせず笑顔にもなれるというものですね。
だからといって、虫歯になってもOKというわけではありませんから、食後にきちんと歯を磨く習慣は、くれぐれも守ってくださいね。