仕事でのメンタルヘルス不調はなぜ起きる?経営者の強メンタルに対する意識 起業時等は要注意
仕事でのメンタルヘルス不調は、なぜ起きるのでしょうか。経営者やリーダーに対し「強メンタル」であることが求められることの影響や、異動時や転職時、起業時に陥りやすいメンタル不調の注意点について解説します。メンタルは鍛えられるのかといったことや、日々のメンタルケア、メンタル不調の改善方法についてもご紹介します。
もくじ
仕事でのメンタルヘルス不調はなぜ起きる?
自分はそんなにメンタル弱いほうじゃないのにな…。そう思っている人でも、時にメンタル不調に陥ることはあります。
メンタル不調の原因には、主に外因性のものと内因性のものの2つに大きく分けられます。
外因性のメンタル不調は、その名の通り外部から与えられるストレスにより起こります。そのため、ストレス要因となるものから遠ざかることで、メンタルの不調は軽減します。
内因性のメンタル不調の方はというと、自身が感じる不安などがストレスとなっています。何が不安にさせ苦しめているのか、その原因を特定して捉え方を変える必要があります。
仕事で強いストレスを受ける原因には、主に次のようなものがあります。
- 不適切な仕事量
- 業務内容
- 失敗や責任の発生
- 職場の人間関係
- 職場におけるハラスメント
人間関係や職場におけるハラスメントは、仕事内容や業務自体というよりも人間関係の問題です。これらはなかなか一人で解決するのが難しい問題なので、然るべき相談部門等を活用することをおすすめします。
ではそれ以外の、業務におけるストレスについては、
- 不適切な仕事量
- 業務内容
- 失敗や責任の発生
といったものがありますが、
業務内容自体がストレスに感じてしまうのであれば、それは自分に向いていない仕事と言えるでしょうから、業種替えをすることを考えたほうが良いでしょう。
人には向き・不向きというのがあります。これは持って生まれた性格や性質と関係することなので、努力でカバーできるものでもなかったりします。
自分に向いていない・ストレスでしかないと感じたのであれば、そのことに気づけたことをプラスと捉え、どういった業務が自分に合っているかを考える機会としましょう。
経営者の強メンタルに対する意識
時に社内で異動があった場合やスタートアップ時、転職をしたばかりの場合など、まだその環境に馴染めずに緊張状態であることに加え、何かしらの結果を出そうと焦ったりして不適切な仕事量を抱えたり、失敗や責任に対して過度に負ってしまうことがあるでしょう。
その結果、自分を精神的・肉体的に追い詰めたり、疲れていても十分に休息や睡眠が取れず体力的に消耗してしまうなど、ストレスは溜まる一方で、やがてメンタル不調を引き起こすことに繋がっていくのです。
また、脱サラして起業したり、フリーランスとして独立したばかりの場合も、精神的負担が大きくかかる時期でありながら、なんとか事業を軌道に乗せようと、知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでしまいがちです。
そのような状況でオーバーワークを続けていると、しばらく後にリバウンドのようにして、メンタルヘルスの不調に襲われることがあります。
特に経営者たるものやリーダたるものは「強メンタルであるべし」といった意識があるためか、多少の疲れやメンタル不調を感じていても気合で乗り越えようと、無理をしがちになる傾向があります。
しかし、これがの後に長期にわたるメンタルヘルスの不調を招いてしまうことにつながるのです。
メンタルは鍛えられるのか?
メンタルは鍛えられるのかというと、答えは「イエス」です。
ただ、何が起こっても動じない「鋼のようなメンタル」を手に入れるには、同時に「鈍感力」も鍛える必要があるでしょう。つまり、あまり細かいことについて考えているようでは、メンタルは鍛えられません。
ただ生まれ持っての繊細であるHSPの人は、鋼のメンタルを得るのは難しいかもしれません。メンタルが鍛えられるのは、あくまでも今の自分よりは鍛えられるであろうということです。
メンタルを鍛えるには、肉体も鍛える必要もあります。心と体は表裏一体だからです。
メンタルを鍛える方法は、
- 体を鍛える
- 心を落ち着かせる方法を習得する
- 自己肯定感を高める
- 鈍感力を鍛える
- 客観的に自分を見る力をつける
- 未知なる経験に常にチャレンジする
- メンタルの調子を把握する
ということを行います。
メンタルは鍛えれば不調になることはないかというと、そういうことはありません。どんなにメンタルが強くなっても、メンタル不調になることは誰にでもあります。
そのために、常に今の自分のメンタルの調子を把握する力を身につけることはとても重要です。
メンタル不調は素早く気づいて適切なケアを
自身のメンタル不調にいち早く気づくことができれば、すぐにメンタルケアをすることができ、調子を取り戻すことができます。
反対に言うと、メンタル不調に気づけなかったり、放っておくことで、メンタル不調の長期化を招いてしまうのです。
「いまちょっとメンタルが弱ってきているな」そう感じたら、すぐにケアに入ることが、常に心身を強くいられるコツになります。
メンタル不調の改善方法
メンタル不調の改善方法には、大きく2つあります。
1つは、日々のケアです。これはメンタルが不調になってから行うことではなく、日々メンタルの調子を整えるために行うことです。日々のストレスや疲労感はその日のうちに解消することで、心の健康は保ちやすくなるからです。
日々のメンタルケアとしては、
- 十分な睡眠をしっかり取る
- バランスの良い食事を摂る
- 適度な運動習慣
- マインドフルネス
- 感情を吐き出すためのノート
- 小さな幸せを毎日与えて喜ぶ
ということを行います。
また、メンタル不調を感じ始めた場合の改善方法は、
- 仕事の量を減らす
- 休暇を取ってゆっくりする
- 親しい友人に気持ちを話す
- 自然の中に出かける
- スマホやパソコンなどのデジタル機器から遠ざかる
- やりたかったことをやる
といった普段は少しできないなと感じていることを行います。
とにかく、ストレスをためる前に、思い切って休むことが何よりも重要です。
まとめ
仕事におけるメンタル不調は、業務内容の向き・不向きととても大きく関係してきます。
人と接するのが苦手な人が、飛び込み営業や営業ノルマのある仕事をしたり、チームプロジェクトのリーダーやディレクションをするのは苦痛を伴うことでしょう。
また反対に、外に出て動き回ることが好きな人が、室内でじっと事務作業を続けなくてはならないとしたら、とても苦痛を伴うのではないでしょうか。
このように自分の適性に合っていないとわかったら、仕事を替えるべきです。誰かに最適な仕事であっても、自分にとっては最悪な仕事であることは往々にしてあります。
その他に、業務量の過多や重責なポジション、異動などによる一時的なストレスの場合は、自身のメンタルの状況を鑑みながら、上手にコントロールしていく必要があります。
自分の手におえないほど業務量が多かったり、重責に耐えられない場合は、ポジションを変えてもらうよう相談をしたり、状況が変わらない場合は転職も考える必要があるかもしれません。
精神的なストレスが続くと、いずれメンタル不調に繋がります。我慢をすればするほど、メンタル不調の長期化へとつながりますので、日々のメンタルケアとともに、メンタル不調を感じた場合は早めに改善を図り、常に心身共に健康な状態を保つようにしてください。