どうして数列なんて学ばなければならないの?どこで役に立つのかという疑問に答える具体例
子どもの頃に、こうやって授業してくれれば、もっと勉強したかもしれないと思っている大人は、かなり多いはずです。
その証拠に、
- なぜ、勉強しなければならないのか?
- この科目、将来はどこで役に立つのか?
といった言葉、子どもや学生から、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
また、大人になった人も、かつては口に出したこともあるでしょう。
ある意味、前振りもなく小学生になったら、決められた教科の授業を受けるわけですけれども、まだ、素直さがあるから受け入れます。
思春期ともなると、主張もありますので、少なくとも中学生、高校生に対しては、どこで役に立つのかということぐらいは、説明するべきでは?
そこで今回は、そんな思春期の心の叫びについて、答えたいと思います。
もくじ
数列とは
中学校では学びませんが、高校では「数学B」に入っています。
筆者の時代は、記憶が確かならば高校2年で「基礎解析」という科目の中で数列を学び、3年になると引き継いだ形で「微分・積分」です。
確認してみると、やはり、その筋道が当時の学習指導要領となっていました。
数列というのは、数学的なオブジェクトが順番に並んでいる有限または無限の集まりです。
数学的なパターンや規則を探求し、数学的な問題を解決するために非常に重要なツールや考え方となっています。
簡単な数列の例としては、整数を要素として持つ、
1.2.3.4.5….
という並びです。
いちいち数字を出すわけにもいかないので、授業などでは自然数の数列を一般項nを使って表します。
さらに有限か無限か、収束するか発散するかということも、学習内容として挙げられます。
よくあるパターンに関する内容として、フィボナッチ数列、
F(n) = F(n-1) + F(n-2):ただし F(0) = 0 および F(1) = 1
はもはや必須と言えるかもしれません。
数列は何の役に立つのか
今、日本では投資と副業に対して、非常に関心が高まっています。
これは老後2000万円問題など、老後の貧相な生活が見えてきた世代や、今の所得が増えない現状に危機感を覚えた人が、ようやく現実味を体感して行動に移しているからです。
ずっと前から、投資や副業は必要だと、言われてたことなんですけどね・・・。
それで特に投資の方では、株式だけでなくNISAの効果も大きかったように感じます。
NISAをきっかけに金融用語やしくみに理解を深めている層も出始めて、複利の効果を実感している人も出てきました。
複利とは、投資した元金に生じた利息を、次の投資元金に含ませるもので、それを繰り返すことで、次第に元金が手厚くなっていくしくみを言います。
元金を10,000円で月利10%で運用したとすると、1か月後は11,000円です。
以降、2か月目は12,100円、3か月目は13,310円となっていくのが、複利のパターンになります。
ほら、前章でパターンは必須って言いましたよ?
複利は等比数列の和
前述の元金と利息の計算、一定のパターンで増えているのですが、あきらかに数列です。
つまり雪だるま式に増えることを、数列で表すことができて、これを複利の場合は「等比数列」で計算することができます。
単利の場合は「等差数列」です。
と、こんな感じで、授業の中の数分を使って説明すれば、納得してもらえるのではないかなと。
住宅ローンの返済金額も数列であり、計算根拠は同じなのです。
かつて、豊臣秀吉の御付きのひとりが、褒美をもらえることになって、1日1粒の米をくださいといった話は、まさに複利のエゲツなさを伝える話として有名です。
カギは1日1粒ずつではなく、翌日は前日の2倍くださいと言った点で、また期限を100日と切ったところにあります。。
2日目は2粒、3日目は4粒、4日目は8粒・・・。
最初は大したことないですが、100日後に必要な米粒の数は、なんと、
633,825,300,114,114,700,748,351,602,688粒
まで増えます。
読み方としては、63穣(じょう)3,825杼(じょ)3,001垓(がい)1,411京(けい)4,700兆7,483億5,160万2,688粒です。
簡単に言えば63穣粒ですが、10の28乗レベルと同じで、もはや数えることすら困難な状況にまで膨れ上がります。
まとめ
「どうして数列なんて学ばなければならないの?そろそろ現実に即した授業をやってみたら?」というテーマで、数列について書きました。
数列を、ただ教科書に沿って伝えたところで現実味はなく、ただ数字と向き合うだけなので、これでは苦手意識が芽生えます。
場合によっては、金利に絡めて話をすると、少なくとも「将来役に立たない」という文句は出ない気がします。