定年後65歳からの1人暮らしをぼちぼち楽しむために必要なお金について
定年後、65歳からの1人暮らしについて。誰かに頼らず、ぼちぼち楽し見ながら暮らしていくには、毎月どれくらいのお金が必要か、65歳までにやっておくべきことは何かについて調べてみました。
もくじ
今後増え続ける高齢者の一人暮らし
65歳以上を含む全世帯において、65歳以上の単身世帯の割合が今もどんどん増えています。
その数は、1989年では14.8%だったのが、2019年の時点で、28.8%と20年間で倍近い数値に、そしておよそ3人に1人の65歳以上の高齢者が、一人で暮らしているということです。
今なおこの単身世帯の割合は増え続けていますから、これはもはや他人事とは言えませんよね。
未婚率の高さがその主な原因と言えど、結婚していても少子化も続いていますから、夫婦二人世帯であっても、パートナーが先に亡くなれば、いずれ単身世帯になっていまいますので、他人事とも言っていられません。
ということで、65歳を過ぎて単身世帯で暮らしていく場合、どれくらいのお金(収入)があり、そのときまでにどのような状態であればよいのかについて考えていきます。
ぼちぼち楽しく暮らすのに必要な最低限の1ヶ月分のお金
ここでは「ぼちぼち楽しく暮らす」がテーマなので、贅沢とは無縁の生活です。
倹約できるところはきっちりし、身の丈に合った生活であり、ないものはあきらめる中で、自由度は優先して、ストレスをあまり感じずに生きるといったものです。
1つのシミュレーション例をここであげます。
〈支出〉
住居費:3万円(管理費、修繕積立、固定資産税の月割りなど)
水道・光熱費:8000円
通信費:8000円(スマホ、インターネット、NHK受信料、アマゾンプライムなど)
保険料:6000円
食費:20000円
美容・衣料費:5000円
趣味・娯楽費(外食費含む):10000円
医療費:5000円
雑費:3000円
その他調整費・予備費:5000円
計:100000円
はい、一カ月10万円ほどです。
現役時代に企業で勤め、厚生年金をきっちり払ってきた方の場合、厚生年金受給額の月平均が男性はおよそ165000円、女性がおよそ103000円だそうです。
男女での支給額が異なるのは、男性の方が平均生涯賃金が高いからです。
いずれにせよ、男女ともに10万円はクリアしていますから、上記のシミュレーション範囲での生活は可能ですね。
しかし、現役時代に個人事業主やフリーランス、社会保険のない企業で働き続け、厚生年金ではなく国民年金を支払ってきた人の場合、平均的な月の国民年金支給額は、男性で59000円、女性で54000円程度とかなり少なくなります。
こうなると、月に10万円の支出に対し、約4-5万円程度不足となります。
つまり、年金でだけでは「ぼちぼち楽しく暮らす」のは難しいということです。
困りましたね。
65歳までにやっておくべきこと
上で提示したシミュレーションを見て、気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、住居費が月3万円とかなり低いです。
そうです、月3万円の内訳は、管理費、修繕積立、固定資産税の月割りなどですから、上のシミュレーションを満たすには65歳までには住宅ローンを完済しておく必要があります。
逆に、持ち家でない場合でも、地方などで月に3万円以下の賃貸物件を借りることで、これをクリアすることもできます。
地方には月3万円以下でも一人で暮らすには十分な広さと設備を備えた物件もありますので、実はここは大した問題ではないでしょう。
もちろんこの生活では、クルマは所有できませんから、地方と言ってもスーパーまでは徒歩圏内(もしくは自転車で行ける範囲)というのは、住居選びの大事な条件になります。
それから、食費は月2万円ですから、当然自炊が基本となります。ただし、趣味・娯楽費が1万円ありますので、たまの外食はここから補えば何とかなるのではないかと思います。
あとは、お金がないと心の余裕がなくなりますので、生活費の1年分は最低でも貯金をしておきたいものです。
この場合だと120万円ですね。もちろん多いに越したことはないので、3年分くらいの貯金があったらかなり安心です。
月10万円に足りない場合はどうするか?
上記シミュレーションを見ていただければお分かりの通り、これでもかなり質素な生活ではあります。
国民年金の場合だと、月に4-5万足りませんので、その場合は不足分を補うために、やはり働くしかありませんね。
ただ月に4-5万であれば、週5日フルタイムで働く必要もなく、週に1-2日程度働ければ補えると思います。
社会とのコミュニケーションの時間とでも割り切って、働けるうちは働くのも健全な考え方だと思います。
また、年金受給年齢を遅らせることで、年金支給額は増えていきます。
今後は65歳以上の雇用も増えていきますので、ストレスのない程度で仕事を続け、年齢を重ねるごとに徐々に労働時間を減らしていくといったプランを立てると良いと思います。
実際のところ、今後はおそらくこういったスタイルで65歳以降も働き続けることが一般化するのではないかと思います。
まとめ
65歳でリタイアした後の一人暮らしについて、考えてみました。
こうやって考えてみることで、自分の老後の生活がイメージできてくると思います。
何も65歳を過ぎてからいきなりこのシミュレーション通りにする必要はなく、充分に働いている現在でも試しにやってみるのもいいと思います。
今のうちから月10万円でも楽しく暮らせる技術を身に着けておけば、余剰金は将来の貯金になるわけですから、その分安心できますし、場合によっては早期に利泰も可能んあってくすかもしれません。
人と比較するのではなく、何に価値観を置いて生きるのかを今一度見つめ、余分を省いて早く自分にとっての快適なライフスタイルを見つけてみてください。