BPOは業務委託やアウトソーシングと何が違う?目的は?効果は?委託先の選定ポイントは?
会話の中で不適切な表現などについて「放送コードに引っかかる」なんて言い方をしたこはありませんか?
無知な子どものころは「ほうそう」という種類のコード、つまり紐のようなものに大の大人が足をひっかけることをイメージしたものです(汗)
コードにも「規約」「暗号」などの意味もあることを知るのは、随分と成長してからでした。
ゆえにBPOは放送倫理・番組向上機構(Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization)のイメージでしたが、今はビジネス用語という認識です。
そこで今回はBPOについて、知り得たことを書いてみたいと思います。
もくじ
BPOとは
まず概要から。
BPOは「Business Process Outsourcing」の頭文字を取った略称です。
簡単に言えば、企業が自社の一部業務を外部の専門業者に委託することを意味します。
BPOの主な目的は、内部リソースを他の戦略的な業務に集中させることです。
具体的には、
- 人事・給与管理:採用プロセス、給与計算、福利厚生管理
- 会計・財務:経理業務、請求書処理、資金管理
- 顧客サービス:コールセンター、ヘルプデスク、チャットサポート
- データ処理:データ入力、データ解析、データセキュリティ
といった業務領域が活用の対象としては多くなっています。
BPOで期待されることは、
- コスト削減
- 専門知識の活用
- 柔軟性と拡張性
と言えます。
BPOと業務委託の違い
業務委託とは、企業が特定の業務を外部の個人や企業に委託することですが、BPOとは異なる点があります。
- 業務範囲の違い
業務委託は個別の業務を委託、BPOは複数の関連業務を包括的に委託 - 提供されるサービスの違い
業務委託は単一のサービス提供、BPOは幅広いサービスを提供 - 目的と契約形態の違い
業務委託は特定業務を外部委託、BPOは効率化やコスト削減目的の包括的契約
つまり、一連の業務プロセスの一部を任せるか、パッケージで契約するかの違いです。
BPOとアウトソーシングの違い
アウトソーシングは、企業が特定の業務を外部の専門業者に委託することです。
かなり似ている部分はありますが、BPOとの違いについては、
- 業務範囲の違い
アウトソーシングは主に特定の業務の委託、BPOは包括的な業務領域を委託 - 提供されるサービスの違い
アウトソーシングは特定業務に特化したサービス提供、BPOは幅広い業務領域に対応 - 目的と契約形態の違い
アウトソーシングは特定業務の効率化やコスト削減を目的とした契約形態、BPOは包括的な業務効率化と戦略的なパートナーシップを重視した契約形態
が挙げられます。
つまり、業務の一部または全部を、外部の企業に対してマネジメントを必要とするのがアウトソーシングで、マネジメントも含めての委託がBPOです。
BPO導入のポイント
BPO導入のポイントは大きく3つあります。
- 導入のメリットとデメリット
- 適切なBPOパートナーの選定
- 導入プロセスと留意点
それぞれ簡単に解説します。
導入のメリットとデメリット
【メリット】
- 運営コストの削減が可能
- 専門知識と高品質なサービスを受けられる
- 業務範囲または委託の柔軟性とスケーラビリティ
- 自社のコア業務への集中
【デメリット】
- 業務の依存性と管理マネジメント
- 機密や情報の漏洩といったセキュリティリスク
- コミュニケーションのズレや企業文化の違い
- パートナー選定と契約管理の難しさ
適切なBPOパートナーの選定
委託先となるパートナー企業あるいは個人の信頼性や過去の実績を調査し、安定性と信頼性に基づいて選定することが望ましいです。
BPOにおいては委託先が業界や特定の業務領域に精通していることを確認し、適切な専門性を持つかどうかの判定が重要になります。
そのためにはサービスレベル契約(SLA)を定め、品質、可用性、責任など明確にしたうえで、パートナーシップの形成が求められます。
導入プロセスと留意点
導入においては、BPOに適した業務について選定や評価を実施し、効果的なBPO領域を選択することが重要になります。
パートナーとの相互信頼とコミュニケーションを重視し、持続的なパートナーシップの構築が双方にとっては有益なものとなります。
データセキュリティやリスク管理については、双方が法的・規制上の要件の合意も必要です。
まとめ
「BPOは業務委託やアウトソーシングと何が違う?目的は?効果は?委託先の選定ポイントは?」というテーマで、BPOについて書きました。
BPO(Business Process Outsourcing)は、マネジメントも含めて自社の業務の一部、あるいは全てを任せる施策です。
コスト削減はもちろんのこと、リソースの不足する業務プロセス、新規事業に対する知見と実務を得るという目的のもとに行うことになります。
アウトソーシングや業務委託はマネジメントやディレクションが必要ですが、BPOは丸投げする分、慎重な選定と契約が求められます。