映画『ドライブ・マイ・カー』に登場するサーブ900という車について モデルの種類や中古車市場など
映画『ドライブ・マイ・カー』に登場する初代サーブ900という車についてご紹介します。実は映画と原作とでは同じサーブ900でも使用が少し違ったりします。また映画の中のサーブ900の詳細なモデルについてもお伝えします。
もくじ
映画『ドライブ・マイ・カー』に登場するサーブ900とはどんな車?
村上春樹原作の映画『ドライブ・マイ・カー』。
そこに登場する名脇役ともいえるサーブ900という赤い車が登場します。
ある意味、サーブ900でなかったなら、この物語は成り立たなかったのではと言ってもいいくらい、とても重要な役割を担う車なのです。
では、このサーブ900とは、どんな車なのでしょう。
サーブ900、見た目はおとなしい印象ですが、よく見るとなかなか個性的なデザインをしています。
一目見て、日本車ではないなというフロントフェイス、そして、なんといっても横から見た際のルーフからテールまでの微妙なライン、これこそがサーブ900を個性的に見せる要因なのではないかと思います。
サーブ900はスウェーデンの自動車メーカーのサーブが作った車です。
このサーブ900は大きく初代と2代目(New)とに種類が分かれています。
そして特にデザイン面で評価の高いのが初代のサーブ900で、1978年から1993年にかけて製造されました。
映画『ドライブ・マイ・カー』で使われているサーブ900も初代の方です。
初代は最終型でも30年近く前の車ですから、ずいぶんと古い車に主人公が思い入れを持っているのが分かりますね。
初代サーブ900にもいくつかバリエーションがありますが、映画『ドライブ・マイ・カー』で登場するのは、3ドアのハッチバックでターボ16というモデルかと思われます。
北欧デザインは主張しないながらもきらりと光るセンスの良さがあり、日本人の美的感覚ともとてもマッチしていると思います。
その理由に、ここ数年では北欧家具をはじめとしたスカンジナビアデザインが日本でも非常に人気です。
初代サーブ900も正にハイセンスな人選ぶ美しい車だと思います。
小説の中でのサーブ900
映画『ドライブ・マイ・カー』では、赤いサーブ900でしたが、実は村上春樹氏の小説の中でのサーブ900は、黄色のガブリオレでした。
ガブリオレとはオープンボディのことで、つまりオープンカーですね。
それが映画版では赤いハッチバックになったのは何故なのでしょう。
黄色のオープンカーでは、主人公のキャラクターからすると、少し派手過ぎだと監督が感じたのかも知れません。
映画の中で、車のサンルーフから手を伸ばし、たばこの煙を車外に逃がすシーンが印象的ですが、この絵を撮りたいがためにクーペモデルを採用したとか?どうなのでしょうね。
それにしても、武骨なイメージと美しいラインとが融合した不思議な魅力を持つサーブ900。一度その魅力にハマるとなかなか抜け出せなくなりそうです。
ここで、映画『ドライブ・マイ・カー』のトレーラーの中で垣間見れるサーブ900の姿を見てみましょう。
初代サーブ900の中古車市場
初代サーブ900が製造されていたのは、1978年から1993年15年間でう。既に製造終了してから30年近くも経っています。
スウェーデンの自動車メーカーというとボルボとサーブなのですが、日本ではボルボはわりと知名度がありますが、サーブはそれほどでもない気がします。
もともと日本ではマイナーな車である上に、30年も前の車ですから、初代サーブ900の中古車を見つけるのもなかなか大変です。
実際に、初期型サーブ900に絞ってネットの中古車サイトで検索してみたところ、ヒットしたのはわずか3台でした。
しかも、劇中で使用されている3ドアハッチバックは残念ながら1台もなく、ここにあるのは4ドアセダンとガブリオレですね。
一時は結構中古車が出回っていた初代サーブ900ですが、さすがに今は珠数が少ないようです。
そのうえ、最近は旧車ブームもあり、初代サーブ900もかなり値上がりしています。
ちなみに、初代サーブ900には、大きくクローズドボディとガブリオレとがあり、クローズドの方には、3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、2ドアセダン、4ドアセダンの4タイプがあります。
劇中で使われているのはリアゲートが大きく開いているところからも分かるように、3ドアハッチバックモデルですね。
好みはあるかと思いますが、初代サーブ900の中では、3ドアハッチバックがいちばんデザイン的に美しいように思います。
ガブリオレもとてもかっこいいと思いますけどね。
まとめ
何かのきっかけで出会ってしまい、ビビットきて一目ぼれ。
車にもそんな出会いがあると思います。
映画『ドライブ・マイ・カー』を観て、初代サーブ900の魅力にやられてしまった人もいるのではないでしょうか。しかも、女性の視点から見ても、とても魅力的に映る車かと思います。
初代サーブ900の3ドアハッチバックには、時代に左右されず永遠に失われない優れたデザインがあります。それでいて、5人乗りで荷物もそこそこ積めて、実用面でも十分に使える車なので、思わず悩んでしまいますね。
こういった車をずっと大切に乗り続けるというのも、なんだかすごく素敵ですよね。