建築のプロフェッショナルである大工の数が圧倒的に足りない!木造住宅やリフォームが危機に!
どの業界も、人手不足が一番の悩み、というところでしょうか。
人手不足にも、
- 母数が足りない
- 優秀な人が足りない
ということであれば、これまた悩みの内容が変わってきます。
例えば、面接する人はたくさんいるけど、すぐに辞めてしまうというのであれば、定着率が問題です。
優秀な人が採れないという場合は、リクルーティングの問題とも言えます。
今回は住宅業界で、ターゲットは大工です。
かなり激減しているようで、最悪の場合は、木造住宅の建築やリフォームというところに大きな影響が出そうだというのです。
実際に、就業者数などを調べてみました。
もくじ
大工の就業者数
総務省の国勢調査によると、過去3回の大工の就業者数は、
- H22(2010年):約40万人
- H27(2015年):約35万人
- R2(2020年):約30万人
と推移しており、5年ごとに約5万人も減り続けている傾向です。
このままであれば、次回の2025年の調査結果では、約25万人となるものと推測されます。
さて、まだ30万人ほどいるではないかとの見方もできますが、現実は、長時間労働や低賃金、不安定な雇用、危険な作業などの厳しい環境にさらされています。
そのため、大工に魅力を感じず、続ける人が減っていますし、後継者が育たない面も大きな問題です。
年齢別で、もっとも割合が多いのは65歳~69歳で、約5万人です。
高齢化も進んでいるのが見えてきます。
なぜ大工が減るのか
大工の不足は、いくつかの要因が重なっていると推測できます。
主な原因を挙げると、
- 少子高齢化による建築業界の労働力減少
- 高齢化による引退など
- 高いスキルや技術力を要する
- ひとり立ちまでに時間やコストがかかる
- 建築業界に対するイメージが好転しない
- 若者の就業意欲が低い
- 待遇が不明瞭
- 賃金や社会保険の水準が低い
といったことになります。
実際に、人気職業ランキングでも、2023年11月の時点では71位と下位に甘んじています。
一時期は、ベスト10以内にランキングされる人気職業でしたが、同分野で言えば、建築士が圧倒的な人気です。
ちなみに日本FP協会が調査した、小学生の「将来なりたい職業」では、2010年、2017年、2019年にはベスト10にランクインしています。
何か突発的に出現している背景には、何らかの影響があったのかもしれません。
大工不足を解決するには
なかなか難しいですが、どのような対策が必要でしょうか。
前述した原因を、ひとつずつ潰していけばよい、というものではなさそうです。
待遇や福利厚生の明確化、さらなる向上もきっかけにはなるでしょうが、業務効率化も導入されるべきかと感じます。
従来のような、先人の技術を見て覚えろという教育体系では、まず、人材の確保は難しい印象です。
昔ながらの職人気質が幅を利かせるようでは、ブラック職業のイメージが付きまとうばかりで、敬遠されがちのままではないでしょうか。
大工仕事の醍醐味は、その手仕事にあります。
芸術的なまでの仕事ぶりは、リスペクト以外にありませんが、いかに現代風に技術を伝承するか、というところが重要な気がします。
いわゆる教育体系が明確化されることにも、希望が見えてくるはずです。
まとめ
「建築のプロフェッショナルである大工の数が圧倒的に足りない!木造住宅やリフォームが危機に!」というテーマで、大工について書きました。
大工は建築の花形と言われました。
実際に、年季の入ったベテラン大工さんの仕事ぶりは、見ていて惚れ惚れしますし、その一挙手一投足は見ていて飽きません。
日本の大工技術は世界一とも言えますので、このまま就業者数が減り続けるのは、やはり勿体ないものです。