フルタングシースナイフについて ブッシュクラフトにおすすめは?選ぶ歳の刃の素材や厚み・長さなど
近年「ブッシュクラフト」と呼ばれる、自然の素材を利用して自然の中で生きる知恵を身につける、キャンプスタイルが注目されています。薪割りをして焚き火をしたり、木の枝を使って箸や食器をつくったりもしますが、そんなブッシュクラフトで使うナイフには、フルタングシースナイフがおすすめです。そんなブッシュクラフトに最適なフルタングシースナイフをご紹介します。
もくじ
フルタングシースナイフとは
フルタングシースナイフとは、フルタング構造のシースナイフです。最も耐久性の高いキャンプナイフでもあります。
フルタングとはブレードを含む金属の板がハンドルの後ろまで貫通した構造のナイフのことで、ブレードの金属をハンドルで挟み込んだつくりになっています。
フルタングのナイフは耐久性が高いのが特徴で、薪割りなどのハードな使い方に向いています。
特にナイフの裏側を叩いて薪を割るバトニングの作業には、フルタングのナイフがおすすめです。
シースナイフとは
キャンプで使用するナイフには、シースナイフとフォールディングナイフの2種類があります。
シースナイフとは、シース(鞘)に入れて持ち運ぶタイプのナイフのことで、耐久性が高くバトニングに適しています。
フォールディングナイフとは、折りたたみ式のナイフのことです。コンパクトで調理などには向いていますが、バトニングに耐えられるほどの強度はありません。
なのでワイルドなブッシュクラフトには、耐久性の高いシースナイフがおすすめです。
フルタングナイフの素材
フルタングナイフのブレードの素材には、主にステンレスかカーボンが使用されます。
ステンレス製フルタングナイフ
ステンレス製は水に強く錆びにくいのが特徴です。生の食材を調理したり、雨天時にも安心して使用できます。
ナイフが汚れても水道水でさっと洗い流して拭きとればOKなので、メンテナンスにあまり気を使いたくない方には、ステンレス製のナイフがおすすめです。
カーボン製フルタングナイフ
カーボン製はステンレスより硬度が高く耐久性にすぐれていて、切れ味も鋭いのが特徴です。切れ味が鈍っても、研ぐことで再び鋭い切れ味を取り戻すことができます。
ただし、水濡れや汚れを放置しておくと、すぐに錆びてしまうというデメリットもあります。
そのため、マメにメンテナンスができて切れ味にこだわりたい方に、カーボン製のナイフはおすすめです。
ブレードの厚さ・長さ
フルタングナイフを選ぶ際の、ブレードの厚さや長さに関する注意点をお伝えします。
ブレードの厚さ
フルタングナイフは耐久性は高いですが、バトニングなどハードな使い方をする場合には、ある程度ブレードが厚いナイフを選ぶ必要があります。
バトニングには最低でも3ミリ以上のブレードの厚さが必要です。さらに、腕の太さ以上の木をバトニングするのなら、3.5ミリ以上の厚みがあると安心でしょう。
ブレードの長さ
フルタングナイフは金属部分が多いため重量もあります。
ブレードの長さが10cm以下のものだと、コンパクトに収納できるうえに細かな作業にも向いているので、初心者にはおすすめでしょう。
ブレードが長いほうがバトニングするときに力が入りやすいので、持ち運びには不便ですが、パワフルに使いたい方にはブレードの長いものがおすすめです。この場合は、刃の長さが10センチ以上のナイフを選んでください。
フルタングナイフのおすすめメーカー
フルタングナイフは多くのメーカーから販売されていますが、そのなかでもアウトドアマンに特に人気のおすすめのメーカーをご紹介します。
モーラナイフ
代表的なのがモーラナイフです。モーラナイフは1891年にスウェーデンで誕生したナイフメーカーで、「スウェーデン王室の御用達認定」を受けるほどの高クオリティーな仕上がりをしています。
それでいながら手に入れやすい値段設定なので、初心者にもおすすめの人気のナイフメーカーです。
モーラナイフでバトニングするなら、ハイエンドモデルの「Garberg(ガーバーグ)」がおすすめです。
ヘレナイフ
ヘレナイフは1932年にノルウェーで誕生したナイフメーカーで、経験と知識をもった職人が1本1本手作りで仕上げています。
値段の方はやや高めですが、メンテナンスをしっかり行えば一生使えます。性能・耐久性がとても高いナイフなので、エイジングも楽しみたい方にはおすすめです。
キャンプ芸人のヒロシさんも愛用するヘレナイフの「ディディガルガル」というモデルは、ブレードが長く高強度なナイフです。
トヨクニ
日本のメーカーでは鍛冶屋「トヨクニ」がおすすめです。
トヨクニは、1946年に高知県で誕生した農山林刃物などを取り扱っているメーカーで、江戸時代から伝わる職人の技術を代々受け継ぎ、精度の高いナイフを制作しています。
フルタング構造の「独遊(ひとりあそび)」は、白鋼というブレードの素材で、切れ味が鋭く研ぎやすいのが特徴です。
永久保証も付いているので、安心して長く愛用できます。
まとめ
これからブッシュクラフトを始めるのなら、ぜひフルタングシースナイフを1本用意したいところですね。
フルタングシースナイフは頑丈な作りのナイフなので、ブッシュクラフトなどのハードな使用には最適です。
初めて使うなら、水辺や調理など場所を選ばずに使える、サビに強いステンレス製が良いかもしれません。
バトニングに慣れてきたら、切れ味のいいカーボンを使ってみたり、一生もののナイフを探してエイジングを楽しむ、なんていうのも良いですね。