インボイス制度スタート後も免税事業者として活動する個人事業主やフリーランスの請求方法
インボイス制度が物議を醸しながらもスタートしました。
月末に請求書を発行する免税事業者である個人事業主、フリーランスの方も多いはずです。
もしかすると先月の時点で、そっと取引を断られた免税事業者もいるかもしれませんが、そういうときは相手側は下請法に関して違法なんで、当局にでもチクればwww
という判断は、そのような事態になった人の判断に任せますが、さて、請求書については、どうすればよいのかと悩んでいる免税事業者もいるはず。
そこで今回は、免税事業者の請求書の書き方について、知り得た範囲でお伝えします。
筆者も免税事業者として、しばらく様子見します。
もくじ
今まで通りでOK
結論から言えば、特に相手企業から書式を指定されない限りは、現状で良いという判断をしています。
一応、税理士さんにも確認を取ったのですが、インボイス制度の対応については課税事業者が行うものですから、免税事業者は何もする必要はありません。
筆者も、現行のままでやっていく所存です。
例えば、5万円分の仕事を終えて、請求金額を55,000円とします。
請求書への具体的な記載方法は、税込みの金額だけを書いてもいいですし、請求金額と消費税を分けて記載しても問題無しです。
値引きに応じるなら、値引きの金額も記載しておけば、透明性は増します。
不正でも何でもありません。
消費税は対価の一部
前述の例では、消費税が5,000円ということになりますが、実は対価の一部ですから、少しややこしい面があります。
ところが東京地裁が平成2年3月26日に出した判決では、
消費税分はあくまで商品や役務の提供に対する対価の一部としての性格しか有しない
となっています。
が、これも筆者(法律ド素人)が引用しただけなので、解釈というか説明しろとなれば、むむむと考え込んでしまいます(汗)
そのまま受け止めれば、消費税ではないという判決が出ているので、個人的には対価の一部として、堂々と請求するわけです。
でもなあ、ところどころ矛盾点も見えるので、インボイス制度に関しては税理士さん頼りですね・・・。
下請法
少しだけ触れましたが、インボイス導入にあたっては免税事業者とは取引しないので契約は打ち切りです、といったことはまかり通りません。
下請法の反することなので、課税事業者側は絶対にやらないと考えています。
もし違反が発覚した場合は、
- 公取による禁止行為の改善指導
- 勧告による事業者名などの公表
ということになります。
勧告までになると、まず、企業側のイメージダウンや風評被害は免れませんので、かなり厳しい処置という印象です。
どうしても弱者になりがちな個人事業主やフリーランスは、下請法の親事業者の義務・禁止事項等の知識だけは、持っておくと良いかも。
いやいや、そもそもハイレベルな仕事をしてくれる個人事業主やフリーランスを失う事の方が、インボイスによる手間暇とかのデメリット、コストアップ以上に痛手となるでしょうに。
そう言いたいですね。
免税事業者だって好きで免税事業者になってるわけじゃないっすよ。
そこには「金じゃない」って世界もあるわけで、特に個人で頑張っている人は。
まとめ
「インボイス制度スタート後も免税事業者として活動する個人事業主やフリーランスの請求方法」というテーマで、インボイス制度における請求書について書きました。
免税事業者においては、これまで通りの請求書で一旦送付して、何か相手から書式の変更などがあれば、従えばいいのではないかなと思います。
請求の段階で値引きとか、減額とか、いきなり言われたとしたら、下請法に抵触する可能性を指摘して、今後の課題というか話し合いをすべきかと。
参照
判決確定「消費税は対価の一部」――「預り金」でも「預り金的」でもない|全商連[全国商工新聞]