年収っていくらあると勝ち組なの?手取り額でいちばん損しない年収と年収のピーク年齢について
年収っていくらあると勝ち組なのでしょう?手取り額でいちばん損しない年収とはいったい?また、人生における年収のピーク年齢は何歳ころなのかについてお伝えします。また、所得税率に関する間違った認識についても、例をあげてご紹介します。
もくじ
年収っていくらあると勝ち組?
あくまでもここでいう勝ち組とは、収入という面での勝ち組の話です。
だいたい年収っていくらあると勝ち組に入るのでしょうか。
ここでは所得分布の上位20%以内を勝ち組としますと、その年収は600万円以上ということになります。
国税庁の統計によりますと、年収600万円以上の人の割合は全体の19.9%なのだそうです。
年収600万円というと月収50万です。
夏と冬のボーナスを合わせて120万円ある人なら、月収40万円でも年収は600万円達成です。
なんとなく手の届きそうで、届かない年収額、という感じでしょうか。
手取り額でいちばん損しない年収は?
手取り額でいちばん損しない年収は、いくらなのでしょう?
それを調べるには所得税と住民税について考える必要があります。
これを考慮すると、ぎりぎり税率が20%にならない年収と言えるかと思います。
控除は家族構成などにより大きく変わりますので一概には言えませんが、結婚して子供がいる家庭の場合だと、配偶者控除や扶養控除などの控除があるため、年収600万円でも課税所得額は330万円未満となるでしょう。
となると年収600万円でも、所得税率は10%で済みますから、かなり高コスパのような気がします。
もちろん奥さんがガッツリ稼いでいるという家庭では、話が変わってきますが。
所得税の累進課税について
コスパの良い年収について、もう少し仕組みを詳しく理解するために、所得税の累進課税について見てみましょう。
日本の場合、所得税は所得額に応じて税率が上がる「累進課税」となっているのですが、その税率は5%から45%の間で所得に応じて7段階に分類されます。
累進課税の所得税は年収に対してまるまる掛かるのではなく、諸々の控除が引かれた後の課税所得額に対して税率が決まります。
その区分は、次のとおりです。
1,949,000円以下:5%
1,950,000~3,299,000円以下:10%
3,300,000円~6,949,000円以下:20%
6,950,000円~8,999,000万円以下:23%
9,000,000円~17,999,000以下:33%
18,000,000円~39,999,000万円以下:40%
40,000,000円以上:45%
(課税される所得金額:税率)
ちなみに住民税は、一律10%(市町村民税6%、都道府県民税4%)となっています。
年収のピーク年齢
一般的に年収は、会社に入社して徐々に増えていき、ある時期をピークに、また下がり定年を迎えます。
ではその年収のピークとなる年齢とは、何歳くらいなのでしょうか。
年収のピークは55-59歳だそうです。
会社員の場合だと、この期間の間に役職定年を迎える人が多いようです。
つまり、役職定年を迎える直前が、年収のピークといえますが、具体的な年齢は各会社により異なるので、何歳とズバリは言えません。
ちなみに、役職定年を迎えると、年収は2割ほど下がることが多いようです。
その後、60歳で定年を迎えて一気に年収が下がり、再雇用で65歳まで働き現役を終えるという流れが、今の会社員の多くの流れとなっています。
現役中は退職するまでずっと右肩上がりというわけでもないのですね。
まとめ
そういえば、以前友人が海外出張が増えた時に手当が増え、一時年収700万円くらいになった時がありました。
その時に、かえって手取りが減ってしまうと懸念していたのは、課税所得額が3,300,000円を超え、ギリギリ20%の領域に入ってしまうところだったからでしょう。
この境界のあたりだと、所得税率が10%から20%に上がるため、手取りの逆転が発生すると考えたのでしょうが、実際は手取りの逆転は起きません。
というのも、所得税率は最も高い部分の税率が示されているに過ぎないからです。
たとえば、課税所得額が350万円だった場合、329万9000円に対しては5%、そして差額の20万1000円に対して10%の税金が掛かると言った具合に、全体にまるっと20%掛かるわけではないからです。
年収に対する手取りの割合は、稼げば稼ぐほど減ってはいきますが、年収が増えたのに手取りが減るといった「逆転現象」は起きませんのでご安心ください。
最後に、こん回使った「勝ち組」という言葉は、あくまでも年収の額面の割合から見た場合の表現であって、年収が多ければ幸せかというと、そうとも言えませんので誤解のないようにお願いいします。
年収にかかわらず、楽しく幸せに生きている人こそが、「人生の勝ち組」だと思います。目指すべくは「人生の勝ち組」であることは言うまでもありません。