エレベーター内の鏡は身だしなみチェック用?空間を広く見せる?実は社会的に重要な役割
ここ最近は、エレベーターに乗る機会が減りました。
まあ、もともとからの出不精なので、外出自体が好きではないこともありますが、あの鏡の存在はいろいろな説を聞いていました。
- 身だしなみチェックのため
- 空間を広く見せるため
特に、この2つが鏡を設置する理由として、常に言われていたものだと考えます。
ところが、実情は違うことを知ったのは数年前ですが、未だに広がっていないことに少々驚きを隠せません。
そこで今回は、エレベーターのナゾについて、書いてみます。
もくじ
エレベーターの鏡の役割
エレベーターに必ず付けられている鏡ですが、前述したように、
- 身だしなみチェックのため
- 空間を広く見せるため
という目的もゼロではないでしょうが、真の目的は、車椅子利用者のためです。
車椅子で乗ってこられた方は、その場で転回してドア側に向き直ることができます。
ところが人が居る場合は、転回できるスペースがなくなりますので、鏡の方を向いたままとなります。
目的の階に到着した後は、その鏡をバックミラーの代用として、エレベーターから降りるわけです。
ゆえに車椅子の方が乗ってこられた時は、なるべく鏡を見せてあげるようにします。
これが本来の鏡の役割です。
バリアフリー設計のひとつ
エレベーターに鏡を設置することは、業者の好意ではありません。
バリアフリー法を元とした、国土交通省におけるバリアフリー設計のガイドラインである「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」に盛り込まれているものです。
当該部分を引用してみました。
車いす使用者の利用に配慮して、かごの中で転回しなくても戸の開閉状況が確認できるよう、かご入口正面壁面に、出入口状況確認用の床上40㎝から150㎝程度まである鏡(ステンレス製または安全ガラス等)を設けることが望ましい。なお、出入口が貫通型(スルー型)、直角2方向型及びトランク付型のかごの場合には凸面鏡等でもよい。
鏡の形状と設置位置は、車いす使用者がバックで出るとき、出入口まわりの人や床が見やすいものとなるよう考慮することが望ましい。
これを根拠として、各自治体が条例で鏡を付けることを定めています。
つまり社会的な意義があって鏡は取り付けられているわけです。
エレベーター内のインターホン
本編とはズレますが、予備知識としてエレベーター内からの緊急通報についてシェアします。
エレベーターにはインターホンが装備されています。
電話の受話器のマークのボタンを押すと、建物内の管理室や警備室と通話ができるようになっているので、異常発生の時はコールするようにしましょう。
ただ外線とは繋がっていませんので、そこはスマホで連絡を取るようにします。
エレベーター内で万一、閉じ込められても酸素不足による窒息はあり得ません。
あったら昇降機としては終わっています(汗)
エレベーター利用中に地震発生
不運にもエレベーターに乗っている時に地震が発生してしまったら・・・。
ちょっとイヤですよね。
エレベーターによっては、地震時管制運転システムによって最寄階で自動停止して、扉が開放されるようになっています。
揺れを感じても地震時管制運転システムが作動しない場合は、すべての行き先階のボタンを押して停止した階で降ります。
もしも閉じ込められた時は、前述のインターホンで連絡を取りましょう。
映画のようにカゴの天井にある点検口をこじ開けて、ケーブルを伝って脱出なんてことは絶対に避けるべき。
地震発生時はエレベーターに乗らない
わざわざ避難しにくくなる状況に自ら追い詰めることになるので、絶対にさけるべきです。
非常階段などの利用がベストな選択となります。
ちなみに火災が起こってしまったら、建物によっては避難はしご(避難ハッチ)を使う選択肢もありますが、誘導に従うことが第一です。
誘導係がフワフワしてたらイヤですけどね・・・。
日ごろの運動不足を解消するために、常に階段を使うという方法もありっちゃあり。
まとめ
「エレベーターの鏡は身だしなみをチェック?空間を広く見せる?実は社会的に重要な役割」というテーマで、エレベーターについて書きました。
ナゾの存在であるエレベーター内の鏡について、真の役割がお分かりいただけたかと思います。
筆者も数年前に初めて知ったときは驚きましたが、未だに周知が進んでいない面も垣間見え、少し残念です。
もし車椅子の方が乗ってこられた時に、鏡の役割を知っているのであれば、カゴ内での振る舞いも変わってくることでしょう。