高齢者の一人暮らしのための緊急時対策 自治体が用意する3つのサポートをフル活用せよ!
久しぶりに実家に帰省して、一人暮らしの高齢の母の暮らしから、色々と対策を取るべき必要性を感じました。その中でも得に重要性を感じたのが緊急時の対策です。
そこで緊急事対策として何ができるかを調べるうちに、ほぼどこの自治体にも一人暮らしの高齢者に対する3つのサポートが用意されていることがわかりました。
基本的にエリアの民生委員がよほどしっかり者でない限り、高齢者がそのようなサポートがあることを自ら知るのはなかなか難しいと思います。実際のところ私の母も、自治体によるサポートについて全く知らず、当然申し込んでいませんでした。
一人暮らしの高齢者が増え続けている昨今、こうした自治体が用意する高齢者向けの緊急時対策は、積極的に告知し利用してもらうよう案内を促すべきだと思います。
もくじ
高齢者の一人暮らしを支える緊急時の3つのサポート
特に高齢者が一人暮らしをする場合、万一に備えることはとても重要です。
ただ、緊急時と一言で言っても、様々なケースがあります。例えば、体調の変化による緊急事態もあれば、最近増加傾向にある自然災害による緊急事態などもあります。
これら両方に備え、イザという時に困らないようにしておくことで、普段から安心して生活をすることができるわけです。
そこで調べてみたところ、自治体で用意されている3つの緊急時に役立つサポートがあることがわかりましたので、順にご紹介していきます。
緊急通報システム
まずは何よりも大事だと思われるのが、「緊急通報システム」です。
緊急通報システムは、高齢者に万が一のことが起こった時に役立つサービスです。
急激な体調変化や転倒、火災時など、緊急事態が発生した際に専用の端末からボタン1つで受信センターに連絡することができ、助けを求めることができます。
受信センターは緊急内容から、消防局やあらかじめ登録した緊急連絡先などに連絡します。
こうした、万が一の備えをしておくことで、高齢者の一人暮らしにとって、とても心強いものになることは間違いありません。
民間企業でも緊急通報システムサービスは行っていますが、月額費用が高く、年金ぐらしの非課税世帯にとって、この費用を賄うのは非常に負担となります。
その点、市区町村などの自治体が取り扱う緊急通報システムは条件により無料、費用が掛かった場合でも月額数百円程度とかなり割安で利用できます。
脳梗塞や転倒したとき、火災、強盗の侵入など、緊急時には気も動転してしまいますし、ましてや高齢の方が電話から110番や119番に通報するのは現実的ではないでしょう。
また何か困った際には相談できる機能も多くの緊急通報システムには備わっています。
こういったサービスは、高齢者のいる全世帯に無条件で設置するべきものかと思います。
救急医療情報セット
次に紹介するのが「救急医療情報セット」です。
これは一人暮らしの高齢者が救急搬送された際に、予めまとめた個人の医療情報を救急隊に見つけてもらうためのものです。
救急医療情報セットには、住所や生年月日といった個人情報を記載した用紙の他に、保険証のコピーやかかりつけの意思の診察券のコピー、普段服用している薬がわかるようにお薬手帳のコピーを入れておきます。
救急医療情報セットは大抵筒状のプラスチック容器になっており、救急隊がすぐに見つけやすいよう、冷蔵庫に入れておきます(救急医療情報セットのありかはシールを貼ってわかりやすくする)。
そうすることで、緊急時に搬送する場合に、救急隊は救急医療情報セットも持ち出してくれるため、意識が混濁している場合でも、的確な措置をとってもらうことが可能となります。
防災ラジオ
3つ目は「防災ラジオ」です。
先に紹介した2つは、どちらかと言うと個人の事情による緊急時に活かされるものですが、防災ラジオは自然災害発生時などに、住まいのエリアの状況をいち早く把握する際に役立つものです。
防災ラジオにより居住エリアの被災状況や緊急避難先などをいち早く知る事ができるため、災害時には非常に役立ちます。
これは各家庭に小型ラジオのようなものとして貸与されるタイプもあれば、屋外に設置された防災スピーカーなどで放送するものを利用するなど、地域によって違いがあるようです。
理想的なのは家庭内に防災ラジオが設置されることでしょうが、私の母親の住む自治体ではそういったものは用意されておらず、屋外からの放送を聞くようにしてくださいと言われました。
ただ、屋外の放送は、台風などの暴風時には音声が届きづらくなるうえ、高齢者は耳が遠い人も少なくありません。なので防災ラジオは各家庭に個別に設置し、確実に情報を届けるようにすべきだと思います。
まとめ
一人暮らしの高齢者が利用すべき、自治体が用意する緊急時対策のための「3つのサポート」についてご紹介しました。
その3つとは、
- 緊急通報システム
- 救急医療情報セット
- 防災ラジオ
です。
これらの名称は各自治体により異なりますが、機能的には同じものが用意されているはずですので、上記の名称を告げれば話は通じると思います。
問い合わせ先は、お住まいの地域の民生委員、もしくは地域包括センター、市区町村役場にご相談ください。
1つ問い合わせて駄目でも、諦めずに全てに問い合わせてみることをおすすめします。
緊急時対策は命とも深く関わってくるものです。もしもこうした緊急時対策を取っていないというのであれば、すぐに設置するよう動くことをおすすめします。
また、高齢者が自ら行動するのはなかなか難しい点もあると思いますので、近親者が積極的に設置のサポートをしてあげてほしいと思います。特に離れて住む親御さんがいらっしゃる場合は、息子さん・娘さんがぜひ動いてあげてください。