老々介護の先の認認介護が増えている 認認介護とは?割合や問題点・対策・解決策について
老々介護という言葉はよく耳にしますが、最近、「認認介護」という言葉を耳にするようになってきました。認認介護とは一体どういうものなのか、そしていま増えているという認認介護の割合や問題点、対策、解決策などについてお伝えします。
認認介護とは
いま老々介護の先にある認認介護(にんにんかいご)という問題が、浮上し始めているそうです。
まず、老老介護とは何かというと、65歳以上の高齢者が65歳以上の高齢者を介護している状態のことです。
65歳って高齢者なの?って思った方もいるかも知れませんが、国際保健機構(WHO)では、65歳以上を高齢者としています。ちなみに、国連では60歳以上を高齢者と定義しています。
日本は世界の長寿国ランキング1位の国ですし、超高齢化社会の国なので、なんとなく65歳なんてまだ現役に近いイメージ捉えているかもしれませんが、世界的には十分高齢者に該当するのですね。
そして最近問題となっているのが、認認介護です。
認認介護とは、認知症の高齢者が認知症の高齢者を介護している状態のことです。
言うなれば、認認介護は老々介護がより深刻化した状況といえます。
老人介護の中でも認知症患者の介護はとても労力のいるものです。それをより軽い方の認知症の高齢者が、重度の認知症患者を介護するわけですから、大変というか上手くいかないことが多発するであろうことも容易に想像できます。
そしていま、この認認介護が増加しているのだそうです。
なぜ老老介護や認認護が増えるかというと、少子高齢化により若い家族が身内にいないこと、そのうえで施設に入居するお金もない、介護に対する知識もない、などといった事情が、このような状況を生んでいるようです。
認認介護の問題点
実際に認認介護が起きた場合の問題点としては、どういった事が考えられるでしょうか。
それは、一言でいうと、
「介護者同士の介護には限界がある」
ということでしょう。
高齢者でなくとも認知症患者の介護はとても大変です。
認知症ではない場合の老々介護であっても、体力的精神的な負担は相当なものがあります。
それがましてや軽度と言えど要介護者が、更に重度の要介護者を介護をするなんて、既に仕組みとしては破綻しているといえます。
認知症が介護を担当するとなると、
- 服薬や食事の管理ができない
- 体調に合った適切な介護ができない
- 治療費や生活費の金銭感覚がわからない
- 緊急事態のときの対応により事故が起こりやすくなる
といった問題も発生しやすくなります
しかし実際に老々介護の先には、このような認認介護が起こっているという現実が増えているのが現実なのです。
認認介護の割合
実際に認認介護の割合がどれくらいいるのでしょうか。
少し前のデータですが、65歳以上の高齢者のみの世帯は全体の27%で、この割合も総数も30年以上増加し続けているそうです。
そのなかで老老介護世帯はおよそ55%ほど。つまり半数以上の高齢者世帯で老々介護が起きているということです。
要介護者の中の認知症の割合はおよそ2割程度だそうですが、認知症まではいかずとも認知症に似た症状がすでに現れている「軽度認知障害」という状態の人も相当数います。
実際の認認介護の割合はまだ性格には把握されていませんが、老老介護世帯の年齢が上がるに連れ、認認介護の割合が増えることは容易に想像がつきます。
認認介護の対策と解決策
認認介護の対策としては、やはり健康に留意する他ありません。
また、同居家族のみでなく、普段から周囲の人たちとのコミュニケーションも図っておく必要があります
お互い介護が必要となる前から、どちらかが要介護となった場合どうするかを事前に話し合っておくことも必要でしょう。元気なうちに介助スキルを身につけるべく、講習を受けておくのも良いと思います。
また、老老介護となった場合に、居住地の自治体や医療機関の相談室にて、現状を相談してみることをおすすめします。
利用できる施設や解決策の相談としては、地域包括支援センターの利用がおすすめです。
一番良くないのが、世帯内だけで自力で解決しようとしてしまい、解決知識もないまま引きこもってしまうことです。
意外と知らないサービスなど、利用できるものもあるので、自分の知識内で解決しようとせず、まずは市役所などの行政施設に相談することをおすすめします。
まとめ
少子化の波は止まりそうにありませんね。つまりこの先も高齢化社会は、まだまだ続くということです。
若く体も元気なうちは思いもよらないことが、高齢者になると起き始めます。
50歳を過ぎたら、今を刹那的に生きるのではなく、常に少し先の将来を見据え、家族間で話し合うことは必要でしょう。
単身者は協力しあえる友人を持つなど、元気なうちから高齢になったときのことを想定して行動を起こしておきたいところです。