日本とアメリカの住宅ローン事情 住宅購入額は年収の何倍が目安?年収の中央値とローンの金利の違い
日本とアメリカの住宅ローン事情を比較してみました。住宅購入額は年収の何倍程度を目安としているのか、年収の中央値や住宅ローンの金利の違いなど、そういった日本とアメリカの違いを比べてみることで、如何に私たち日本人が過酷な状況にあるかということが、浮き彫りに…。頑張れ日本人!
もくじ
持ち家率の違い
アメリカと日本の持ち家率について見てみましょう。
アメリカの持ち家率は67.6%です。それに対し、日本の持ち家率は88.6%と20%以上も高いです。
これは日本の内閣府のデータによるものですが、別の統計を見てみると、2018年時点で、アメリカの持ち家率が64.2%で日本の持ち家率が61.2%となっていました。
アメリカの持ち家率は、どちらのデータも似ていますが、日本の持ち家率はずいぶんと違った結果を示しています。
どちらが正しいのかはわかりませんが、個人的な感覚から言うと、日本人の88%もの家庭が家を所有しているとは思えません。
なのでおそらく、日本の持ち家率は60%台といったところではないかな、という気がします。
住宅ローン金利の違い
日本の住宅ローンの利率は、35年間固定で2%程度、変動金利においては1.3%程度となっています。
それに対し、アメリカの住宅ローンの利率は30年固定金利で7%程度、変動金利の方も固定金利の1%少ない5.8%ていどと、日本と比べるとかなり高いことがわかります。
アメリカの住宅ローンの利率はここ1年の間で、凄い勢いで上昇しましたが、アメリカ人はこのローンの利率上昇に対して、支払いが続けられるのでしょうか。
もしも日本でも同じよな利率になったとしたら、かなり危機的状況に陥るのではないかと予想されます。
住宅ローンは年収の何倍が目安?
家を購入する際に、誰もが長期の住宅ローンを組むわけですが、アメリカと日本とでは、住宅購入額を年収の何倍程度を目安としているのでしょうか。
まず日本の場合だと、住宅購入額は年収の5-10倍が目安で、大抵は7倍程度の家を購入する人が多いようです。
それに対してアメリカの場合は、年収の3-3.5倍程度を目安にするそうです。
ざっくりと比較すると、日本人はアメリカ人よりも年収にしておよそ2倍程度の予算を家に割いていることになります。
つまり日本人はアメリカ人と比べると、家の購入にかなりの負担をかけ、年収の割に高い家を呼応入試ていることがわかりますね。
同じ期間を返済に当てるとすると、収入に対するローンの支払いの割合が、アメリカ人は日本の半分なわけですから、仮に金利が上昇しても、アメリカ人はまだ対処できそうな気もしますが、日本人の場合だとかなり厳しい感じがします。
住宅購入額や広さなどを比べると
アメリカの平均的な持ち家の価格は、2000万円程度だそうです。広さは平均床面積が約200平方メートルとかなり広めです。
そして、家の平均耐用年数は、アメリカの場合40-50年程度だそうです。
日本の平均的な家の購入価格は、土地付注文住宅が4455万円、建売住宅が3600万円、マンションが4530万円、といったところなので、ざっくり平均を出すと4000万円くらいというところでしょう。
広さは平均床面積が120平方メートル(戸建の場合)、そして平均耐用年数は30年程だそうです。意外とすぐに壊してしまう人が多いことにびっくりです。
これらをアメリカと比べると、住宅購入平均額はアメリカの約2倍、延床面先はアメリカのほぼ半分と小さめ、そして耐用年数もかなり短めとなります。
もちろん日本とアメリカとでは土地の広さが違いますから一概には言えませんが、それにしても日本の家のコスパはかなり悪い気がしてくるのは私だけでしょうか。
ここまで家にお金をかけて良いのだろうか、そんな気がしてきました。
年収の中央値の違い
日本全体の世帯年収の中央値はというと、437万円程です。
それに対し、アメリカ人の世帯年収の中央値は4万6001ドル(約680万円)です。
アメリカの方が1.5倍所得が多いということになります。
たしかにこの数十年、日本は不況が続き、その中でデフレが続いていましたから、世界の国と物価の差がどんどん広がりました。
そのため賃金面でもかなり格差が生じてしまい、このように年収の中央値でも1.5倍もの差が生じています。
まとめ
こうして住宅ローンを元にアメリカと日本との生活の差を比べてみると、日本人がかなり過酷な状況下で頑張って生活をしていることがよくわかります。
少ない賃金で毎月多額の住宅ローンを組み、日々生活をしているわけですから、これ以上住宅ローンの金利が上がってしまっては、かなり苦しい状況に見舞われることが容易に想像できます。
また、昨今の物価高により生活は一層苦しくなってきています。早くすべての人の賃金が増える方向に世の中全体がシフトしていかないと、このままでは日本人は潰れてしまうでしょう。
もともと頑張り屋の国民であるからこそ、このような過酷な状況でも耐え抜いてこれたのでしょうが、それもそろそろ限界も近づいているのではないかという気がします。
バブルのようなものではなく、徐々にでも良いので、生活が底上げされ、少しずつラクになっていく方向へと進んでほしいところです。