脳幹出血は助からないのか?脳幹出血の前兆 回復率はどれくらい?脳出血との違いについて
脳幹出血が起きた場合、助かる見込みはあるのでしょうか。脳幹出血の前兆や回復率、予防法について、また脳出血との違いについてお伝えします。
もくじ
脳幹出血とはどんな病気?脳出血との違いについて
脳幹出血とは脳幹と呼ばれる部位が出血するもので、脳出血の一種です。
脳幹出血は脳出血の5~10%を占めています。
脳幹は中枢神経系を構成する器官が集まったもので、中脳、延髄、橋、間脳を含みます。
主に自律機能や睡眠・覚醒レベルの調整、姿勢運動制御などを司っています。
脳幹出血の原因
脳幹出血の原因には、
- 高血圧
- 食生活の乱れ
- 運動不足
- ストレス
- 喫煙習慣
- 糖尿病
- 高脂血症
などがあります。
こういったことが動脈硬化の原因となり、血管を脆くしてしまうことで脳幹の血管が破れやすくなります。
脳幹出血の前兆
脳幹出血には次のような前兆が見られます。
- 突然の強烈な頭痛
- 身体の片側の麻痺
- 吐き気・嘔吐
- 意識障害
など
また、上手く話すことができなくなったり、息苦しくなったり、物が二重に見えることもあるようです。
脳幹出血は助からないのか?
脳幹出血は、脳出血の中で最も死亡率が高いとされており、その死亡率は47~80%程度とされています。
脳幹出血が重篤な場合、急速に容態が悪化し、発症後数時間から数日で亡くなってしまうこともあるそうです。
特に橋に出血すると、昏睡や呼吸障害、四肢麻痺、過高熱といった重度の症状が起こり、24時間以内に死亡する可能性が高いとされています。
また、脳のすべての機能が停止することで、人工呼吸器がないと生命維持も難しいといった、いわゆる「脳死」の状態となることもあるようです。
脳幹出血は亡くなる方が6割弱、脳死の植物状態になる方も1割と、かなり重症な疾患です。
一命を取り留めた場合でも、脳の障害を受けた範囲が広いと後遺症が長く残ってしまうことが多いとされています。
脳幹出血の回復率
脳幹出血を起こした際の回復の見込みは、重症度などが大きく関係してきます。
血管の奇形による脳幹出血の場合は、症状が軽いため比較的すぐに回復することもあります。
出血の範囲が広く、発症時の意識状態が悪い・麻痺が重いほど、回復率は低下します。
発症後に病院で対処してもらうまでの時間や、リハビリテーションの進捗具合も回復率には影響してきます。
回復見込みのある3割については、
良好な回復:6%
中程度の障害が残る12.5%%
重度の障害が残る:12.5%
といった割合となっています。
脳幹出血によって壊れた脳細胞や神経の再生は難しいものの、脳の神経細胞群が新たなネットワークを作り機能改善が起きることもあるとされています。
なので、急性期を乗り切れる見込みがあるのであれば、リハビリを諦めずに行うことがとても重要となってきます。
脳幹出血の予防
脳幹出血を予防するうえで注意すべきは、高血圧にならないようにすることです。そのためには、塩分の摂りすぎに気をつけましょう。
また、動脈硬化にも気をつける必要があります。
動脈硬化の予防は、
- 肥満に気をつける
- 動物性脂肪を摂りすぎない
- 野菜を多く摂る
- 適度な運動習慣
- お酒を飲み過ぎない
- 禁煙を心がける
ことになります。
まとめ
脳幹出血は高血圧や動脈硬化が起こりはじめる50歳代以降に発症しやすくなります。
高血圧や動脈硬化にならぬよう、普段の生活を見直して予防に励むようにしましょう。
また、脳幹出血の初期症状が起きた場合は、軽度と言えど見過ごさず、直ぐに病院へ行って検査を受けるようにしてください。
脳梗塞・脳出血は、前兆が起きた後、いかに早く対応するかで回復率が変わってきます。
救急車を呼ぶことを躊躇せず、前兆があったらすぐに病院へ運んでもらうようにしてください。