貧困問題は外国の話ではない!いま食事に困る子どもたちが増えている コロナと物価高騰で急増

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貧困問題はいまや外国の話ではありません。いまここ日本でも食事に困る子どもたちがどんどん増えている状況にあります。新型コロナウイルスの流行と物価高騰とで、一時は減少した子どもの貧困も再び急増しているようです。何故このようなことが起きているのでしょうか。

日本でも子どもの貧困が増えている

食事が手に入らずに飢えている子どもがいます。

それは外国の話で、ここ日本にはそんな子どもはいないでしょ。そう思っていませんか?

ところが、この現代の日本において、いま食事に困る子どもたちが増えているのです。

ただ周囲からは貧困かどうかが外見ではわかりづらいため、救済の手もなかなか伸べてもらえません。

特に都市部は近所付き合いも希薄なため、各家庭の状況が把握しづらく、人知れず貧困にあえぐ家庭も少なくないようです。

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子どもの貧困率

子どもの貧困率は、2018年の時点では13.5%でした。

これは2015年時よりも0.4ポイント減ったそうですが、それでもおよそ7人に1人、255万人の子供たちが貧困状態にあります。

40人のクラスで考えるとクラスに5、6人の貧しい子がいるという計算になります。

その子供の貧困率が、ここに来て更に上昇しつつあるようです。

子どもの貧困とはいったいどのような状態をいうのか?

貧困と一言で表しても、いまいちピンとこないかもしれません。

どれくらいの状態を、子どもの貧困と定義しているのでしょうか。

実は貧困には、絶対的貧困と相対的貧困とがあります。

絶対的貧困とは

絶対的貧困とは、人間らしい生活の最低条件の基準を満たしていない状態のことです。

  • 住む家がない
  • 食料が買えない

といった生きるうえで必要なものさえない状態です。

日本では絶対的貧困レベルの子どもは、まずいないでしょう。

貧しい国のストリート・チルドレンなどが、絶対的貧困にあたります。

相対的貧困とは

相対的貧困とは、例えば、国民の所得の中央値の半分未満しか収入がないといった、平均と比較をするとかなり貧困レベルにあるというものです。

日本で問題となりつつある子どもの貧困とは、この相対的貧困に該当する家庭の17歳以下の子供のことを指します。

厚生労働省は2018年に相対的貧困とみなす線を公表しました。

その線引きは可処分所得(手取り年収)で、

親1人+こども1人の2人世帯:約175万円(月14.5万円未満)
親1人+こども2人の3人世帯:約215万円(月17万円未満)
親2人+こども2人の4人世帯:約248万円(月20万円未満)

となっています。

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子どもの貧困が再び増加傾向に

日本のひとり親の2人に1人が、相対貧困にあると言われています。

子どもの貧困率は2018年に2015年時よりも0.4ポイント改善され13.5%だったと説明しました。

しかし、ここ数年続く新型コロナウイルスの世界的流行以降、再びじわじわと子どもの貧困が増え始めているそうです。

子ども食堂やフードバンク、フードパントリーなどを運営する団体によると、物価が高騰し始めたこともくわわり、利用者がここにきて急増しているとのこと。

その勢いは、2020年時に比べ2022年時で1.4倍にも増えているそうです。

今なお物価上昇は続いていますので、この先さらに子どもの貧困は増えるのではないかと予想されます。

なぜ生活保護を頼らないのか

日本には貧困世帯を救済するための「生活保護」という仕組みがあります。

しかし子どもの貧困が起きている家庭の多くは、生活保護をあまり利用しようとしません。

それは何故なのでしょうか。

それは生活保護を受けると、預貯金や借金、保険などの自由が効かないといった、経済的制約を受けるのを避けたいからです。

そうした自由を奪われることを懸念し、生活保護を受けずになんとかギリギリの生活で耐え偲んでいるわけです。

こども食堂やフードバンク、フードパントリーなどに並ぶ子どもたちには、そういった家庭の背景があるのです。

まとめ

フードロスが起きている反面、こうした食事に困る子どもたちがいるという、そういった状況にあるのが今の日本です。

余った食材を集め配布するにも、多くの人手や場所を必要としますし、それを運営するにも費用が掛かりますので、なかなかうまく回りません。

日本の母子家庭の就業率は8割以上と高く、それにも関わらずひとり親の貧困率が世界でも最低水準にあります。

これは日本がアメリカと同様、格差の大きな国であるということを証明しているといえるでしょう。

こういった問題が解消されていかない限り、未婚率は増え、少子化も解消されないままでしょう。

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