LGBTカップル向けの住宅ローンってある?婚姻関係にある夫婦と借り入れ審査の条件に違いは?
近年、社会は多様性と包括性に対する理解を深め、特にLGBTについての法的権利も進展を見せています。
一方で、同性婚において日本では、正式に国が認めたわけではありません。
ですが、LGBTカップルでも家庭を築くための城、つまり、持ち家の購入は重要なテーマと言えます。
しかし、法整備(特に相続など)が不十分な中での住宅ローンの検討は、いわゆる異性カップルとは異なる条件や、課題が浮上することがあります。
そこで今回は、LGBTカップルが持ち家を購入する際の住宅ローンに焦点を当て、同性と異性のカップルでの条件面での違いについて、触れることにします。
夢のマイホームを手に入れることは、誰にでもある権利と言えます。
その中で、どのようなポイントに留意すべきか、より円滑に住宅ローンを組むにはどうすべきか、知っておくことは損ではありません。
もくじ
LGBTカップル向け住宅ローン
同性婚は日本では、残念ながら法的には認められていません。
ゆえに、LGBTカップルが住宅ローンを検討する上で、直面する法的な変化や実際の課題は、これからも多岐にわたると考えられます。
過去に比べれば認知の面においては進展が見られますが、まだまだクリアすべきハードルも存在します。
特に今回の住宅ローンにおいては、いわゆる婚姻関係にある夫婦ならば、
- 審査が通るか
- どれぐらい借りれるか
- 金利は変動か固定か
といったように、すでに土俵に上がっている状況になれます。
ところが、LGBTカップルともなると婚姻関係ではないため、住宅ローンの申請や購入プロセスにおいて、平等な機会が得られるのか疑問です。
実際の課題として、LGBTカップルが住宅ローンを利用する際には、どの金融機関も「一定の条件」のもとでの融資が主流になっています。
一定の条件については、金融機関で異なりますが、
- 一方を主な債務者とし他方を連帯保証人
- 共有物件においても双方に抵当権を付ける
- それぞれが個別に住宅ローンを組む
といったことが主なものになっています。
簡単に言い換えれば、上から順に「収入合算」「担保提供」「ペアローン」です。
提出すべき書類がある
住宅ローンを利用する際には、金融機関にたくさんの書類を提出することになります。
それに加えて、LGBTカップルに対しては、追加される書類があります。
LGBTカップル向けの住宅ローンを取り扱う金融機関に、ほぼ、共通していることは、
- 合意契約および任意後見契約に係る公正証書
- 任意後見契約に係る登記事項証明
- パートナーシップ証明書
の全て、またはいずれか指定の書類の提出が求められるというものです。
1については、LGBTカップルが
愛情と信頼に基づく真摯な関係である
同居し、共同生活において互いに責任を持って協力し、及びその共同生活に必要な費用を分担する義務がある
ということを契約書として公証役場で作成します。
2については、任意後見契約に関する法律に基づいて作成された内容を登記することで、発行が可能となります。
3については、各自治体が婚姻と同等の関係を承認する制度であり、宣誓書が交付されます。
取り扱い金融機関
LGBTカップル向け住宅ローンの取り扱いは、メガバンクをはじめ、地方銀行、信用金庫、ネット銀行、はてはJAまで、かなり広まっています。
ゆえに、相談する金融機関がないとは、もはや言えないレベルにまで、浸透しています。
前述したように、指定の書類の作成において、時間、費用などは多少の負担は増えますし、金融機関の条件を飲むことが大前提ではありますが、それでも一昔前では考えられないほどです。
出口戦略
出口戦略という言い方はアレですが、やはり長い目で見ても、
- 相続
- 売却
- リフォーム
といったことは無視できません。
特に現時点では婚姻関係でないですから、相続や売却という事態が起こる前に、ある程度の話し合いはしておくべきかと感じます。
登記でお世話になる司法書士さんなどに相談すれば、今の時点でのベストな方法を提案してくれるはずです。
土地絡みの相続は揉めるのが定番ですし、売却においても、その後に住み替えなのか別物件を取得するのかまで、考えておくことがおすすめかと。
まとめ
「LGBTカップル向けの住宅ローンってある?婚姻関係にある夫婦と借り入れ審査の条件に違いは?」というテーマで、LGBT向け住宅ローンについて書きました。
婚姻関係にある夫婦よりは、書類の面や契約の仕方に多少の負担がありますが、理解が進んだためか、ハードルは随分下がっている印象です。
もはや金融機関なら、どこでも相談できる体制が整っているのではないかと考えます。
あとは出口戦略ですね。