高校生の子を持つ会社員と個人事業主の夫婦では社会保険の扶養と税の扶養はどうすべきか?
ぼちぼち、会社員なら年末調整の話しが出てくる時期であり、個人事業主やフリーランスは、年末までの取引が頭に浮かぶころです。
さらに個人事業主やフリーランスは、確定申告に向けて、年明けから帳簿の見直しなど、やや面倒臭い作業が待っています。
税理士さんと顧問契約していれば、そんな面倒な作業は一切、不要なので心配することは大幅に減っていきます。
先ほど不要と言いましたが、同音異義語の「扶養」について、会社員と個人事業主またはフリーランスの組み合わせの夫婦は、頭を悩ませる問題が出るわけです。
特に子が高校生になった場合は、税制においても、どちらに扶養を申告するか重要な決断が迫られます。
そこで今回は、子の扶養について書いてみます。
もくじ
扶養は2種類
まず扶養には、大きく2種類があります。
- 社会保険制度上の扶養
- 税制上の扶養
ゆえに「扶養がぁ~」と言ってるだけでは、どちらのことを言ってるのか判断できないので、しっかりと抑えておきましょう。
これを知らずに「扶養がぁ~」とうるさく言うと、相談される側としては戸惑います。
素直に無知であることを伝えたほうが得策です。
社会保険上の扶養
基本的には、夫婦間で収入の多い方に子どもを扶養しているよう申告することが、まあ、王道と言えば王道です。
ただし夫婦ともに会社員同士であれば、どちらでも構いません。
ようするに、保険証の違いだけですね。
大企業なら組合健保で、中小企業なら協会けんぽというのが、定番になります。
では、会社員と個人事業主またはフリーランスの組み合わせの夫婦ならば、話しは変わってきます。
個人事業主やフリーランスは、国民健康保険に加入が義務付けられています。
それはそれで良いのですが、会社員の健康保険は、子どもを何人扶養しようが社会保険料の負担は変わりません。
これが国民健康保険となると、扶養者の分も保険料の支払い負担が発生するため、会社員側の扶養にした方が得になるケースが高いです。
税制上の扶養
さて、次は税金に関わることなので、非常に重要です。
現時点では、子どもが16歳になると「扶養控除」の対象となり、一般の扶養として所得税と住民税の課税額を控除できるようになります。
控除額は、
- 所得税:38万円
- 住民税:33万円
これはデカいです。
結論から言えば、夫婦で職業形態に関係なく、収入が多い方で「扶養控除」を受けたほうが、世帯の節税効果は高くなります。
会社員の場合は、養控除申告書で申告すればOKです。
個人事業主やフリーランスは、確定申告のタイミングで申告できます。
ちなみに、「夫婦どちらも申告したら節税になるんじゃね?」という、オイシイ話しはあり得ません。
税務署からチェックが入る可能性が高まるだけです。
毎年、どちらが扶養控除を適用するかについては、決定権はコチラにあるので、夫婦で話し合えばよいです。
かりに、16歳と18歳の子がいる場合は、夫婦でひとりずつの申告でも良いですし、2人を一緒に、どちらかで申告しても差支えはありません。
高校生の扶養控除が縮小?
また嫌な情報が入ってきました・・・。
2024年度の税制改正で、高校生の扶養控除における控除額が、問答無用で縮小が検討されているという内容です。
まあ、確かにですよ、児童手当が高校生も対象になりますから、縮小の話しが出てもおかしくないかなあと予想していましたが、こういう余計な予想が的中するのは嫌なもんですね。
大体、政府筋の検討は9割がた、導入されるものですから、できるだけ縮小幅は小さくして欲しいところです。
まとめ
「高校生の子を持つ会社員と個人事業主の夫婦では社会保険の扶養と税の扶養はどうすべきか?」というテーマで、扶養について書きました。
高校生の子を持つ会社員と個人事業主の夫婦における、社会保険の扶養と税の扶養については、あまり言及しているメディアがありません。
常に、会社員の夫と専業主婦の妻、もしくはパート・アルバイトの妻の組み合わせに集中しています。
例について多様性は全く感じられません。
もっといろんな角度で物事は見ないとね。