住信SBIネット銀行の住宅ローンが借入最長50年というとんでもないサービスは誰をターゲット?
若者の車離れと言われて久しいですが、今度は「住宅離れ」が進むと考えています。
年収が増えない、増えにくい若年層において、車離れの原因は、
- 初期費用の負担が大きい
- ランニングコストがかかる
- 運転機会が無い
- 駐車場が無い(高額)
といったことが挙げられます。
住宅においては自動車とは金額面でも1桁違うわけですから、若年層には手が届きにくいのは明らかです。
結婚すら難しい時代に、住宅の購入は「夢」ではなく、もはや「要らぬもの」となりつつあるのかもしれません。
そこで今回は、住信SBIネット銀行の借入最長50年に拡大したことに着目したいと思います。
もくじ
住信SBIネット銀行の住宅ローン
今時点でラインナップされている中で、50年まで借入期間を拡大できる対象の住宅ローン商品は、
- WEB申込コース
- 対面相談コース
- NEOBANK住宅ローン
の3つです。
対象となる人は、
- 借入時の年齢が満18歳以上満65歳以下
- 完済時満80歳未満
- 安定かつ継続した収入が見込める
- 同社指定の団信(団体信用生命保険)に加入
- 国内居住者
になります。
極端に言えば、29歳で借り入れする場合は、79歳までの返済プランが可能であるということです。
長い・・・。
金利
借入期間50年まで拡大できとしても、金利が高ければ、返済総額にも影響があります。
現在の住信SBIネット銀行の金利は、
- 変動金利タイプ
- 固定金利特約タイプ(2年・3年・5年・7年・10年・15年・20年・30年・35年)
となっています。
借入金額の最低額は500万円で、最高で2億円。
ここで借入期間が35年以上となると、0.15%の金利が上乗せとなるので、ここは要注意ポイントです。
借入期間拡大の注意点
そもそも借入期間50年は、実は初登場ではありません。
バブルの時代は「親子リレーローン」という名称で、50年というパターンもあったのです。
あくまでも「ネット銀行」で取り扱うことが初めてということで、話題になったというだけの話し。
結論からすると、長く設定すると総額が増えちゃうよって、気付かないといけません。
しかも35年以上の返済期間を設定すると、金利が0.15%上乗せという、地獄のような条件です。
たった0.15%じゃんと考える人は、極めて数字に弱いと言わざるを得ません。
シンプルに、返済期間を長くすれば毎月の返済額を抑えられますが、返済総額が大きくなるのが住宅ローンです。
繰り上げ返済で借入期間を短くするから楽勝って考えているのなら、100万円単位のまとまったお金を、ローンを支払いつつ貯める必要があります。
できますか?って話し・・・。
住信SBIネット銀行の狙い
住信SBIネット銀行としては、住宅価格の高騰で若者世帯の住宅購入のハードルが高くなることを懸念したと感じます。
毎月の返済額を低く抑えるには、借入額と借入期間、それと金利で決まりますから、その中で借入期間を長くしてあげるよってことだと考えます。
ですが、有利になるのは銀行側。
あくまでも返済総額を見れば良いわけで、仮に返済が滞っても第一順位の抵当権に問答無用で設定されることに変わりはなく、リスクはしっかりとカバーしています。
個人的には、そこまでしてもマイホームが必要って層が、どれだけ存在するかってところです。
人生の大半以上を返済と共に生きるのは、正直、イヤですね・・・。
ぶっちゃけ借金ですし、将来の売却に期待するのも、素人の希望的観測でしかないです。
マイホームの購入自体が、未来に向かって足枷となる時代に入ってきてるとしか言えません。
空き家問題が、その証左です。
まとめ
「住信SBIネット銀行の住宅ローンが借入最長50年というとんでもないサービスは誰をターゲット?」というテーマで、借入ということについて書きました。
住信SBIネット銀行自体は嫌いではありません。
むしろ個人的なメインバンクですし、利便性は際立っています。
住宅ローンに関しても、真っ先に検討する金融機関であることは間違いないですが、あまりにも長期過ぎる返済プランは、どう考えてもキツイですね・・・。