住宅ローン金利が上昇傾向にシフト?固定タイプに加えフラット35も 駆け込み需要が増える?

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住宅ローン金利が上昇傾向にシフトし始めているというニュースが上がっています。メガバンクが提供する固定タイプの住宅ローンに加えに加え、フラット35の金利もアップしました。住宅価格がさらに上昇する中、金利が上る前にと、住宅購入の駆け込み需要が今後増えるのでしょうか?長期のローンを組んで家を購入することについて、この機会にいま一度よく考えてみましょう。

住宅ローン金利が上昇

これまでありえないくらいに低かった日本の住宅ローン金利ですが、2月に発表された住宅ローン金利をみると、わずかながら上昇している商品が見られます。

いずれも10年固定タイプの住宅ローン金利の基準金利部分ですが、三菱UFJ銀行が年3.49%、三井住友銀行が年3.5%、みずほ銀行が年2.8%と、3メガバンクが揃って金利をあげました。

金利上昇はそれぞれ、三菱UFJ銀行が0.1pアップ、三井住友銀行が0.1pアップ、みずほ銀行が0.05pアップと、上昇ポイントはわずかですが、6年ぶりの高水準へ。

とは言え、金利がアップしたのは固定タイプの金利のみで、多くの方が借りているのは変動金利タイプ。こちらの金利上昇は見られず、相変わらずの低水準を保っています。

この先、更に金利は上昇し、変動金利の方も上がってくるのかどうかは分かりませんが、アメリカが3月に政策金利を引き上げる意向を見せていますので、そのあたりがどう影響してくるかが注目点かと思われます。

最近、日本と諸外国との物価の差がやたらと話題に上がっています。今後、日本の政策金利も上げざるを得ないでしょうから、そうなると住宅ローンの金利も必然的に上昇してくることが予測されます。

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フラット35の金利も上昇

メガバンク以外にも、住宅金融支援機構のフラット35の金利も上昇しました。

フラット35は長期固定金利タイプの住宅ローンですが、2月の適用金利が、返済期間21年以上35年以下の商品が年1.35%~(前月1.30%~)、返済期間20年以下の商品は年1.23%~(前月1.18%~)と、それぞれ0.05pアップしています。

変動金利に比べ固定金利のほうが高いため、安易に変動金利を選択してしまいがちです。これまではそれでも良かったのですが、今後不安定な時代を迎えるに当たり、今は多少高く感じても固定金利を利用することで、長期的に安心してライフプランが立てやすくなるというメリットも考えることをおすすめします。

金利アップはどれくらい返済額に影響するのか?

では実際のところ、金利がアップすると、返済額にはどれくらい影響してくるのでしょうか?

借入額3000万円、返済期間35年、ボーナス月の返済額10万円でローンを組んだ場合の、金利上昇による返済額の変化を例に見てみましょう。

金利が0.1%アップした場合は、トータルでの返済額は70万6020円ほど増加します。また、1%上昇した場合は、730万440円ほど増加します。

0.1%の上昇なら年間2万円程度なので、まだ気にならない程度ですが、1%上昇すると年間21万弱も返済額が増えます。月にすると2万円弱返済額が増えることになりますので、笑って済む問題ではありませんよね。

もちろん、金利が上昇することで、同じ年収の場合のローン審査に通る額も低下します。

その他、2022年から住宅ローン減税の縮小などもあります。これら様々な要素を購入時には検討すべきです。親や先輩が家を購入した時代とは、だいぶ変わってきています。

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住宅購入の駆け込み需要増で価格は更に上がる?

住宅ローンの金利が今後上昇することを見越して、その前に住宅購入の駆け込みが増えることも考えられます。

ただ、現在もなお、都心部を中心に住宅購入価格が上がっています。10年前と比べると2倍、3倍に上がった物件もザラにあるくらいです。

海外の物価上昇に伴い、格安に木材を入手することも困難とのことで、建築費も上昇傾向にあります。

これらを考えると、いくら住宅ローンの金利がまだ割安だとしても、以前と比べると10年前と比べると同等の物件の価格が上がっている分、コスパは低いと言えます。

更にか駆け込み需要が増えると、売り手市場となり、住宅価格はさらに上がることも考えられます。

現在の収入をベースに長期ローンを組むと、仮に審査に通っても、今後の金利上昇(特に変動金利)や給与の上昇率などを考えると、完済が難しくなる場合も充分に考えられます。あまり無理をしたローンは組まないよう、細心の注意をもって決めてください。

まとめ

少し経験談を話しますと、住宅購入にあたり様々な物件を見ていくうちに、どうせ買うならとより良い物件に目が移り、3000万円も3500万円も金額の差が対して変わらないような錯覚に陥ってきます。

なので、常に冷静な気持ちをもって、事前の予算を崩さず、住宅購入以外のライフイベントにかかる費用などもしっかりと把握したうえで、身の丈の合った多少余裕のある返済プランで住宅ローンを組むよう心がけてください。

くれぐれも必至で住宅ローンを払うだけの人生にならないように。そういう人を何人も見てきています。今後、変動金利が上昇したら、彼らは…。

断捨離ブームやミニマリストが増えたのか、FIREをはじめとした投資が話題となっているのか、そのあたりはこれからの時代を予見していると思われます。

そういった観点も含め、住宅ローンを組むことを今一度考えてみる価値は充分にあると思いますよ。

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