車が水没したときの脱出方法・備えておくべき必須アイテムとは?冠水した車の修理代と保険について
近年は異常気象で突然大雨が降り道路が冠水するといったことが増えています。もしも車が水没したとき、どのように脱出したらいいのか、その方法や備えておくべき必須アイテムをご紹介します。また、冠水した車の修理代はどれくらい掛かるものなのか、保険で適用されるのかについてもお伝えします。
もくじ
車が水没したときの脱出方法
近年、線状降水帯の発生数が増え洪水など大雨による被害が増えています。
車で通勤している人なら、仕事からの帰宅途中に大雨に合い、思いがけず道路の水かさが増えて怖い思いをしたという人もいるかもしれません。
大雨が降っている時は、道路の状態がよく確認できないため、思わず深みにハマってしまったり、冠水路に突っ込んでしまい身動きが取れなくなることもあります。
特にアンダーパスには水が溜まりやすいので、大雨が降ったときにアンダーパスを通過する際には十分に注意してください。
車の高さ60センチのところまで水かさが増すと、車のドアは外からの水圧で相当な力がないと開くことはできなくなります。これはヒンジドアはもちろん、スライドドアでも大変なくらいだそうです。
なので、無理をせずに水位が低いうちに安全な場所に避難することが何よりも大事です。
ドアが開かないとなると人は焦ってしまい、余計に無理やりドアを開けようとしてしまいます。しかし、そういった時こそ落ち着いて、窓を開け窓から脱出するようにしましょう。
その際は、自分がシートベルトをしていることもお忘れなく。落ち着いてシートベルトを外してから脱出を試みてください。
車の窓はほとんどが電動式なので、電気系統が水で故障してしまうと、窓が開かなくなることがあります。
その場合は、窓を割って外に出ます。
しかし更に水かさが増し窓の高さ以上にまでくると、窓ガラスを割ると割れた破片と水とが一気に車内入り込みとても危険な状態になります。
車内にまで深く水が侵入してきて外と同程度の水かさとなった場合は、中と外の水圧が同じになるため、窓はゆっくりと力を込めて開けると開くようになります。
なので、窓以上の高さにまで水かさが増しても、諦めず冷静に対処してください。
シートベルトカッターと脱出用ハンマーの備えを
もしも水没時に車が傾いてしまったりすると、シートベルトに体重がかかってしまい、シートベルトがなかなか外せない場合があります。
そんなときにあると便利なのが、シートベルトカッターです。
シートベルトの素材はポリエステルでできており、普段は簡単には切れないよう頑丈な素材でできています。
しかし、シートベルトカッターであれば切断が可能です。
ただし、シートベルトは真横に切ろうとするとなかなか切りづらいものです。シートベルトを切るときは斜めに切るようにすると、断然切りやすくなるはずです。
このシートベルトカッターは、グローブボックスの中など、すぐに取り出せる場所に備えておきましょう。
また先程も説明したように、車が水没してしばらくすると、車の電気系統が故障してしまい、パワーウィンドウの窓は開けられなくなってしまいます。
この場合は窓を割って脱出するしかないのですが、車の窓はそう簡単には割れません。
そんな時にあると便利なのが脱出用ハンマーです。
窓ガラスは割ると粉々に砕けます。それでも周囲には破片が残りますので、その破片で怪我をしないように注意しながら脱出してください。
脱出用ハンマーにはいくつかタイプがありますが、便利なのはハンマー型で、更にシートベルトカッターが備わっているものがベストです。
ちなみに、フロントガラスは合わせガラスのため、脱出用ハンマーでは割ることができません。割るのはサイドガラスもしくはリアガラスです。
どこまでの深さなら走れる?
水かさが増した道路、一体車はどれくらいまでの深さなら、走行可能なのでしょうか。
安全に走れる目安は「タイヤの半分の高さ以下」の水深までです。
つまり、軽自動車などのタイヤの小さな車ほど冠水に弱く、四駆のような大きなタイヤの車は、限界値が高いということになります。
また、「車の床面より水面が下」で「マフラーが水没していない」ことも重要です。
マフラーが水で塞がれてしまうと、排気ガスが排出できなくなり、エンジンは止まってしまいます。
冠水した車の修理と保険について
大雨に会い車が冠水した場合、修理が可能かどうかはどこまで冠水したかによって変わってきます。
冠水位置と修理代の目安としては、
タイヤ下半分までの冠水:修理費数万円程度
タイヤ下半分を超えて冠水:修理費10~20万円程度
マフラーが冠水:修理費50万円以上
フロアが冠水:修理よりも買い替えの方が安い可能性大
基本的に、冠水の度合いの修理可能範囲は、マフラー冠水までと考えておいてください。
フロアまで浸水してしまうと、仮に修理をしても車内の臭いがひどく、乗り続ける気にはなれないと思います。
水没時の保険適用については、車両保険に加入していれば、修理費が補償されるでしょう。
また、修理不可能となった場合や修理費が保険費用を超えた場合などは、全損扱いとなり契約時に設定した保険金額が支払われます。
ただし、地震や津波などの自然災害の場合は、保険が適用されない場合があります。近年増えている線状降水帯やゲリラ豪雨の場合も自然災害に該当し、保険が適用されない場合も考えられます。
不安な場合は、一度契約している保険会社に問い合わせておくと良いでしょう。
また、全損判定を受けた場合、差額の修理代を自分で払って愛車を乗り続けたいと思っても、全損で保険会社から保険金額全額を受け取った場合は、車の所有権は保険会社に移ります。
これは盗難された車が見つかり、見つかった車に再び乗りたい場合も同様です。
こういった場合は何が最も自分に適した措置となるか、保険会社ともよく話し合って決定するようにしましょう。
まとめ
車が水没したときの脱出方法は、水の深さにより異なります。
水深30センチ程度の場合:ドアは開くので(それでも力がいる)、ゆっくりと足などで押し開けて脱出する
水深60センチ程度の場合:外からの水圧に押されドアは開かなくなるので窓から脱出。窓が開かない場合は割って脱出。そのための脱出用ハンマー(シートベルトカッターつき)を手の届くところに備えておく
水深が窓より高くなった場合:窓を割るとガラスの破片と同時に水が入って危険。車内と社外の水位が同じになるとドアに掛かる水圧が同じになるため、ドアを足の力を使って開けて脱出
車が安全に走れる目安は「タイヤの半分の高さ以下」で、「車の床面より水面が下」「マフラーが水没していない」水深までです。
車が冠水した場合の修理代の目安
タイヤ下半分までの冠水:修理費数万円程度
タイヤ下半分を超えて冠水:修理費10~20万円程度
マフラーが冠水:修理費50万円以上
フロアが冠水:修理よりも買い替えの方が安い可能性大
マフラー冠水し、フロアまで冠水したとなると、修理は難しいかもしれません。
水没時の保険は車両保険に加入していれば補償されるでしょう。ただし、自然災害の場合は保険が適用されないこともあります。
不安な方は現在契約している内容について、いちど確認しておくことをおすすめします。