水難事故から子供の身を守る 夏休み期間に発生件数が最大に 海や川での水遊び時の注意点
水難事故は夏休み時期の7-8月が年間の中で最も多く、60%を占めるそうです。水難事故から子供の身を守るために、海や川での水遊び時の注意点についてお伝えします。しっかりと大人が把握し、子供にも伝えることで、水難事故に合わないよう楽しく水遊びを行ってください。
もくじ
夏休みに水難事故は頻発する
夏休みと言ったら、自然を満喫して、海や川で大はしゃぎ!
これはある意味、子どもたちにとっての正しい夏の過ごし方。
しかし、同時に年間を通して最も水難事故が多い時期でもあるので、十分な注意も必要です。
水難事故の件数は、年々減少傾向にありますが、それでも注意は怠れません。
水難事故は5~9月に最も多く、特に7~8月の2ヶ月間で、1年間の事故件数のおよそ60%を占めるほど発生しています。
思いがけないような些細なことが、大きな事故につながるケースもありますので、しっかりと注意点を把握し、子供の水難事故を防ぎましょう。
水難事故が起こりやすい場所
水難事故が最も起こりやすい場所は河川です。
次いで、海、小沼地、用水路、プールと続きます。
なんとなく、海水浴でもっとも水難事故が起こりやすいように思いますが、圧倒的に河川での水難事故が多いということ、覚えておいてください。
昨今はキャンプブームで河川が隣接する山間部を訪れることも多いと思います。
川は浅くても、場所により流れが急なところがあります。
子供が川遊びをする場合は、必ずライフジャケットを着用し、子供だけで川遊びをしないよう、大人がしっかりと監視するようにしましょう。
プールでの水難事故が少ない理由は、この監視体制にあると思われます。
また同時に、子供にも水場での危険性についてしっかりと伝え、自身でも注意するように教えましょう。
河川での水遊び時の注意点
河川での水遊び時の注意点について説明します。
まず川遊びをする際には、必ずライフジャケットを装着するようにしましょう。
そして川の流れは一見緩やかに見えても、位置により流れが急に早くなっている場所もあります。
その点を理解して、深いところへは行かないように気をつけましょう。
また、帽子やサンダルなどが流されてしまった場合でも、子供に自分で取りに行かないよう教えておいてください。
その場合は、大人が状況を見て取りに行くようにしましょう(時には諦めることも大事です)。アイテムを流してしまったことで、子供を叱らないようにしてください。
また、川に入らなくとも、川岸のコンクリートや岩などは、藻が付着することによりとても滑りやすい場合があります。
思わず足を滑らせたり、踏みとどまれずに川の中へとズルズルと落ちてしまうこともありますので、気をつけましょう。
更に、河川で遊ぶ場合に注意したいのが、天候の変化です。
山の天気は変わりやすいというように、山間部でのキャンプの場合、上流の川は天候の変化により急に増水したり、鉄砲水が起きたりします。
空に黒い雲が現れたら注意してください。特に、川の水が急に濁りはじめたり、葉っぱや枝などが流れてくる量が増えた時などは、すぐに陸へと避難するようにしましょう。
川で溺れてしまった場合は、慌てないことが大事です。その場合は、仰向けになって、頭を上流側に、足を下流側に向け、足をやや上に揚げるようにすると、流されながらも身体の向かう先をコントロールしやすくなります。
そのうえで、川の流れの途中で浅瀬を見つけ、そちらの方へ流れ着くようコントロールすることが溺れずに済むコツとなります。
海での水遊び時の注意点
海での水遊び時の注意点についてです。
海でも川同様にライフジャケットを装着して遊ぶことをおすすめします。
海で気をつけるべきは、一見砂浜の海岸で浅く見えていても、急激に砂がえぐれて深くなる場合です。
こうした砂浜は、岸に戻ろうとしても砂がえぐれて浅瀬に上がりにくいため、背の低い子供は特にパニックを起こしやすくなります。
海に着いたら必ず大人が先に海へ入り、安全な海かどうか状況を把握してから、子どもたちに入るようにさせましょう。
ここから先へは行かないといった、ルールもきちんと遊び始める前に伝えましょう。
また海で気をつけるべきことは、「離岸流」です。
離岸流とは、海岸に押し寄せた波が戻って行く際に発生する流れのことで、その流れに乗ってしまうとあっという間に沖へと流されてしまいます。
離岸流が発生する場所の見分け方は、
- 白波が立っていない
- 砂浜が部分的に深く掘れてている
- 押し寄せた波が左右に分かれる
- 界面や岸にゴミが集まっている
- 波の形が他と違う
- 海の表面がまわりに比べてザワついている
といった点に注意すると見分けやすいようです。
海面や海岸の状況を把握するには、少し浜の高い位置まで移動するとわかりやすいです。
もしも離岸流により流されてしまった場合は、まずはあわてず落ち着くことです。そして可能であれば、周囲の人に流されていることを知らせましょう。
また、岸に向かって泳ぐのではなく(流れに逆らい岸に向って泳ぐのは難しい)、一旦岸と平行に泳ぎ、離岸流から離れたことを確認してから、岸に向かって泳ぐようにしてください。
泳ぎに自信がない人は無理に泳ごうとせず、浮くことに専念して、体力を温存してください。
まとめ
水難事故の60%が7~8月に起こります。
最も水難事故が起こりやすい場所が河川で、次いで、海、小沼地となっています。
河川での水遊び時の注意点は、一見流れがゆるやかに見える場所でも、部分的に流れの早い場所があることです。
帽子やサンダルなどが流された場合でも、子供に1人で取りに行かせないようしてください。
もしも川で流されてしまった場合は、あわてずに仰向け状態になり頭を上流側に向け、流されながら浅瀬を見つけ、そこへと流れ着くよう手足でコントロールしましょう。
また、山間部は天気の変更にも注意が必要です。黒い雲が現れたかと思うと急に川の水が増水したり鉄砲水が起こることがあります。
黒雲が現れたら川から一旦上がるなどして、様子を見るようにしましょう。
海での水遊び時の注意点は、砂浜がえぐれて急に深くなる場所を見極めることと、離岸流を避けることです。
しっかりと大人が遊ぶ場所を指示し、事故が起こらなによう監視するようにしましょう。