最低賃金全国平均1,000円越えは果たして良いこと?インフレとデフレを踏まえて考えてみた!
まだ確定ではありませんが、最低賃金の全国平均が1,000円を超える見通しとなっています。
現時点の961円という数字も、35年前に飲食店でバイトした時の倍以上で、なぜかうらやましい感覚になります(汗)
時代の経過って、残酷な歴史でもありますね・・・。
当時、時給1,000円超えは身近な例で言えば、家庭教師しかありませんでしたが、そんな話し、おっさんが語る若かりし頃の武勇伝ぐらい無意味なことぐらいわかってます。
今の最低賃金の妥当性が肝心なわけですからね。
ところが最低賃金が上がることは、本当に望ましいのかという目線が重要です。
数字だけ見れば「良いに決まってる」わけですけど、物価がそれ以上のペースで高騰してると、さて、どうなんでしょうか。
ということで今回は、最低賃金を例にインフレとデフレの話しをしたいと思います。
もくじ
最低賃金制度
制度の詳細については、厚生労働省のサイトをご覧いただければよいですが、簡単に言えば時給の話です。
最低賃金の計算について、ウィキペディアに例が掲載されているので、参照しておくと良いかもしれません。
比較の項目で書かれています。
インフレとデフレ
インフレとデフレについてもおさらいです。
この2つのワードは、経済における重要な概念で、物価水準の変動を指します。
インフレ
「インフレーション」の略称で、一般的に物価水準が持続的に上昇する状態を指します。
反対に言えば、お金の価値が低下していくことです。
インフレが進行している経済では、同じ金額のお金を使っても以前よりも量が少ない商品や質が低下したサービスしか得られなくなりがち。
お菓子だって価格据え置きでも内容量が減ったとかありますよね。
これが典型的なインフレです。
一定程度の範囲内で進行しているならば、経済活動が活発化する可能性もありますが、過度に高いインフレは、物価の急激な上昇を引き起こします。
その結果として生活コストが増大して、消費者や企業にとって不利な影響を及ぼすようになります。
値上げによって生活コスト、大変な状況ですよね・・・。
主なインフレの原因としては、
- 供給不足
需要に対して商品やサービスの供給が追いつかずに価格が上昇 - 貨幣供給量の増加
中央銀行が貨幣を増やしたことで市場に多くのお金が流れ込み物価が上昇
ということが代表的です。
デフレ
物価水準が持続的に下落する状態を指し、お金の価値が上昇していくことを意味します。
デフレが進行すると、消費者は商品が安くなることを待って購買を控える傾向になり、経済活動が停滞する可能性があります。
主なデフレの原因としては、
- 供給過剰
需要に対して商品やサービスの供給が余り競争が激化し価格が下落 - 経済の低迷
不況や景気後退などで企業が価格を下げざるを得ない状況に陥る
といったことが挙げられます。
何となくデフレだと、お金の価値が上がるからいいじゃないかって感じですが、心理的に支出したくない気持ちが芽生えます。
つまり人がケチになっていくわけで、経済が回らないという妙な状況になり、日本全体が停滞して競争力を失うという面もあるわけです。
最低賃金の1,000円超え
インフレとデフレを再確認したところで、最低賃金の1,000円超えについては、良し悪しが判断できなくなりませんでしたか?
一概に良いとも言えない、悪いとも言えない、微妙な感覚になったのではないでしょうか。
もちろん個人の肌感覚で評価してよいのです。
Aさんはラッキーに感じれば、Bさんにとってはもっと欲しいと思うかもしれませんのでね。
そこは個人や家庭の事情など複雑に絡み合います。
時給が1,000円超えたとしても勤務日数が減ると、ね、懐具合は潤うことは無いんですから。
企業からすると、少ないコストで最大の成果を出すことが命題なわけですから、時給1,000円だったら求人出さずに、少ない人数でめちゃくちゃ働かせるかもしれない。
最低賃金の基準は上回っているし、時間外労働もゼロだけど、めちゃくちゃ業務が忙しくなるということも考えられます。
どう転ぶかは雇う側の企業次第です。
まとめ
「最低賃金全国平均1,000円越えは果たして良いこと?インフレとデフレを踏まえて考えてみた!」というテーマで、時給について書きました。
時給1,000円超えって、インパクトは強いですけど、インフレとデフレの観点から考えると、決して良いことだけではないです。
最低賃金を守らない企業は論外ですが、随意反射して一喜一憂するのは、ちょっと違うかなという感じですね。