収入保障保険・所得補償保険・就業不能保険は何が違う?個人事業主やフリーランスにはどれ?
個人事業主やフリーランスとして働くことが、ようやく法人と対等・・・まではいかないにしろ、社会的な地位の向上は肌で感じることはあります。
法人様も個人事業主やフリーランスをバカにしてると、そのうち痛い目に遭うぞ?
とんでもない人材がひっそりとひとりで仕事してること、ザラにありますからね。
とは言え、いくら社会的な地位の向上を感じたとしても、バックボーンは脆弱なのは否めません。
仕事の保証はないし、年金なんかも自助努力次第。
病気やケガで働けないと、無収入なんてリスクは残っています。
そこで今回は、個人事業主やフリーランスの無収入リスクをカバーすると言われている収入保障保険と所得補償保険、さらに就業不能保険について書いてみます。
収入保障保険
あくまでも一般論としてですが、収入保障保険は生命保険のひとつです。
ほとんどの保険会社では、被保険者の死亡または高度障害の時に、遺族に対して保険金を支払うもので、一括での受け取りまたは一定期間に年金のような形式で受け取ります。
貯蓄の機能はなく、いわゆる「掛け捨て」です。
また元気に働いている期間が長ければ、保険金額が下がっていくしくみもあるので、シンプルな定期保険や死亡保険との比較が必要かもしれません。
基本的には死亡保障タイプの保険なので、取り扱いは生命保険会社が中心となります。
所得補償保険
ほぼ収入保障保険と似ている部分がありますが、被保険者は自分自身であるということが大きな違いです。
病気やケガで働けない状態となり、保険会社が認めれば一定期間に年金のようなかたちで、保険金を受け取ることができます。
保険金の支払いまでの待機期間が長いのがネックですが、長期補償のオプションをつけると60歳・70歳まで受け取れるというしくみもあります。
被保険者である自分が亡くなってしまった場合の補償はありません。
この保険も掛け捨で、生存しているが働けない状況に陥ったときにカバーするものですが、契約前の所得以上の保険金は設定できないことになっています。
主に損害保険会社で取り扱っています。
就業不能保険
所得補償保険に似ている部分もありますが、長期の入院や療養で働けなくなった場合、公的保障ではカバーできない部分を手厚くする目的の保険です。
そもそも「就業不能」とは、どのような状態を言うのかですが、保険会社によって見解などが異なることを前提とすると、
- 入院状態
- 在宅療養状態
- 高度障害状態(1級か2級)
- 約款に基づく障害の状態
となり、精神疾患も含みます。
このようなケースで保険金が支払われる保険で、主に生命保険会社で取り扱われています。
生命保険料控除について
収入保障保険、所得補償保険、就業不能保険は、いずれも生命保険料控除の対象になりますが、区分としては以下のようになります。
- 収入保障保険:一般生命保険料控除
- 所得補償保険:介護医療保険料控除
- 就業不能保険:介護医療保険料控除
実際に契約した場合は、保険会社へ確認するようにしてください。
個人事業主やフリーランスには?
さて、迷うところではありますが、個人事業主やフリーランスには収入保障保険、所得補償保険、就業不能保険のどれがふさわしいかという点。
正解は、「各々の考え方や状況による」というしかありません。
経済的に余力があれば全部加入すればよいですし、既契約の死亡保障が手厚ければ所得補償か就業不能のどちらかを検討するということもあり。
迷うならば保険会社ではなく、FPに相談するとよいです。
まとめ
「収入保障保険・所得補償保険・就業不能保険は何が違う?個人事業主やフリーランスにはどれ?」というテーマで、働けなくなるリスクに備える保険について書きました。
どれを選ぶかは状況次第としか言えません。
別の角度から考えると、生命保険料控除にまだ余裕があるのなら、節税とリスクカバーを考えて、どれにするか決めるという方法もあります。
一般生命保険料控除と介護医療保険料控除があるわけですからね。
参照
生命保険料控除制度とは?|公益財団法人 生命保険文化センター
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