60歳を過ぎて老後は持ち家と賃貸では生活に何か影響が出る?50代以降の住宅購入の可能性は?
持ち家と賃貸は、どちらがお得か?
そんなタイトルの記事は、たくさんありますが、
- ハウスメーカー:購入の動機付け
- 不動産業者:購入と賃貸の動機付け
を意識して、答えありきの内容になっていることが多いです。
例えば、銀行との繋がりが強い不動産業者は、物件の購入や住宅ローンの契約を取り次ぎたいために、住宅購入が有利というという流れにするのは、もはや自然な編集です。
賃貸のままで十分です、という結論は、ほとんどありません。
しかし、60歳を過ぎてからの生活を考えると、もっとリアルな現実が見えてきます。
もくじ
持ち家の割合
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」によると、年代別の持ち家率は、
- 20代:17.5%
- 30代:47.2%
- 40代:61.8%
- 50代:71.9%
- 60代:79.3%
- 70代:80.8%
となっています。
30代で急激に持ち家率が上がり、以降の年代でも上昇を続けています。
思った以上に、持ち家率が高いという印象を持つ人も多いのではないでしょうか。
住宅は、これからも省エネや耐震性の基準が上がること、建築資材の高騰などで、ますます価格は高騰していく雰囲気です。
住宅の取得は年齢が高くなるほど、シンドイとも言えますし、若いころに契約するとしても、月々の支払いを考えると、返済期間の長期化が考えられます。
現に、最長で返済期間50年の住宅ローンも登場しています。
仮に30代でスタートしても、完済は80代・・・。
それって人生、楽しいですかね?
60歳以降の賃貸暮らし
この数字を見て、これまで賃貸で良いと思っていた人の考え方が、改まる可能性があります。
賃貸暮らしは、将来的な移住を考えている場合は、非常に身軽なため好都合です。
ところが、そうでない場合は、
- 家賃の支払い
- 契約更新
という2点において、60歳以降のリスクになります。
まず、家賃の支払いが継続できるかどうか。
定年退職後にガクンと落ちた年収に比例して、家賃が下がることは、まず、ありません。
また、オーナーの以降によっては、無職は入居させないという規約、あるいは方針であれば、契約更新が望めないという問題も出てきます。
そうなると50代後半からでも、そのようなリスクを取り除くために、住宅の購入を考える必要性が出てきます。
60代での住宅購入
さて、50代あるいは60代での住宅購入は、果たして現実的なのでしょうか。
- 予算
- 返済期間
頭に思い浮かぶのは、この2点だと考えます。
もちろん世帯の状況にもよります。
子がいれば、既に独立しているのか、もうしばらく教育費などが必要なのかということもありますし、夫婦での就業の状況も大きく関わります。
それを踏まえて予算と返済期間も考慮しなければなりません。
返済期間は、必然的に若い世代よりは短くせざるを得ないでしょう。
年収が大きく変動する時期を見越して、途中で返済額の変更なども頭に入れておく必要があります。
さらに固定資産税のほか、修繕等は全て自費。
つまり維持費を含めて家賃以上になると、本末転倒です。
新築にするのか中古にするのかは、さほど優先順位は高くないとしても、夫婦2人をベースに考えるならば、マンションか平屋が望ましいかもしれません。
リバースモーゲージ
自宅を担保に生活資金等を銀行から借り入れし、契約した者が死亡した時に、担保とした自宅を売却することで借入を返済するしくみです。
ワンチャン、このしくみも考える手もあります。
ただし、リスクは当然あり、
- 金利上昇曲面での返済額増加
- 契約者死亡で他の家族は転居(一括返済ができないとき)
- 法定相続人全員の同意が必要
- 不動産評価額の下落で融資も減額
- 住宅ローンより借入限度額が下がる可能性がある
かなりの時間をかけて銀行と掛け合う必要があります。
住宅ローンとの比較も避けることは出来ないため、あくまでもオプション的な手段として頭の片隅に入れておくとよいです。
具体的な商品としては、60歳からの住宅ローンで「リ・バース60」があります。
一部の銀行では、満50歳以上満60歳未満でも利用可能ですが、かなり絞られます。
まとめ
「60歳を過ぎて老後は持ち家と賃貸では生活に何か影響が出る?50代以降の住宅購入の可能性は?」というテーマで、年代別持ち家率と老後の賃貸住まいに関して書きました。
マジで考えないといけない時期です・・・。
今の自宅、立地、環境、家賃、間取り、どれも文句なしなので退去したくないんですよね・・・。
いっそのこと、オーナーチェンジしてくれないかな。
参照
各種分類別データ(令和4年) ― 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)|知るぽると
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