高齢者のおひとりさまが老後の貧困に陥りやすい理由 老後の暮らしをイメージ 今からできること

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高齢者のおひとりさまは老後に貧困に陥りやすい条件が揃いすぎています。その理由とは?老後の暮らしを具体的にイメージして、今からできることを準備しましょう。「なんとかなるでしょ」では、きっとなんとかなりません…。

高齢者の一人暮らしが増えている

少子高齢化の日本。65歳以上の高齢者の数は2042年にピークを迎え、その数は3,878万人になると予想されています。

更に、75歳以上の高齢者が全人口に占める割合はその後も増加し、2055年には日本の人口の25%を超えると予測されています。

ちなみに、65歳以上の高齢者世帯の半数(49.5%)は一人暮らし世帯です(2019年時点)。

未婚率の高さや伸び続ける平均寿命といった点から考えて、高齢者の一人暮らしは今後も更に増えていくことが予想されます。

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高齢者の一人暮らしの問題点

高齢者の一人暮らしと言えど、身寄りのある方の場合は、協力などを得られるなど、生きていくうえでの課題を解消しやすい状況にあるでしょう。

しかし、問題は身寄りのない高齢者のおひとりさまの場合です。

この場合、全てを自分一人で賄わないとならないため、若いうちはまだ良いのですが、高齢になるに連れ、様々な問題が発生し、その問題を解決しづらい状況に陥りやすくなるといえるでしょう。

特に問題となるのが、病気やケガです。また、介護が必要となった場合や認知症が発症した場合においては、もはや自力ではどうしようもありません。

こういった場合の解決策となるのが、十分な蓄えや十分な年金の受給額です。

つまり、身寄りのない高齢者のおひとりさまの場合は、特に資金の確保が重要となってきます。

老後一人暮らしに必要な生活費

65歳以上の単身無職世帯の平均支出は15万5000円だそうです。しかしこの内訳を見ると、住居費がおよそ1万円なので、持ち家であることが想像されます。

そうであれば、かなり余裕のある暮らしができると思うのですが、これが賃貸となると、5万程度の家賃を差し引くと、使える資金が4万円ほど減り、一気に生活が制限されてきます。

ざっくりイメージすると、大学生の一人暮らしのような感じでしょうか。わりと生きていくのがかつがつといった感じになるでしょう。

それにも関わらず、平均的な厚生年金の年金月額は14万4000円(男性が平均16万3000円、女性が平均10万4000円)で、自営業者などの国民年金の場合だと平均年金月額は5万6000円となっています 。

しかもこれは平均値ですので、当然中央値はもっと下がることでしょう。

そうなると、単身無職世帯の場合、年金収入だけでの一人暮らしは相当困難な状況にあり、乗り切るにはある程度の資産を必要とし、その資産を切り崩しながら生活していくという形になるでしょう。

これが数年前に物議を醸した、老後資金2000万円問題です。現役時代に1人2000万円を貯め、不足する生活費をここから補填して生きていく、こういった現実がありますよと突如言われてみんなが動揺したわけです。

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大切なのは老後をどう暮らすかの具体的プラン

高齢になりリタイアした後の暮らしは、夫婦の場合だと年金受給額も多少増えますし、協力して暮らすことで一人あたりの支出を抑えることが可能です。

しかし、一人暮らしの場合だと何も共有できないため、必然的に支出は多くなります。

そのため、この先自分はおひとりさまの老後を迎えるだろうなと思っている方は、「なんとかなるでしょ」といったアバウトな考えを捨て、将来的にどういった暮らしをしたいのか、そのためにはどれくらいの支出が予想され、それを賄えるだけの年金と資産をどう作れば良いのか、といったことを現役時代のうちから考えて、実現できるように準備を進めていく必要があります。

老後をどう暮らすかの具体的プランが見えれば、老後についての不安も解消されます。後は淡々とリタイアに向けて準備をしていけば良いだけです。

年金受給額を増やすには、受給時期を遅らすことでも可能です。また、受給開始まで働くことによって収入も得られますので、資産も貯めやすくなります。そのためには健康が大切であるということにも気付かされます。

こうして色々なことを具体化していくと、今の生活を見直す良い機会となります。倹約に励んだり、NISAを利用した投資の必要性なども見えてくるため、今の生活に対する気構えなどがどんどん変わっていくことでしょう。

一人暮らしがままならなくなった時

リタイアしても健康なうちは一人暮らしにそう困らなかったとしても、更に高齢になると、老人ホームへの入居を考える必要も出てくるでしょう。

しかし身寄りのない単身者の場合、仮に平均的な厚生年金の受給額があったとしても、なかなか入居させてもらえないという状況が待ち受けているようです。というのも、入居には身元保証人の有無といった問題があるからです。

身元保証人がいない場合、無条件で老人ホームに入院・入居させてもらえるのは、およそ3.5%とかなり低い数字となっています。

そこで必要となるのが、身元保証の代わりに成年後見人制度や身元保証会社の利用です。しかし、ここには大きな費用が発生します。

成年後見制度の場合で月に2万~6万円程度、身元保証会社の場合は100万~150万円程度が老人ホーム入居時期に必要となるそうです。

このように元気なうちの一人暮らし以上に、老人ホームでの生活費は掛かります。

こうしたことも、おひとりさまの高齢生活には待ち受けていることをふまえ、現役時代から準備を進めていく必要があります。

まとめ

おひとりさまの高齢生活は、かなり大変な現実が待ち受けていることがイメージできました。

「自分は結婚しているから」と安心している方でも、パートナーが亡くなれば、身寄りのない老人になることは分にあります。

また、身寄りがあっても、良好な関係性を築いておかない限り、協力を得られないことだってあります。

なので、誰にとっても、いざというときは独力でなんとか乗り切るプランを考え、準備を進めていく必要があるのです。

そういったプランでさえ、この先の物価上昇や年金受給額の引き下げなどにより、あっという間に崩れ去ってしまいますから、プランには多少のバッファーを持たせておく必要もあるでしょう。

実際、今の生活をするだけでも大変だと感じている人も多いと思いますが、それでも少しでも倹約に励んだり、頑張って働いて収入を増やすなどして、将来のための準備を行うことを怠らないようにしたいところです。

それにつぃても、なかなか大変な時代です。

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