いまだに蔓延る書類印刷信仰で紙資源のムダは無くならず!一部自治体業務のDXはカタチだけ!
DXという言葉が、まるでバズワードのように蔓延っていますが、その本質は難しいものがあります。
そもそもDXには、さまざまな意味があります。
- 診断 (diagnosis)
- 直接 (direct)
- 差分 (differential)
- 開発 (development)
もっとも今のDXはデジタルトランスフォーメーション（Digital Transformation）を指しますが、これは、企業や組織がデジタル技術を活用することによって、ビジネスモデルやプロセス、サービスの改革を進めることです。
ところが相変わらず紙印刷を業務フローに落とし込んでいる組織もあるので、閉口する事態を経験しました。
そこで今回は、紙印刷のムダな例について書きます。
もくじ
DXのおさらい
まず、デジタルトランスフォーメーションのDXについて、おさらいしておきます。
一般的には冒頭で書いたとおりですが、具体的には、社内の業務プロセスをデジタル化することで効率化し、新たなビジネスモデルの構築をすることが目的です。
また、データ分析技術を活用して、より効果的なマーケティング戦略を立てたり、顧客体験を改善することができます。
更に、IoTやAIなどの技術を活用して、製品の付加価値を高めたり、新しいビジネスチャンスを創出することもDXの範囲内です。
カタチだけのDX事例
さて、表面上はDXという感じではありますが、フタを開けてみれば、全く大したことないシステムも多数存在します。
ここ最近では、公立学校の人事異動のためのシステムが、まさにそれ。
開発目的などの経緯は知りませんが、運用面を見れば税金のムダ使いでしかないのです。
人事異動の際に、その当該のシステムに必要事項などを入力するわけですが、全てに入力が終わった後、全部を印刷して所属長つまり在任している学校長と、赴任の予定の学校長のめたに2部印刷するというもの。
ページ数は約20枚ぐらいで、その内容も入力画面をそのまま印刷したハードコピーのような感じなのです。
てっきりデータベース化して、学校長もオンラインなどで閲覧して面談のための参考資料にするのかなと考えていましたが、どうも違う様子。
書類として、きれいに印刷するためだけのお仕事を、システム化してしまった感じが否めません。
意味のない仕事が生まれる瞬間
ホントに意味のない仕事ってあるんですよね・・・。
事例として挙げた、人事異動のための必要情報を、きれいに印刷したいだけの目的で組んだシステムなどが典型です。
結局、入力データは紙に印刷して持参するという、ムダを生んでいるわけですよ税金を使って。
しかもですよ、その入力した情報が何に使われるのかはともかく、疑問点がたくさんあります。
例えば、メールアドレスを入力させられますが、メールでのやり取りは一切ありません。
単純に個人情報の搾取です。
多分、開発を主導した教育委員会の連中は、メールアドレスも一応、入力させておこうというレベルで、項目に入れたに過ぎないと推測できます。
現に、一切、メールが人事からの連絡に使われたことは一度もありません。ム
もっぱら電話ですよ、人の時間を問答無用で奪う・・・。
電話に出られないなら、その内容をメールで送信しておけば済む話なのですが、それでも懲りずに電話。
ホント、意味のない仕事が蔓延っています。
特記事項には時数制限
究極はフォーマットを優先するあまり、特記事項や勤務の希望におけるコメントは、50文字までという意味不明な字数制限が課せられていました。
これぞ役所仕事!ザ・公務員脳!
ごちゃごちゃ言うなという意思が反映されているような気もしますが、多分、フォーマット優先だと思われます。
50文字でどのようなコミュニケーションを取れと?
やはり他人に人事を握られるというのは、自由がないのと同じだなと感じます。
まとめ
「いまだに蔓延る書類印刷信仰で紙資源のムダは無くならず!自治体のDXはカタチだけ!」というテーマで、稚拙なDXの事例について書きました。
なぜ、わざわざ2部も印刷する必要があるのか、全くわかりませんが、入力させるだけ時間のムダとは想像できない模様。
その入力したデータは、どこかで共有されるものではなく、ただストックされるだけという紙ファイルの代替えレベル。
おそらくデータを預かるほうは、DXによって紙での管理から脱却し、ペーパーレスによる省資源化と保管スペースの有効活用が可能となった、なんてのたまう可能性が高いと想像します。
一方、現場の職員は全くムダな入力作業を強いられて、印刷したものを持参というアナログな運用に振り回されています。
