線状降水帯とは?なぜ最近増えたのか?その原因・注意点・発生しやす場所について ゲリラ豪雨との違い

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線状降水帯とは一体どういったものなのでしょうか。そしてなぜ最近、線状降水帯の発生が増えたのでしょうか。その原因や発生しやす場所、発生時の注意点についてお伝えします。またよく似た言葉のゲリラ豪雨との違いについても解説します。

線状降水帯とは

線状降水帯とは次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなし、組織化した積乱雲群によって数時間にわたり同じ場所を通過・停滞することでできる線状の降水帯のことです。

横に伸びる長さは50~300kmほど、幅は20~50kmで、強い局地的な降水を伴います。

線状降水帯は2014年に広島県で甚大な被害を及ぼした大雨のときから注目されるようになり、気象庁でも線状降水帯についての予報を2021年から発表するようになりました。

近年では毎年のように線状降水帯による大雨が発生し、甚大な被害を生む自然災害として注目されています。

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線状降水帯が発生する原因・なぜ増えた?

気象庁の研究分析によると、この45年間で線状降水帯による豪雨の発生頻度は、およそ2倍に増えているそうです。

特に6~7月の梅雨時期は、以前と比べて4倍近くにも増加しているとのことです。

このように線状降水帯の発生増加の原因のひとつに、地球温暖化があると考えられています。

ただ、発生のメカニズムに感しては未解明な点が多く、今後の研究課題のようです。

発生しやすい場所

積乱雲は単体で発生し、最大でも60分で消滅します。

しかし上空の風の影響などで、積乱雲が次々に発生し、積乱雲群が線状に並ぶ「積乱雲群」ができます。

その積乱雲群がさらに集まると「線状降水帯」となります。

線状降水帯が発生しやすい場所は、西日本から九州にかけてのエリアが多いとされています。

その理由には地理的条件が大きく関係しています。

特に九州は太平洋と東シナ海に接していているため、太平洋高気圧が九州の南に停滞すると、東シナ海から暖かい湿った空気が大量に流れ込み、積乱雲が発生しやすくなります。

するとバックビルディング現象が起こり、線状降水帯が発生するというわけです。

ちなみにバックビルディング現象とは、積乱雲が風上で連続して発生し、風下では雨が激しく降り続ける現象のことです。

風上の積乱雲がまるでビルが立ち並ぶかのように見えることから、バックビルディング現象と名づけられています。

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線状降水帯の危険性・注意点

線状降水帯が発生したときの危険性は、短時間に多量の雨が同一エリアで起こることから発生する土砂災害や河川の氾濫です。

こうした被害発生の危険性が高まると警報が出されますので、線状降水帯が発生時はテレビやインターネット、スマホなどで情報のチェックをするようにしてください。

線状降水帯が発生したときの注意点としては、

  • 外出を避ける
  • 屋外作業をしない
  • 河川や海に近づかない

ということです。

また、避難勧告が出た際に避難所へすぐに避難できるよう、状況に応じた避難準備をしておきましょう。

さらに線状降水帯が続くと停電も発生しやすくなります。スマホなどは停電が起きる前にしっかりと充電しておきましょう。

線状降水帯とゲリラ豪雨の違い

線状降水帯とよく似た言葉に、ゲリラ豪雨と言う言葉があります。

これらの違いは何なのでしょうか。

ゲリラ豪雨とは、発達した積乱雲が短時間に局所的に降らせる激しい雨のことです。ゲリラ豪雨はときに雷や突風を伴うこともあります。

ゲリラ豪雨と線状降水帯との違いは、積乱雲の数や雨を降らせる範囲が異なる点です。

まとめ

線状降水帯は次々と発達した雨雲(積乱雲)が発生し、それが列をなし組織化して積乱雲群となることで、数時間にわたり同じ場所で雨を降らせる現象のことです。

近年ではこの線状降水帯の発生頻度が増え、大きな被害をもたらしています。この発生頻度が増えた原因としては、地球温暖化が考えられるとされていますが、詳しいことはまだわかっていません。

地形の関係上、主に九州から関西エリアにかけて線状降水帯は発生しやすいとされていますが、それが年々関東エリアの方まで発生するようになってきています。

線状降水帯が発生したときは、外出を避け、屋外での作業は行わないようにしましょう。また、河川や海には決して近づかないようにしてください。

線状降水帯が発生したら、避難勧告等が出ないか、ニュースなどをチェックするとともに、すぐに避難できるように準備をしておきましょう。

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