日本人の平均年収・平均貯蓄額を見て思うこと 平均値の数字のマジックに注意!

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日本人の平均年収・平均貯蓄額が発表されると、つい自分の生活水準と比較してしまいがち。みんなに稼いでいるの?こんなに貯金があるの?と驚く人も少なくないと思いますが、それは平均値のマジックによるものなのでご安心を。それよりも大事なことって…。

日本人の平均年収と推移

よくニュースなどで取り上げられる日本人の平均年収。気になりますよね。

日本人の平均年収はどれくらいかというと、令和元年度で436万円ほどだそうです。
※以下、年収は額面での数値を表しています。

日本人の平均年収の推移については、直近5年がこちら。

令和1年度:436万円
平成30年度:441万円
平成29年度:432万円
平成28年度:422万円
平成27年度:420万円

令和2年度のデータがないので、コロナの影響は見受けられませんが、ここ数年はほぼ横這いといった感じで、430万円前後というところです。

ただし、年収の中央値は270~360万円のようですので、ご安心を(笑)。

たとえば、年収を300万円とすると、社会保険や税金を差し引いた手取りは240万円ほどになります。

これがほぼ日本人の全国平均といったイメージです。

ちなみに、平成の初期のころの平均年収はどうだったかというと、

平成9年:467万円
平成8年:461万円
平成7年:457万円
平成6年:456万円
平成5年:452万円

だいたい460万円前後ですね。

20年前と比べると、いまの平均年収は30万円ほど下がっています。月にすると2-3万少ないです。

これは額面によるものなので、手取りで比べると、社会保険料や税金関係が上がっている分、今の人の使えるお金はもっともっと減っていると言えます。

デフレが続いているので、何とか生きていけてるのでしょうね。

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日本人の平均貯蓄額と推移

続いて、日本人の平均貯蓄額についてみてみましょう。

日本人の平均貯蓄額は、1791万円だそうです。

ただし、これは個人ではなく、二人以上世帯の平均貯蓄額です。

これを聞いてどう思いますか?みんなこんなに貯金しているのかと、びっくりされたのではないでしょうか。

そんなにないよと思ったかもしれませんね。

ちなみに中央値は1061万円だそうです。

それでも1000万円以上あるんですね。

なるほど…。

とは言え、実際は貯蓄額以上に借金を抱えている人も大勢います。

家を購入した人は、ほぼ長期間の住宅ローンを組んでいますから、3000万くらいの借金をかかえていることになります。

そう考えると仮に1000万円の貯金があっても、2000万円の借金があるわけです。

このように生活スタイルにより、人それぞれ状況は異なりますから、あまり平均貯蓄額(中央値も含め)を気にすることはないかなと思います。

また、去年から起こった新型コロナの影響により、状況は依然と大きく変わっているため、直近の貯蓄額はどうなっているかは分かりません。

出かけなくなった分貯金は増えたという声も聞きますし、仕事がなくなり貯蓄を食いつぶして生活しているという人も少なくないようです。

ただ、制圧費が不足して借金をするような生活は、どこかバランスがおかしいと思われます。

その場合は生活費の内訳を今一度見直し、支出カットできる部分について早めに行動しましょう。

いちばんしてはいけないのが、見て見ぬふりをすることですよ。

給与格差 社員と派遣社員の平均年収

次に正社員と派遣社員の収入格差について見てみましょう。

少し前に「同一労働同一賃金」が叫ばれていましたが、コロナ禍になってすっかり聞かなくなってしまいましたね。

そして実際のところ、「同一労働同一賃金」なんて、まったく行われていないのが現状でしょう。

正社員の平均年収は514万円だそうです。それに対し、派遣社員の年収は328万円。その差はだいたい186万円です。

ボーナス分で100万円の差があったとして、それ以外に月に7万円ちょっとの差があるという感じです。

実際に派遣社員で働いていたリアルな感覚からいって、この格差は妥当な数字だと思います。

いくら法律で「同一労働同一賃金」を定めたとしても、一部の職種や職場を除いて、実際のところは難しいのが現実でしょう。

そもそも正社員と派遣社員の給与が同じなら、正社員のメリットって?と思ってしまいます(笑)。

また、派遣社員のみんながみんな、正社員になりたいと思っていないことも、政治家は分かっていないのでしょう。

給与面や条件面でたとえ不利でも、派遣社員ならではのメリットもあります。

言うなれば好きで派遣社員というスタンスを取っている人も少なくありません。

なので、「同一労働同一賃金」は、机上の空論にしか思えません。

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平均値という名のマジック

平均値というデータを見ると、ついつい自分の生活水準と比較して、何かと不安になりがちです。

しかし中央値が示すように、平均値はいわゆる数字のマジックなので、あまり気にする必要はないかと思います。

つまり、実際は平均値をクリアしている人など、ほとんどいないということです。

年収でいうと、およそ75%の人が600万円以下です。一部の高給取りが平均値を上げているのです。

今後大事なことは

昭和が終わり、平成が終わり、令和になりました。この間、随分と世の中の在り方は変わったように思います。

はっきり言って、自分の親と同じ金銭感覚でライフプランを立てて生きると、ほぼ確実に破綻すると思います。

それは終身雇用や年功序列が崩壊し、年金制度が変わったからです。

ひとつの会社で勤め上げ、退職後はのんびりリタイア生活を楽しむなんてことは、もはや幻想でしょう。

生涯における労働期間も長くなり、当然その間の収入のアップダウンもこれまで以上に激しくなります。

右肩上がりが続き、退職金をたっぷりもらえる、そんな甘いライフモデルはもあはやりません。

原理原則は変わらないにしても、親や年長者の経験によるお金のアドバイスは、もうあまり役に立たないかもしれません。

これから私たちにできることは、シンプルに暮らし、収入に左右されずに、身の丈に応じた「地に足の付いた生活」をすることでしょう。

平均貯蓄額などにもあまり振り回されず、自分にとっての「足るを知る」生活を心がけると良いかと思います。

そういう意味ではいま掲げられている「多様化の時代」は、これまでの右に倣えの日本人の生活からのパラダイムシフトを象徴しているのかもしれませんね。

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