神奈川県藤沢市に位置する湘南台高校は、アクセスの良さと部活動の活発さで知られ、多くの受験生から注目される公立高校のひとつです。
なかでもマーチングも行う吹奏楽部の存在や、着こなしやすい制服、穏やかな校風などが人気の背景にあります。
本記事では、湘南台高校の通学アクセスや偏差値、入試に必要な内申点と倍率、大学進学実績や指定校推薦の有無まで詳しく解説します。
受験校選びで迷っている中学生や保護者の方にとって、進学後のイメージを描く手助けになれば幸いです。
湘南台高校へのアクセスと通学事情
湘南台高校は、交通アクセスに優れた立地にあり、県内外からの通学がしやすい高校としても知られています。
この章では、湘南台高校の最寄り駅や路線、周辺環境、通学エリアとしての範囲を具体的に解説します。
最寄り駅は3路線乗り入れの「湘南台駅」
湘南台高校の最寄り駅は、藤沢市内にある「湘南台駅」です。
湘南台駅には以下の3路線が乗り入れており、非常に利便性の高い交通環境が整っています。
- 小田急江ノ島線
- 相鉄いずみ野線
- 横浜市営地下鉄ブルーライン
このため、藤沢市内だけでなく、横浜市や大和市、綾瀬市、さらには鎌倉市や戸塚方面など、神奈川県内の広範囲から通学が可能です。
湘南台駅から湘南台高校までは、徒歩8分ほど。
駅前にはスーパーや飲食店も並び、通学途中の買い物にも便利な立地となっています。
主要駅からのアクセス時間
湘南台駅は、県内の複数の拠点駅からも電車1本または乗換1回でアクセスできるのが特徴です。
以下は、主要駅から湘南台駅までのおおよその所要時間です。
| 駅名 | 所要時間(目安) |
|---|---|
| 藤沢駅 | 約7分 |
| 大和駅 | 約7分 |
| 戸塚駅 | 約11分 |
| 鎌倉駅 | 約18分 |
| 本厚木駅 | 約21分 |
| 横浜駅 | 約30分 |
| 小田原駅 | 約41分 |
これらのことから、湘南台高校は湘南・横浜エリアをはじめとした幅広い地域から通学可能な高校であるといえます。
通学手段と周辺環境の安心感
湘南台駅から高校までは比較的平坦な道のりで、歩道もしっかり整備されているため、安全に通学できます。
駅から学校までの間には住宅街が広がり、人通りもあるため、朝夕の通学時間帯でも安心です。
また、自転車通学を選ぶ生徒も多く、校内には駐輪場が整備されています。
学校所在地・基本情報
湘南台高校の所在地と連絡先は以下の通りです。
神奈川県立湘南台高等学校
住所:〒252-0804 神奈川県藤沢市円行1986番地
電話番号:0466-44-1120
公式サイト:https://www.pen-kanagawa.ed.jp/shonandai-h/
自然と都市機能が調和した湘南エリアに位置し、落ち着いた環境のなかで学習や部活動に打ち込めるのが魅力です。
湘南台高校の偏差値と学力レベル
湘南台高校の偏差値は、神奈川県内の公立高校の中でも中堅上位の位置にあり、部活動との両立を目指す生徒にとってバランスの取れた進学校として知られています。
この章では、湘南台高校の偏差値をベースに、求められる学力や、他校との比較、入学後の学習環境などを詳しく解説します。
湘南台高校の偏差値は56前後
湘南台高校の偏差値は、おおよそ56前後とされています(2025年6月時点の進学情報サイト等を参考)。
これは、神奈川県内の公立高校約200校の中で、ほぼ上位4分の1にあたる水準です。
学力面では中の上に位置し、「難関ではないが油断できない」「部活も勉強もそれなりに頑張りたい人向け」という評判が多く見られます。
特に、部活動が盛んである一方、進学への意識も高いため、内申点や定期テストにしっかり取り組む姿勢が求められます。
中学3年時の通知表がオール4程度、定期テストで学年上位3割をキープできる学力があると、受験ラインに乗りやすくなります。
「湘南高校」との混同に注意
よく混同されがちなのが、神奈川県内でもトップ校として知られる「湘南高校(神奈川県立湘南高等学校)」です。
この学校は偏差値74を誇り、東京大学・京都大学など最難関大への進学実績が多数ある別の学校になります。
湘南台高校とは所在地も異なり、校風や進学実績にも大きな差がありますので、検索や受験の際には名称を間違えないよう注意しましょう。
内申点とのバランスも重要
神奈川県の公立高校入試は、「学力検査の得点」だけでなく、「内申点(中2後期・中3前期の成績)」が合否を左右します。
湘南台高校の合格者に多い内申点は、135点満点中108〜110点前後とされます。
これはオール4よりやや高めの評価に相当し、真面目に授業に取り組み、提出物や生活態度も評価される生徒が有利になります。
偏差値56という数字だけを見ると、学力勝負と思われがちですが、湘南台高校に合格するには内申点と学力の両方が必要です。
進学重視の学習環境と支援体制
湘南台高校は「部活と勉強の両立」を掲げており、進路指導にも力を入れています。
放課後には自習スペースを活用する生徒も多く、学習支援に積極的な先生も多数在籍。
定期的に進路面談が行われるため、自分に合った進学先を早期から意識しやすい環境です。
また、2年次以降は文系・理系に分かれたカリキュラムが導入され、志望校に応じた授業選択が可能です。
共通テストを見据えた模試対策や、小論文・面接練習など、大学進学に向けたサポートも丁寧に行われます。
偏差値以上に重視したい「校風」との相性
湘南台高校は、穏やかでのびのびとした校風も特徴のひとつです。
真面目にコツコツ努力する生徒が多く、いわゆる「荒れている」「ピリピリしている」といった空気感は見られません。
学力の高すぎる進学校のように、毎日プレッシャーと戦う必要もなく、自分のペースで勉強や部活に向き合える空気が魅力です。
偏差値や数字だけでなく、「自分の性格や希望する高校生活のスタイルに合うかどうか」で志望校を選ぶ視点も持っておきたいところです。
中堅上位の進学校としての立ち位置
神奈川県内において湘南台高校は、「中堅上位の進学校」というポジションにあります。
超難関大志望者よりは、GMARCH・日東駒専・神奈川大などを目指す生徒が中心です。
大学進学を前提にしながら、部活動や高校生活も充実させたい人には、ちょうど良い選択肢といえるでしょう。
湘南台高校の内申点と入試倍率
湘南台高校を受験するにあたって、内申点と入試倍率は重要な指標になります。
特に神奈川県の公立高校入試制度は「内申点と学力検査の総合評価」で合否が決まるため、どちらか一方だけが高くても合格は難しくなります。
この章では、湘南台高校に合格するために必要な内申点の目安や、過去数年の倍率推移、合格者の傾向について詳しく解説します。
内申点の目安
神奈川県の公立高校入試における調査書の評定、いわゆる内申点の扱いは、
(第2学年の9教科の評定の合計)+(第3学年の9教科の評定の合計)×2
および
第3学年の「主体的に学習に取り組む態度」の評価について、評価Aは3点、評価Bは2点、評価Cは1点に換算した合計
であり、少々ややこしい基準が設けられています。
湘南台高校の場合、過去の合格者の傾向から内申点は106〜109点前後がひとつの目安とされています。
湘南台高校データ | 高校判定アプリ@神奈川
これはオール4(9教科×4=108)に相当する水準であり、学校生活をしっかり送っている生徒がターゲット層になります。
主要5教科に加えて副教科(技術家庭・音楽・美術・保健体育)も評価されるため、手を抜くと合格圏から外れてしまう可能性もあります。
内申点が足りないと感じる場合でも、学力検査で高得点を取ることでカバーできることもありますが、内申点と学力のバランスが重要です。
内申点(評定)と学力検査の比率は4:6(2026年度)
神奈川県の公立高校入試では、学校ごとに「学習の記録(評定)」と「学力検査」の比率が定められています。
湘南台高校の場合、「評定:学力検査=4:6」となっており、この情報は神奈川県教育委員会が公開する「令和8年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要」で確認できます。
令和8年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要 – 神奈川県ホームページ
入試の得点目安は500点中300〜340点
湘南台高校の学力検査(5教科・各100点満点、計500点)での合格ラインは、年度により前後するものの、おおむね300〜340点程度とされています。
湘南台高校データ | 高校判定アプリ@神奈川
過去2年の入試倍率の推移
湘南台高校の実質倍率は、過去2年間から1.1〜1.3倍で推移するものと考えます。
具体的な倍率データは、神奈川県教育委員会の公式発表で確認できます。
- 2025年度:倍率1.34倍
- 2024年度:倍率1.14倍
出典:神奈川県公立高等学校入学者選抜について – 神奈川県ホームページ
定員割れの可能性はあるのか?
近年の湘南台高校では、定員割れを起こすような極端な人気低下は見られていません。
特に、吹奏楽部やダンス部など部活動に魅力を感じて入学する生徒も多く、地域からの信頼も高いため、一定の志願者は安定しています。
ただし、同じ偏差値帯の高校が複数あるため、近隣校との人気バランスによって志願者数に微妙な変動が出る可能性はあります。
神奈川県の志願変更期間では、倍率を見たうえで出願先を変える受験生も多く、最終倍率は変動する点にも注意が必要です。
面接・特色検査は実施される?
湘南台高校では、現時点(2025年度)では面接・特色検査の実施は行っていません。
そのため、受験当日は5教科の学力検査が勝負となります。
一方で、内申点には生活面の評価も含まれているため、「総合的な人物評価がされている」という認識で対策を進めることが大切です。
湘南台高校の大学進学実績と指定校推薦
湘南台高校は、公立高校としては部活動の充実だけでなく、進学実績でも安定した成果を残しています。
特に近年は、MARCH・日東駒専・神奈川大学など私立大学への合格者を多数輩出しており、進学に強い高校としての側面が際立っています。
この章では、令和6年度の卒業生データをもとに、最新の大学合格実績や指定校推薦の傾向、進路指導体制について詳しく解説します。
令和6年度 卒業生の進路状況(2024年3月卒)
湘南台高校の2024年3月卒業生(令和6年度)の総数は237名です。
そのうち、大学進学者が182名と全体の約77%を占めており、非常に高い進学率を記録しています。
- 大学進学:182名
- 短期大学:4名
- 専門学校等:35名
- その他:16名
- 合計:237名
この数値は、県内の中堅上位校と比較しても高水準といえ、進学希望者へのサポート体制が整っていることを裏付けています。
最新の大学合格実績(令和6年度)
湘南台高校の進学先は、例年私立大学が中心であり、難関・中堅大学を問わず幅広い大学に合格者を出しています。
以下は、令和6年度における主な大学合格実績とその人数です。
- 神奈川県立保健福祉大学(1)
- 早稲田大学(2)
- 明治大学(3)
- 青山学院大学(3)
- 中央大学(5)
- 法政大学(8)
- 学習院大学(4)
- 東京理科大学(1)
- 東京都市大学(3)
- 日本大学(17)
- 東洋大学(8)
- 駒澤大学(12)
- 専修大学(24)
- 東海大学(26)
- 國學院大学(3)
- 明治学院大学(10)
- 神奈川大学(30)
- 北里大学(3)
- 工学院大学(3)
- 成蹊大学(5)
- 東京電機大学(3)
- 関東学院大学(25)
- 上智大学(1)
- 東京農業大学(9)
出典:神奈川県立湘南台高等学校|進路実績(令和6年6月4日更新)
MARCHや日東駒専クラスへの安定した進学
令和6年度の進学実績を見ると、MARCH(明治・青学・中央・法政・学習院)合格者は合計23名に上り、湘南台高校の学力層においては十分高い成果といえます。
さらに、日東駒専(日本・東洋・駒澤・専修)は61名と最も多く、学校全体の進学志向の中心層がこのあたりに位置していることがうかがえます。
また、神奈川大学(30名)・関東学院大学(25名)といった地元人気大学への進学者も多く、地域密着型の進路選択も際立っています。
上位校合格者も少数ながら存在
上智大学(1名)、早稲田大学(2名)、東京理科大学(1名)といった難関大学への合格実績もあり、全体としては「堅実な進学志向の中に一部上位層が含まれる」というバランス型の傾向が見てとれます。
指定校推薦の枠は非公開、だが実績あり
湘南台高校では、指定校推薦の詳細(大学名・人数など)は公式には公開されていませんが、合格実績から見て、MARCH・日東駒専レベルの大学から推薦枠を得ていることはほぼ間違いありません。
特に、推薦合格が多く見られる傾向のある明治学院・専修・神奈川・関東学院などの大学への進学者数が多いことが、その傍証といえるでしょう。
指定校推薦を狙う場合は、高校1年時からの内申点管理、出欠状況、生活態度などが非常に重要となります。
2年次後半からは進路希望調査や推薦枠の仮提示も行われるため、早期の意識づけが必要です。
進学指導体制も整っている
湘南台高校では、進学希望者に対して外部模試の活用や小論文・面接の指導、赤本を使った大学別演習などを通して支援が行われています。
三者面談や卒業生による講話会など、大学進学後を見据えた取り組みも多く、情報不足にならないような工夫が随所に見られます。
また、進路に迷う生徒に対しても、専門学校・公務員・就職など複数のルートを提案する体制が整っており、ひとりひとりに合った進路設計が可能です。
湘南台高校の制服・部活動・人気の理由
湘南台高校は、アクセスや進学実績に加えて、制服のデザイン性や部活動の充実度でも注目されている高校です。
とくに吹奏楽部のマーチングは県内でも有名で、学校全体の雰囲気にも大きく影響を与えています。
この章では、湘南台高校の制服の特徴、活発な部活動、そして同校が選ばれる理由について詳しく解説します。
湘南台高校の制服はどんなデザイン?
湘南台高校の制服は、ブレザータイプを採用しており、男女ともに落ち着いたネイビーカラーが基調です。
男子はスラックス、女子はスカートスタイルが基本ですが、近年では女子にもスラックス選択が可能な学校が増えており、湘南台高校でもその柔軟性が評価されています。
リボン・ネクタイは赤・紺のラインが入ったクラシカルなデザインで、口コミでは「シンプルで上品」「着回しがしやすい」「学外でも浮かない」といった声が見られます。
また、指定のセーターやカーディガンもあり、寒暖の調節がしやすく、実用性も高い制服です。
総じて「落ち着きがありつつも垢抜けた印象」があり、制服の見た目が志望動機のひとつになることも珍しくありません。
吹奏楽部はマーチングも行う名門
湘南台高校といえば、県内外でも有名な存在が「吹奏楽部」です。
この部は、単なる演奏にとどまらず、マーチングバンドとしての活動も精力的に行っており、県大会や東関東大会などでたびたび入賞しています。
具体的には、文化部の大会である「全日本マーチングコンテスト」や「吹奏楽コンクール」などでの実績があり、演奏技術の高さだけでなく、演出力や団結力にも定評があります。
例年50名以上が在籍し、毎日の練習時間も長く、強豪校ならではの本格的な取り組みがなされています。
中学時代に吹奏楽部でマーチング経験がある生徒にとっては、さらなる成長が期待できる環境であり、「この部活に入るために湘南台高校を選んだ」という声も少なくありません。
運動部・文化部ともに部活動が活発
吹奏楽部に注目が集まりがちですが、湘南台高校では運動部・文化部ともに全体的に活気があります。
部活動加入率は8割を超えており、生徒の多くが高校生活の中で部活を重視している様子がうかがえます。
【主な運動部】
- サッカー部(県大会出場歴あり)
- テニス部(男女ともに活動)
- 剣道部・バドミントン部(インターハイ予選にも出場)
【主な文化部】
- 吹奏楽部(マーチング全国大会出場経験)
- 演劇部(神奈川県大会入選歴あり)
- 茶道部・美術部なども人気
全体として「やるときは本気でやる」「自由だがだらけない」といった校風が、部活動の空気にも反映されています。
湘南台高校が人気を集める理由とは?
アクセスの良さ・部活の充実・進学の安定といった複合的な要因が、湘南台高校の人気につながっています。
特に2020年以降の口コミでは、「勉強と部活を両立しやすい」「学校全体にのんびりした雰囲気がある」「先生との距離が近い」といったポジティブな評価が多く見られます。
また、先述した制服デザインや駅からの徒歩距離(湘南台駅から約8分)も含め、「無理のない通学・活動・学習が実現できる環境」として、現実的な選択肢として受験生の支持を集めています。
口コミでの評価:部活・人間関係・自由度
実際の口コミサイトや卒業生のSNS投稿などでは、以下のような評価が多く寄せられています。
- 「部活中心の生活だったけど、後悔してない」
- 「制服が可愛いって言われるのが地味に嬉しかった」
- 「上下関係もきつくないし、のびのびしてた」
- 「進学もある程度サポートしてくれる。ガチ進学校より楽」
いわゆる「バリバリの進学校」や「緩すぎる自由校」とは異なり、ちょうど良い距離感で学校生活を送れることが、湘南台高校の魅力のひとつといえそうです。
まとめ
湘南台高校は、アクセスの良さや制服の評判に加えて、吹奏楽部をはじめとする部活動の活発さと安定した進学実績を兼ね備えた、バランス型の公立高校です。
偏差値は中堅上位で、内申点と学力の両面から評価される選抜制度により、真面目で落ち着いた校風が形成されています。
進学・部活・学校生活のいずれも充実させたいと考える受験生にとって、湘南台高校は現実的かつ魅力的な選択肢となるでしょう。

