臨床心理士になるにはどうすればいい?どんな仕事?資格や年収について 公認心理師との違いとは
ストレスの多い現代社会において必要とされているのが臨床心理士です。臨床心理士とは実際にどのような仕事をするのか、また資格を必要とするものなのか、臨床心理士になるためのプロセスについて説明します。気になる臨床心理士の年収や、公認心理師との違いについても解説します。
もくじ
臨床心理士とはどんな仕事?
現代社会は非常にストレスの多い社会でもあるため、心の問題を抱えている人もとても増えています。
そんな悩みを抱える患者に対し、話を聞き、理解し、悩みを解決できるようサポートするのが臨床心理士です。
臨床心理士のカウンセリングにはとても神経を使い、また負の感情を受けることにもなるため、観察力やコミュニケーションスキルが高くても、感受性が強い人にはなかなかハードな仕事と言えます。
臨床心理士に従事するには、感情に流されない冷静さと、タフな精神とを持ちあわせている必要があります。
臨床心理士の主な職場
臨床心理士の主な職場は、
- 精神保健施設
- 病院
- 教育機関
- 企業や組織
- クリニカル・カウンセリング
- 依存症治療施設
- 研究機関
- ソーシャルサービス機関
など、主に患者やクライアントの精神的な健康サポートを行う必要性のある施設で勤務することが多いです。
臨床心理士の資格について
臨床心理士になるには、日本臨床心理士認定協会(Japanese Certification Board for Clinical Psychologists, JAC) によって認定される資格を取得する必要があります。
臨床心理士になるための主な要件とプロセスは次のとおりです。
- 学士および修士の取得(心理学の学士号を取得の後、修士課程で臨床心理学の専門知識と臨床実務経験を獲得し、臨床心理学の修士号を修了する必要あり)
- 2年以上の臨床実習の経験(指導者の監督のもと、通常2年以上の臨床実習経験が求められる)
- 臨床心理士認定試験に合格する
- 申請と審査(臨床実習および試験合格後にJACに申請し、資格認定を受ける)
臨床心理士の資格を取得するには、必須となる学歴に加え、実務経験と試験の合格が必要となるなど、受験資格の条件も高く、総合的な資格取得難易度はかなり高めと言えます。
臨床心理士の年収
臨床心理士は大学院の修士課程を終了し(2年の実習経験含む)、その後の試験に合格する必要があるため、最短資格取得年齢は24歳となります。
初任給は月収20万程度で、平均して20代で年収300万、30代で年収360万、40代で年収480万円となります。
臨床心理士の平均生涯年収(24歳から65歳まで働いた場合)は、1億8000万~2億円程度となります。
資格取得の難易度が高く、精神的な負荷も高いわりには、それほど高い年収とは言えないかもしれません。
しかし、今後ニーズはさらに高まる職業であるだけに、年収アップも見込める職業ではあるでしょう。
公認心理師との違い
臨床心理士と公認心理師とでは、専門分野や職務が異なります。
その違いについて、もう少し具体的に見ていきましょう。
資格の発行機関は、臨床心理士が「日本臨床心理士認定協会(JAC)」によって認定されるのに対し、公認心理師の資格は「日本心理士養成機構」によって認定されます。
資格取得要件の違いは、臨床心理士になるためには、心理学の学士号と臨床心理学の修士号を取得し、臨床実習の経験の後、臨床心理士認定試験に合格する必要があります。
公認心理師になるためには、心理学の学士号を取得し、日本心理士養成機構が実施する公認心理師試験に合格する必要があります。
職務については、臨床心理士は、主に精神保健分野で患者やクライアントの精神的な健康に焦点を当て、評価、治療、カウンセリングなどのサービス提供を行います。
それに対し公認心理師は、幅広い分野で心理学的な知識とスキルを活用し、教育、産業心理学、臨床心理学、法心理学、研究などさまざまな職務を担当します。
同じ人の心理を扱う職業ですが、臨床心理士と公認心理師とでは従事する仕事の分野がかなり異なります。
どちらのキャリアや分野に関心があるかで、それぞれの目指す資格取得を決定すると良いでしょう。
まとめ
臨床心理士は心の問題を抱える人の話を聞き、理解し、悩みを解決できるようサポートする仕事です。
カウンセリングにはとても神経を使うもので、観察力や高いコミュニケーションスキルが要求されます。また負の感情を受けるため、感受性が強い人にはなかなか難しい仕事とも言えます。
臨床心理士になるためには、大学の心理学の学士号と臨床心理学の修士号を取得し、臨床実習の経験の後、「日本臨床心理士認定協会(JAC)」の臨床心理士認定試験に合格する必要があります。
臨床心理士の主な職場は、
- 精神保健施設
- 病院
- 教育機関
- 企業や組織
- クリニカル・カウンセリング
- 依存症治療施設
- 研究機関
- ソーシャルサービス機関
などです。
臨床心理士の平均年収は360万円ほどで、生涯年収は1億8000万~2億円です。
臨床心理士と公認心理師の違いは、臨床心理士が精神保健分野で患者やクライアントの精神的な健康に直接携わるのに対し、公認心理師は心理学的な知識とスキルを活用して教育や各心理学、研究などの職務を主に担当します。