住宅ローン返済中に転勤になった場合どうなる？返済中でも人に貸せるのか？住宅ローン控除は？

住宅ローン返済中に転勤になった場合って、どうなるのでしょう。ローン返済中の家を賃貸に出したい場合、そのまま空き家にする場合などでも、そのまま今の住宅ローンは今の条件のまま利用が可能なのでしょうか。ローン返済中でも人に家を貸せるのか、住宅ローン控除はどうなるのか、そんな疑問にお答えします。

住宅ローン返済中に転勤になった場合

ふと住宅ローンについて疑問がわきました。

私の周囲には転勤する人がたくさんいますが、その中には家を購入している人も大勢います。

彼らは当然、住宅ローンを組んで家を購入したわけですが、転勤となった場合にその家を売却する人もいれば、売らずに貸している人もいます。

中には何年後かにまた戻ってきて、元いた家に住んでいたりします。

その間、空き家にしていたわけではなく、誰かに貸していたわけですが、これってOKなのだろうか？

住宅ローンの金利が優遇されのは、あくまでも自分が住むマイホームの購入だからであって、それを賃貸にしてしまったのでは、結果的に投資用不動産を格安の金利で購入したのと変わらないような気が…。

住宅ローン返済中でも人に貸すことはできる？

そんなわけで、この疑問について調べてみたところ、いくつかのケースごとに分かれ、ルールがあるよことがわかりました。

それは、次のようなケースです。

• 購入者のみが単身赴任し、家族はその家に住み続ける場合
• 家族全員で引っ越し、誰かに貸す場合
• 家族全員で引っ越し、空き家にしておく場合
• 売却する

ではそれぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

購入者のみが単身赴任し、家族はその家に住み続ける場合

購入者のみが転勤などで単身赴任し、残された家族はそのままその家に住み続ける場合は、特に何も問題なく今の住宅ローンを利用して、そのまま返済を続けることができるようです。

お父さんは自分の住まない家のローンをせっせと払うことになりますが、家族のため！と思えば、頑張れるのかもしれませんね。

家族全員で引っ越して、誰かに家を貸す場合

転勤などのやむを得ない場合に限り、そのまま住宅ローンの利用ができる、というのが一般的のようです。

ただ、ローンを借りている金融機関には事情を話し、賃貸に出すことを報告するとともに、住所変更の連絡をきちんと行う必要があります。

それを怠ると契約違反とみなされ、住宅ローンの契約が解除されないとも言えませんので、くれぐれも気をつけてください。

賃貸中の住宅ローンは払い続けるにしろ、家賃収入を得ることになりますので、不動産所得が発生します。なので、家を貸して家賃収入を得ているあいだは、確定申告が必要となります。

家族全員で引っ越し、空き家にしておく場合

誰にも貸さずにそのまま空き家にしておくという場合も、転勤などのやむを得ない事情であれば、住宅ローンは引き続き利用し続けられるようです。

ただし、ローンを借り得ている金融機関への報告は必ず行いましょう。

売却する場合

転勤先で新たなマイホームを買いたいといった場合には、売却して新たな家に買い替えるということも可能です。

ただし、ローン残高と売却価格とを天秤にかけ、ローン残高よりも高値で売却できる場合は良いのですが、売却してもローンが残る場合は、担保の関係上スムーズに売却できない場合もあるようです。

まずはローンを借りている金融機関に相談してみてください。金融機関によっては、住み替えローンが利用できる場合もあります。

住宅ローン控除についてはどうなる？

転勤などのやむを得ない事情があれば、住宅ローンはそのまま利用できそうだということはわかりましたが、住宅ローン控除（住宅ローン減税）はどうなるのでしょうか。

住宅ローン控除については、単身赴任（家族はそのまま住み続ける）の場合は、引き続き適用されます。

家族全員で引っ越した場合や空き家のままにしておく場合は、本人もしくは家族が住んでいないため、住宅ローン控除は受けられなくなります。

ただし、再び転勤先からマイホームに戻ったのなら、減税期間の期間内であれば、再び住宅ローン控除を受けることは可能です。

黙って家を貸すとどうなる？

もしも転勤などの理由で家を賃貸にする場合、ローンを借りた金融機関に報告せずに貸してしまったらどうなるのでしょうか。

この場合、最悪のケースだと、住宅ローンの契約を解除され、一括返金を要求される場合がありますので注意が必要です。

必ず住宅ローンを契約している金融機関に連絡を入れるのを、忘れないようにしましょう。

また、住宅ローンの返済が難しくなり、誰かに貸すことでローンを返済しようと考えている人もいるかもしれません。

しかしこの場合は、転勤などの事情とは異なるため、原則として認められません。

住宅ローンはあくまでも、契約者本人が居住する住宅を購入するためといった、目的がはっきりした資金に限定されて適用されるものです。

もしも自分がローンを払う代わりに人に払ってもらうというのが目的で貸すとなると、これでは投資用不動産を購入するのと同じになってしまうため、そのまま今の住宅ローンは原則的には利用できません。

だからといって、ローンを借りている金融機関に黙って賃貸に出してしまうと、それがバレた際には、一括返済を請求されることに繋がりかねません。

もうそうなると、あとは自己破産まっしぐらとなってしまいます。なので返済が難しいと感じたなら、すぐに住宅ローンを借りている金融機関に相談するようにしましょう。

早めに相談することで、返済期間の延長や、一定期間返済額の減額、場合によっては一定期間利息のみの返済としてもらえるなど、状況に合わせて個別に対応を図ってもらえます。

自分一人で悩んで、金利の高い消費者金融などから一時的にお金を借りて支払おうなどとするのは、絶対にやめたほうがいいです。

あなたに住宅ローンを貸した金融機関も、きちんとあなたが返済できることを望んでいます。この場合は、専門家を交えて可能な方法をきちんと相談しあうことこそが、もっとも適切な方法です。

まとめ

春が近いということで、転勤の辞令を言い渡される人も多いでしょうね。

中には、「家を買ったばかりなのにー！」みたいな人もいるかもしれませんね。

住宅ローンを返済中でも、転勤などのやむを得ない事情の場合は、いまのままの金利で住宅ローンを利用できるようなので、忘れずに金融機関へ連絡をするようにしてください。

今後、住宅ローンの金利上昇や、仕事の関係で住宅ローンの支払いが難しくなることもあるかもしれません。その場合は、早めに相談して対処しましょう。

素人考えでお金の工面を考えたり、考えるのが面倒だからと後回しにしたりすると、払えるものも払えなくなってしまいますので、くれぐれも注意してください。