ADHDとはどういったもの?その症状や特徴・長所について ADHDに適した仕事・不向きな仕事
ADHDとはどういったものでしょうか。その主な症状や特徴・長所についてお伝えします。また、ADHDの特性を活かした、適した仕事・不向きな仕事の上手な見つけ方についても解説いたします。
もくじ
ADHDとは
ADHDとは「Attention Deficit Hyperactivity Disorder」の略語で、「注意欠陥多動性障害」のことです。
ADHDは年齢的に見て、注意力が足りなかったり、衝動的で落ち着きがなかったりといった特徴があります。それが学校や家庭、職場などの日常生活において、支障をきたしてしまいます。
この特性は12歳以前から見られはじめ、大人になっても続く傾向にあります。
ADHDがなぜ起こるのかといった原因については、詳しいことはまだ分かっていませんが、これは脳の成長に偏りがあることと関係があるとされています。
ただし、子供の頃にADHDと診断された場合でも、大人になるに連れその傾向が薄れていく場合もあります。
子供の頃はADHDは20人に1人の割合でいるといわれていますが、成人になる頃には40人に1人と、その割合は半分にまで減少します。
また、子供の頃は男の子の方が女の子よりも3~5倍程度多いとされていますが、成人になる頃はその比は同程度になるようです。
ADHDの主な症状
ADHDの主な症状として、不注意症状と多動性・衝動性症状の2つがあげられます。
不注意症状としては、
- 授業や会話などに集中し続けられない
- ケアレスミスが多い
- 紛失物が多い
- 話しかけられても上の空であることが多い
といった点が見受けられます。
また、多動性・衝動性症状としては、
- じっとしていられない
- 授業中に席から離れて歩き回る
- 落ち着きがない
- 無駄な動きが多い
- 突発的に言葉を発したり行動することが多い
といった点が見受けられます。
ADHDの特徴
職場で見られるADHDの特徴として、
- 実行力はあるものの、すぐに飽きてしまう
- 計画力がない
- 単純事務作業が苦手
- 長時間の会議が苦手
- 机周り等の整理整頓ができない
- お金の管理が苦手
故に、職場の環境や求められる業務によっては、とても苦手となるものもあり、結果的に転職を繰り返す傾向が高いです。
また、ADHDの話し方の特徴として、
- 空気が読めずに発言してしまう
- 細かい部分にこだわりすぎる
- 話がまとまらない(結論がない)
- 説明がわかりづらい
- 話す内容が限定的になりやすい
といった傾向があるようです。
そのため、初対面の人にあまり良い印象を持たれなかったり、誤解されてしまうことも少なくないようです。
ADHDの長所
ADHDは悪い面ばかりではなく、長所となる特性も備えています。
それは、
- 独創性に優れ発想力が高い
- 好奇心・チャレンジ精神が旺盛
- 興味のある分野に対する集中力が高い
- 決断が早い
といった点です。
ADHDに適した仕事・不向きな仕事
ADHDの特性により、仕事の向き不向きがあります。
転職を繰り返す傾向が高いのは、ADHDの特性を理解しないまま仕事選びをしているからです。
では、ADHDの特性を活かした適した仕事にはどういったものがあるかというと、
- 個人の技術力やスキルが要求される仕事
- 芸術・クリエイティブ系の仕事
- 自身が高い関心も持てる業務・職種
- チームではなく一人で黙々とできる仕事
などです。
発想力が高いため、クリエイティブな仕事や、企画力が求められる仕事に向いています。
反対に、ADHDにとって不向きな仕事はというと、
- マルチタスク(並行して複数業務を行う)が求められる仕事
- チームプレーを必要とする仕事
- 人の命に関わるようなミスが許されない仕事
- 自分のミスが致命的となってしまうような責任の重い仕事
などは、不向きな仕事といえるでしょう。
まとめ
ADHDとは「注意欠陥多動性障害」と呼ばれるもので、先天性の精神疾患です。
子供の頃の行動によりADHDと診断されることもありますが、大人になってから顕在化する場合もあります。
大人になるに連れADHDは減少傾向にあり、成人時には子供時の半分程度の割合というデータもあります。
また、子供の頃は女の子よりも男の子の方がADHD的傾向が強く見られ、3~5倍程度多いとされていますが、成人になる頃にはこの比率は同程度となります。
ADHDの主な症状は、「不注意症状」と「多動性・衝動性症状」の2つです。
そのため、ADHDに適した仕事や不向きな仕事というものがありますが、特性をよく理解することで長所につなげることも可能です。