ダウンシフター(減速生活者)とは 価値観に基づいた新しいライフスタイル 生活費や参考図書など

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ダウンシフター(減速生活者)という価値観に基づいた新しい生き方が注目されています。いったいどういった価値観に基づいたものなのか、気になる生活費や参考図書などについてご紹介します。

ダウンシフター(減速生活者)とは

ダウンシフターとは、生活のスピードを落とす人のことです。

生活のスピードを落とすには、ものごとにじっくりと取り組む時間が必要となります。

FIREをして築き上げた資産からの利息で生活できる人は別ですが、大抵の人は日々の糧を得るために労働しています。

労働は誰かのために何かをする対価としてお金を得るわけですから、必然的に自分に使える時間は減ってしまいます。そして今は、時間当たりの対価を上げるのが非常に難しい時代になりました。

そんな状況下で自分の時間を得るには、労働時間を減らし、つまり収入をあえて減らし、少ない収入でやっていかねばなりません。

そのために、一般的な視点での「生活水準」なるものを下げる必要が出てきます。その代わりとして、自分にとって満足のいくライフスタイルを得るわけです。

自由を得るために、あえて稼がない。これがダウンシフター(減速生活者)の考えです。

生活水準を落とすというのは、なんとなくネガティブなイメージを抱きがちですが、ダウンシフターの場合は、ただ生活水準を下げるのではなく、自分にとっての理想へとリバランスしていくことなのです。

そうして、自分にとっての豊かさの基準を備え、理想的なライフスタイルを得たダウンシフターは、金銭的・物質的にはマイナスとなっても、精神的に大きなプラスを得るわけです。

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他者と比較しない生き方

これまでのように経済成長が期待されなくなった日本では、2極化が更に進んでいるようです。

世帯所得の平均値も1993年・1995年の550万円をピークに、以降、徐々に下がって2021年では421万円となっています。

これは1ヶ月にすると、10万円以上も所得が減ったことになるわけですから、かなりの減少ですよね。

頑張って働けば給料が増えるという時代は過ぎ去り、今では頑張っても給料が上がらないどころか減少しつつある、そんな時代なわけです。

そうなると人々の考えも変わり始めます。特に若い人たちにとっては、経済成長そのものを経験していないわけですから、バブル期を経験した世代などと比べて価値観が違うのも当然でしょう。

誰もが同じようなものを所有し、同じように暮らすといったステレオタイプな生き方から、自分にとって大切なものを中心とした生き方にシフトする。

一見、偏った生き方に見えるかもしれませんが、各個人にとっての幸せに素直に従い、無理せず生きるということは、とても自然で理にかなったことにも思えます。

ダウンシフターの生活費

ダウンシフトするためには日々の生活費を抑える必要があります。中でも生活費のうちの大きな割合を占める住宅費を抑える工夫は必須でしょう。

住宅費を抑えるには、住居の質を落とすか、家賃相場の低いより地方へと移住が必要になります。

地方の中の更に不便で簡素な家に移り住めば、家賃は都市部の1/5~1/10程度の月に1-2万円に抑えることも可能です。中には空き家を50万円くらいで購入することもできるエリアもあります。

そうした場所は自然も豊富で、敷地内で野菜なども作ることができたりして、自給率を上げることで食費も抑えることができるでしょう。

更に、所得が減れば余分な税金や保険料も支払わずに済みます。

こうしたダウンシフター的生活を行うには、単身者なら月10万円程度、家族でも月15万円もあれば、余裕でやっていけるようです。

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将来の年金受給額が不安なら

最近は高齢化社会が進んでいるせいもあってか、やたらと老後の資金の話題がニュースなどで取り上げられます。

少し前にも老後の資金として2000万円の準備が必要といった話題が出て、物議を醸しました。

また、将来もらえる年金が少ないと予測できる人たちは、現役で働く今から年金暮らしに対する不安を抱いているようです。

だとしたら、少ない年金でもやりくりできる暮らしを、今から始めてみてはどうでしょうか。

これまでの価値観に基づく生活スタイルをやめ、仮にお金があっても生活水準を落としたダウンシフター的暮らしを実践するのです。

現役時代からダウンシフトした暮らしに慣れることができれば、いざ少ない年金暮らしに突入しても困らないことでしょう。

また、生活費を減らすことで貯金も今まで以上できるでしょうから、そっちの面でも安心度が増えるはずです。

ダウンシフターを目指す人の参考図書

ダウンシフターを目指す人のために参考となるような本が、いくつか出版されています。

まずは代表的な書籍がこちら。

『減速して自由に生きる: ダウンシフターズ (ちくま文庫)』高坂勝

それからこちらの本も参考になるかと思います。

『年収90万円でハッピーライフ (ちくま文庫)』大原扁理

さらにこちらも。

『半農半Xという生き方【決定版】 (ちくま文庫) 』塩見直樹

ダウンシフターに興味がある人は、ぜひこれらの本を手に取ってみて、イメージを膨らませてみてください。

イメージが膨らんでできたら、次は行動です。できることから動いてみましょう。

まとめ

これまではなんとなく生きていても、それなりにバランスの良い暮らしができていました。

しかし、いつしかそれが徐々に難しくなっきました。もうジャパン・アズ・ナンバーワンではないのです。ずっと成長し続けるなんてことは、ありえないからです。

そして今、「何かを得るために、何かを捨てる必要がある」ことに、私たちは薄々感づき始めているのだと思います。

ダウンシフターと呼ばれる人たちは、いわゆる平均的な生活を捨て、自分にとっての幸せと感じるものを得るために動いた人たちです。

そのために世間の目、つまり、他人との比較をやめました。でもこれって、なかなか勇気のいることですよね。

ダウンシフターになれるかどうかは、この「勇気」が一番のハードルになるのではないかと思います。

そのためにも、自分にとって何が大切か、一度じっくり自分と向き合う必要がありそうです。

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