ギブソンの代表的なセミアコギターES-335の特徴 1959年式と1963年式の違い 上位機種の345や355とは?
ギブソンの代表的なセミアコギターにES-335という機種があります。そのES-335の特徴はどういったものでしょうか。代表的な1959年式と1963年式の違いや上位機種であるES-345やES-355との違いなどについても解説します。
もくじ
セミアコギターとは
ボディの内部が完全に空洞になっているエレキギターのことを「フルアコ(フルアコースティックギター)」と呼びます。
セミアコは、フルアコのボディ内部中央にセンターブロックと呼ばれる共振を抑える木部パーツを配したギターのことです。
また、一般的にフルアコよりもボディの厚みが半分くらいの薄さとなっており、空洞部分がフルアコよりも小さくなっています。
そうすることで、大きな音を鳴らした際のハウリングを防ぐことができますが、同時にアコースティック感は薄まります。
言うなれば、セミアコは空洞構造を持たないエレキギターとフルアコとの中間的なサウンドが特徴で、大きな音を出すロックミュージックなどにも活用されています。
ちなみに、「セミアコ」は「セミアコースティックギター」の略称です。
ギブソンのES-335について
ギブソン(Gibson)の代表的なセミアコギターに、「ES-335」というモデルがあります。
ES-335は世界初のセミアコギターとして、1958年に登場しました。
名称の「ES」の部分は、エレクトリックスパニッシュの略で、ギブソンが1940年代から販売しているフルアコの型番が受け継がれたものです。
ES-335は1959年に完成形となりましたが、その後、外観形状とピックアップなどの仕様が1963年に行われました。
そのため現行のES-335は、1959年式と1963年式の2つの仕様が主に製造されています。
1959年式、1963年式に関わらず、ES-335の特徴としては、
- ローズウッド指板
- マホガニーセットネック
- チューン・オー・マチックブリッジ
- 2基のハムバッカーを搭載
- 2ボリューム、2トーン仕様
となっています。
ES-335はボデイーの中央にメイプル材のセンターブロックが埋め込まれているため、中が空洞のフルアコとは異なりボディ上から直接スタッドボルトを打ち込んで、チューン・オー・マチックブリッジを設置することができるようになりました。
そのため、ロックなどで多用される激しいチョーキングにも耐えることができるようになりました。
また、フルアコのトップの板材がプルース材であるのに対し、何枚かかのメイプル材を張り合わせたものがトップ材に使用されており、そのことで更にハウリング抑止効果を得ています。
これらの構造により、ロックでもアコースティック感のある温かみのある音色が使えるギターとして、ES-335はより幅広いファンを獲得しました。
1959年式と1963年式の違い
では、同じES-335であっても、1959年式と1963年式との違いはどういった点なのでしょうか。
まず1959年式のES-335は、
- ネックが太い
- ポジションマークがドットインレイ
- ピックガードが長い
といった特徴があります。
それに対して1963年式のES-335は、
- ネックが細め
- ポジションマークがブロックインレイ
- ピックガードが短い
となっています。
実際は、ES-335は製造年や製造工場などにより、様々な仕様が存在します。
ES-345やES-345とは
ES-335について調べていると、よく似た数字のES-345やES-355というモデルを見かけることがあると思います。
これらES-345やES-355は、ES-335の上位機種にあたるものです。
これらモデルとES-335との違いは何かというと、
ES-345は、
- ポジションマークがダブルパラレログラムインレイ
- パーツ類がゴールド
- マルチプライバインディング
といった外装状の違いに加え、
- ステレオアウト
- バリトーン・スイッチ
といった機能上の違いがあります。
また、ES-355は、ES-345の特徴に加え、
- エボニー指板
- インレイがパール製
- ビグズビーアームが標準装着
※モノラル仕様もある
となっています。
まとめ
セミアコギターとは駆動構造のボディでありながら、センターブロックを搭載し、ハウリングを抑えたギターのことです。
1958年に世界初のセミアコギターとして、アメリカのギブソン社がES-335を販売しました。
ES-335の主な特徴は、
- ローズウッド指板
- マホガニーセットネック
- チューン・オー・マチックブリッジ
- 2基のハムバッカーを搭載
- 2ボリューム、2トーン仕様
といった点です。
ES-335の代表的な仕様に、959年式と1963年式とがあります。
1959年式は、ネックが太く、ドットインレイ、眺めのピックガードとなっているのに対し、1963年式は、ネックが細めで、ブロックインレイ、短めのピックガードが付いています。
ES-335の上位機種にはES-345、ES-355というモデルが存在します。
ES-345は、ダブルパラレログラムインレイ、ゴールドパーツ、更に豪華なバインディングを備えており、機能面ではステレオアウト、バリトーン・スイッチを搭載しています。
ES-355は、ES-345の特徴に加え、エボニー指板、パール製インレイ、ビグズビーアームの標準装着と、より豪華な仕様となっています。
ただし、ES-335は65年もの間製造され続けたログうセラーモデルあであるため、製造年や製造工場などにより実際は様々な仕様が存在しています。
購入の際はその点を理解したうえで、仕様や状態等、自分好みのES-335を見つけることをおすすめします。