アフリカの平均寿命が短い理由 アフリカの子どもの死亡率と私たちにできることについて
日本の平均寿命は80歳代と、世界で最も長寿の国です。そんな日本では少子高齢化が急速に進んでいますが、アフリカにおいては平均寿命が50歳代と、ずいぶんと短い傾向にあります。なぜアフリカはこんなにも平均寿命が短いのでしょうか。そんなアフリカの平均寿命が短い理由や、アフリカの子どもの死亡率と感染症の問題、また、私たちがアフリカの子どもたちのためにできることなどについてお伝えしていきます。
もくじ
アフリカの平均寿命
WHOが世界を6つの地域に区分して平均寿命を比較したところ、もっとも平均寿命が長いのはヨーロッパ地域で78.2歳でした。反対に、もっとも平均寿命が短いのはアフリカ地域で、64.5歳という結果になりました。
この、アフリカ地域の平均寿命が64.5歳ということについてですが、これはほとんどの人が60~70歳で亡くなるという意味ではありません。
アフリカのような開発途上国では、5人に1人が5歳までに亡くなっています。
アフリカの子どもの死亡率と主な死因
新生児死亡率は国や地域の医療環境・衛生環境を表すといわれています。
日本の新生児の死亡率は、2019年時点で1000人あたり0.9人ですが、サブサハラ(サハラ砂漠以南のアフリカ地域)では1000人あたり27.5人と、格段の差があります。
5歳未満児の死亡率は、日本では1000人あたり2.5人ですが、サブサハラではなんと75.8人です。
アフリカの新生児を含む5歳未満の子どもの主な死因は、
- 出産時の合併症
- 肺炎
- 下痢
- 新生児敗血症
- マラリア
などで、大半が現代の技術によって予防・治療が可能なものばかりです。
これらのうち死因の約3分の1を占めている、肺炎や下痢、マラリアは、家庭でも予防できる病気です。
しかし、アフリカの子どもたちにとっては、これらが致命傷となっているのです。
アフリカの子どもと感染症
アフリカにおける5歳未満で亡くなる子どもの多くは、適切なケアさえ受けられれば守ることができます。
アフリカの幼い子どもたちが感染症になってしまうのには原因があます。それは、亡くなる子どもの半分以上が栄養不良なのです。
また、肺炎や下痢、マラリア、エイズなどの感染症にかかりやすい理由については、次のようなことが考えられます。
食糧不足による栄養失調
アフリカの人口は伸び続けているため、慢性的な食糧不足が起こっています。
また、武力紛争や干ばつなどにより、安定的に食料を確保できないことも原因のひとつです。
立場の弱い子どもたちはその影響を受けやすく、特に農村部の貧しい家庭ほど栄養不良の子どもたちが多いという傾向があります。
水・衛生環境が悪い
アフリカでは池や川や湖、整備されていない井戸などから水を汲みあげ、浄水処理をしないまま飲むことが大半です。そのために病気にかかってしまうことも少なくありません。
特に、抵抗力の弱い子どもたちは、ふえいせいなみずをのむことで下痢を起こしたり、身体や生活環境を清潔に保てなくないことで、肺炎などのさまざまな病気に感染し、命を落としてしまいます。
医療サービスを受けられない
アフリカでは医者も医療設備も不足しています。そのため、満足な医療を受けることができません。
肺炎になった53%の子どもたち、下痢になった62%の子どもたちは、治療を受ける状況にありません。
早期に治療を行うことが重要なマラリアに感染した70%の子どもたちも、治療を受けることができません。
このように子どもの過半数が適切な治療を受けることができないため、高確率で助かるものも亡くなってしまうのです。
加えて、栄養不足による免疫力の低下も、感染リスクを高めています。
アフリカの子どもたちのためにできること
アフリカで医療を受けられない子どもたちのために、私たちにもできることがあります。それは寄付や募金、ボランティアなどです。
寄付・募金
私たちの寄付や募金によって肺炎を予防するワクチンを購入することができれば、子どもたちの肺炎予防に役立ちます。
他にも、井戸や水道などの設備を整備したり、マラリア予防のための蚊帳の購入・設置に使ってもらいます。
医療を始めとした貧困や栄養不足、衛生、教育などの多くの課題を解決するための活動の資金としても、私たちの寄付や募金は活用されています。
ボランティア
募金の呼びかけボランティアや、アフリカにおける子供の状況に対しての認知を広げるための活動に参加するなど、ボランティア活動が日本の全国各地でも行われています。
アフリカの子どもたちを救うには、現状の課題や解決策、必要な支援などの情報を積極的に伝えていく必要があります。そうすることにより、アフリカの現状が認知され、支援の輪も広がっていくからです。
これらの活動に参加するだけでも、アフリカの子どもたちの命を救うことに貢献することができます。
まとめ
アフリカの平均寿命が短い理由に、5歳未満の子どもの死亡率が高いことがわかりました。
アフリカの多くの子どもたちは、適切な医療を受けることができず、栄養不良や感染症などによって命を落としているわけです。
そんなアフリカの子どもたちのために、日本に住む私たちができることは、ワクチン購入などのための募金や寄付のほか、アフリカの現状を訴えるボランティア活動への参加です。
日本に生まれたことがいかに恵まれているかに感謝しつつ、アフリカの子どもたちをはじめとした世界の子どもたちの命を救うために、自分なりに何か貢献できることを考えてみたいと思います。