公募でお馴染みプロポーザル方式とは?コンペ・競争入札との違いやメリットを分かりやすく解説

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自治体のサイトを見ていると、さまざまな事業をやっていることに気付きます。

しかも地味にひっそりと・・・(汗)

その事業を民間に委託する中で、一般的にあまり馴染みのない言葉が、やたらと出てきます。

コンペや競争入札、そしてプロポーザル方式といった、発注先の選定方法です。

これらは自治体の公募において、多くの企業や機関、あるいは個人に事業への参加や契約を決定する際に使われる手法ですが、今回は主にプロポーザル方式に焦点を当てます。

コンペ・入札方式との違い、プロポーザル方式の魅力やメリットについて分かりやすく解説します。

プロポーザル方式とは

自治体が特定のプロジェクトや契約に関して、外部の企業や個人からアイデアや提案を公募する手法です。

自治体は、自らの課題やプロジェクトに対して、民間の専門知識や技術を活用したり、新しいアプローチを取り入れたりすることが求められる場合があります。

こうした場合に、一般企業に対してプロポーザル方式を用いることで、多様な視点や提案を受け取り、より効果的なソリューションを選択することができます。

例えば、公園や体育館の建設、公共トイレの改修など、自治体が整備・改善を検討する施設に対して、建設企業や設計事務所から提案を募るといったケースが代表的です。

その他、環境保護や再生エネルギー関連、地域の観光資源を活用した観光振興策の検討など、多様な事業にふさわしい企業や個人を選定する手段となっています。

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コンペ・入札方式との違い

プロポーザル方式と同様に、多くの自治体が事業を民間へ発注する際に、コンペや競争入札という方式も採用しています。

主な違いは、評価の視点と選考プロセスにあります。

コンペは、自治体が特定のプロジェクトや事業の実施に向けて、複数の企業や個人に対して公平な競争の場を提供する手法です。

自治体が持つ課題やニーズに対して、さまざまな専門家や企業から提案を受け取り、最も優れた提案を選定します。

提案者は、特定のテーマや要件に基づいて提案書を作成し、提出することになります。

入札は、自治体が施設建設や工事、調達などの契約を発注する際に、外部の企業や業者から価格の提案を公に募集する手法です。

入札では、具体的な要件や条件が提示され、参加した企業は価格を競って提案します。

自治体は、提案の内容だけでなく価格を考慮して、最適な業者を選定します。

プロポーザル・コンペ・入札の評価軸

自治体が実施する3つの発注先選定方法については、評価軸が非常に明確です。

  • プロポーザル:事業者
  • コンペ:内容
  • 入札:価格

プロポーザルでは企業や個人といった事業者を評価することに対して、コンペは内容、入札に至っては価格が対象となります。

とはいえ入札の場合は、いくら安かろうが信頼性に疑問が残る企業や個人に発注することは、まず、考えられません。

そのために入札参加資格を設定しています。

またコンペにおいても、提案自体は素晴らしいものであっても、実効性や再現性、あるいは実績が怪しい場合は、発注先として選定されることはないです。

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プロポーザル方式のメリット

プロポーザル方式では、自治体に多様な提案が寄せられるため、革新的なアイデアや新しい視点を得ることができます。

一方、競争の激しい業界における企業では、他社との差別化が重要な要素となりますが、プロポーザル方式では強みとする部分を推す機会でもあります。

公正性と透明性が高い点もプロポーザル方式の魅力です。

選考プロセスが客観的であるため、個人的な人間関係や影響力による偏りが少なくなります。

これにより、公平な競争環境が実現し、優れた提案者が選出されることが期待できます。

プロポーザル方式の注意点と課題

一方で、プロポーザル方式には注意点や課題も存在します。

まず、選考プロセスが長期にわたることがあります。

提案者の背景や能力だけでなく、提案書自体のクオリティや内容の適合性を適切に評価するためには、選考委員や審査員による熟慮が必要です。

公正な評価を行うための適切なガイドラインや基準について、チェックすることも求められます。

ゆえに自治体側としては多くの提案書を評価し、最適な提案を選出するには時間がかかるため、プロジェクトの進行が遅れるリスクも内包されています。

また、提案側は準備のために詳細な計画や実行可能性を示す必要があり、十分なリサーチと検討が必要です。

そのため時間とリソースを投資することを考慮しなければなりません。

まとめ

「公募でお馴染みプロポーザル方式とは?コンペ・競争入札との違いやメリットを分かりやすく解説」というテーマで、知り得たことをシェアしました。

プロポーザル方式は、公募で広く提案を募る手法であり、コンペ・入札方式とは異なる特徴を持っています。

多様な提案を受け取ることで革新的なアイデアを得ることができる一方で、長期の選考プロセスや提案書の詳細な準備が必要などの課題もあります。

それでも公正で透明性が高く、信頼性のある発注先を選定する上で有益な手法であることは間違いありません。

参照

公募型プロポーザル方式|国土交通省

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