賃貸の火災保険が高いのは特約盛り盛りでは?賃貸の火災保険は任意です
賃貸物件に入居すると、火災保険は必要かどうか迷う時があります。
大家さんや管理会社から、さも当然に火災保険のチラシを渡されたり、加入が必要であるかのような文書案内などが届くと、より不安になりますよね。
「みなさん加入されてます」
なんて言われた日には、一刻も早く申し込みをしたいと考えるのではないでしょうか。
しかし火災保険の加入は、入居者にとっては義務付けされていません。
加入するにしても必ずしも勧められる商品に同意する必要性も無いのです。
もくじ
火災保険に相場なんてない
そもそも保険に相場なんてありません。
1世帯ずつ収入、貯蓄、資産状況さらには家族構成に年代もバラバラなのですから、どうやって相場を決めるのか逆に聞きたいぐらいです。
火災保険だって、家族構成や間取り、一戸建てかマンションか、その構造、さらには補償内容に特約など、モデルケースを作り上げてはいますが、それで相場として情報公開して良いのか甚だ疑問です。
都合よくサイト運営者が作ってるだけのような気もします。
そもそも保険は、
- 自己資金で補償し切れない部分をカバーする
ということが大前提です。
この意味がわかっていないと、高い保険料を支払うだけになってしまいます。
火災保険の構成
火災保険をはじめとする、ほとんどの保険では、
- 純保険料:保険金支払いに必要な部分
- 付加保険料:保険会社の経費や儲け部分
で構成されています。
特約を前面に押し出すのは・・・もう、わかりますよね。
火災保険に関しては、まず補償範囲を知る必要があります。
一戸建て、マンション、賃貸物件では、補償内容が同じで良いはずはないのです。
火災保険の補償範囲
火災保険の補償範囲は、保険会社によって多少の違いはありますが、概ね、
- 住宅総合保険:総合的補償
- 住宅火災保険:一般的補償
に大別されます。
補償内容については、
補償範囲/保険種類 | 住宅総合保険 | 住宅火災保険 |
火災 | 〇 | 〇 |
落雷 | 〇 | 〇 |
破裂・爆発 | 〇 | 〇 |
風災・雹災(ひょうさい)・雪災 | 〇
※一部自己負担額が |
〇
※一部自己負担額が |
水災 | 〇
※一部自己負担額が |
× |
(自動車飛込等による)飛来・落下・衝突 | 〇 | × |
(騒じょう等による)暴行・破壊 | 〇 | × |
盗難 | 〇 | × |
となります。
賃貸物件に最適な火災保険
賃貸物件については住宅火災保険をベースに考えても悪くないです。
しかも補償の対象は借家の場合は家財のみですから、火災保険料が高いというのは、特約モリモリのプランを提示されている可能性があります。
建物は大家さんまたは管理会社の持ち物ですから、入居者が補償をしてやる必要性はありません。
家財とは、保険契約上で認められる自分の持ち物のことです。
ゆえに全部が全部、補償の対象とはなりませんが、住むために必要な家電製品、家具類、食器類などと考えると良いでしょう。
自動車や有価証券などは家財には含まれませんので、どさくさに紛れて補償しろとクレームを付けると恥をかきます。
家財については契約する保険会社やパンフレットなどで確認しておきましょう。
補償額については、万一、住む場所を奪われたとしても、いくらあれば生活に必要なモノが最低限、揃えられるかを考えるとよいです。
預貯金で賄えるのなら、火災保険契約自体を契約すべきか、考える必要があります。
地震保険の是非
さて問題は地震保険です。
もし火災保険に契約するなら、地震保険自体は月々数百円の負担で済みますから、原則としては加入しておいても良いかと。
地震大国日本では、いつどこで地震が発生してもおかしくはありません。
地震保険加入率(付帯率)も2020年度では68.3%と高い水準です。
まとめ
賃貸の火災保険が高いのは特約盛り盛りでは?
賃貸の火災保険契約は、あくまでも任意です。
大家さんや管理会社からおすすめはあるでしょうが、強制される筋合いはありません。
完全に自己都合で契約して差し支えないものです。
よく考えて契約しましょう。
FP資格所有者による投稿でした。