コロナ禍で苦しんだ業界は旅行・飲食・エンタメだけじゃない!意外なプロ集団が続々倒産!
新型コロナウイルスの世界的な流行から3年。
それまで多くの企業、特に中小規模の会社、個人事業主においては、強烈な打撃を受け、業界単位で厳しい状況に立たされたことは、記憶に新しいところです。
一般的には旅行、エンタメ、飲食の分野が大きな影響を受けたとされています。
ところが、意外にもコンサルティング業界もその影響を深刻に受け、倒産が相次いだことは、あまり知られていません。
従来、経営のプロフェッショナルである経営コンサルタントたちは、企業の立て直しや危機管理の要として重宝されてきました。
なぜ彼らが、真価を発揮しそうな状況で、逆に自らがコロナ禍で倒れる事態となったのか。
今回は、そのナゾについて言及することにします。
もくじ
コンサル倒産の実態
東京商工リサーチの調査では、2023年だけに限っても、10月までに116件の経営コンサル会社が倒産しており、これは過去最多です。
倒産原因の90件は「販売不振」というもの。
つまりコロナ禍で苦しむ企業は、当時、コンサルを必要としなかったことが、明確に現れています。
そりゃそうですよね。
売上が上がらない状況で資金繰りに苦しんでいるわけですから、コンサルに支出する余裕は、当然ありません。
それよりも事業継続について、どう動くか、つまりカネを稼ぐかが重要な時期ですから、国や自治体からの支援金や給付金に飛びつく方かマシです。
ようするにコンサル業界は、支援制度のあおりを食らったということになります。
コンサルより補助金
新型コロナ禍が経済に甚大な影響を及ぼした中、コンサル業界が打撃を受けた要因がわかったと思います。
これまで経営の舵取りにおいて欠かせない存在であった経営コンサルタントが、今や経営危機に瀕しているのは、残念と言うか皮肉なことです。
企業が危機に対処する際は、コンサルに頼るよりも、補助金や制度に依存する傾向が強まることは、今に始まったことではありません。
経済の不確実性に直面すると、確かな支援を求めと制度に依存し、一時の安心を得ようとするのは、当然の流れという印象です。
ましてや体力のない小規模事業者ほど、そのような傾向になるはずです。
支援制度の限界
補助金などの支援制度は、あくまで一時的な支えであり、持続可能な経営戦略や変革の立案には限界があります。
やはりどこかで、売上の回復を睨んだ方向性を示すものがなければ、いつまでも制度に頼らざるを得ません。
ある程度、持ち直した事業者は、徐々にコンサルのチカラを借りています。
しかし、コンサル業界内においても、従来のサービスでは競合に仕事を奪われる時代になったのは、言うまでもありません。
なぜならばコロナ禍を基点に、時代背景や企業が求めるものが様変わりしたからです。
コンサルの変革
従来のコンサルは、戦略系、士業系、政策系とざっくりしたカテゴリになっていましたが、コロナ禍をきっかけに新たなカテゴリの誕生や細分化が進みました。
新たなカテゴリの最たるものはDXです。
どこもかしこもDXを売りにしたコンサルが台頭してきたことは、誰が見ても明らかです。
さらにAIに関連する事業が加速することから、DXを得意とするコンサルは、ますます忙しくなることでしょう。
関連して医療テック、不動産テックなど、これまではITとは無縁とも思えた業界が、デジタルによる業務改革などを取り込んでいます。
かなりの市場性とニーズから、これらの分野を得意とするコンサルは、大きく飛躍していくものと考えます。
逆に、対面でのコンサルからリモートへの切り替えがスムーズに行かなかったコンサル会社も、苦い思いをしていることは想像に難くありません。
自ら変革ができないコンサルから、変革のためのコンサルは誰も受けたくないものです。
コンサル業界は玉石混交
ぶっちゃけてコンサル業界は、参入障壁が低いです。
コンサル業を営むための資格は不要ですから、今日からコンサルタントと名乗ってしまえば、それで済みます。
しかしビジネスとして継続するためには、自身が何らかのことで一定の実績を残すことが肝心かと。
そうでなければ説得力が無いですし、さらに自分以外のことで成果を出さなければ、見向きもされません。
特に、お金儲け系、副業系はSNSでも見ますが、信じるか信じないかはアナタ次第。
まとめ
「コロナ禍で苦しんだ業界は旅行・飲食・エンタメだけじゃない!意外なプロ集団が続々倒産!」というテーマで、コンサルの倒産について書きました。
世の中不況になると、コンサルを頼るのではなく、支援金制度に群がることは、過去にも傾向が出ています。
つまりコンサルは、好景気のとき、新しい潮流が出現したとき、流行の事業が出始めたときこそが、大きな商機だと考えます。
それを考えると、コンサル業も多様性が求められる業界ですね。
参照
経営のプロ 「コンサル会社」 の倒産が急増 ~ コロナ禍での政策支援と「本物を求めるニーズ」のはざまで ~ | 東京商工リサーチ